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新聞の片隅に載ったニュースから(163)     大西五郎

2014年08月27日 19時02分50秒 | Weblog
首相、A級戦犯を哀悼 4月の民間法要「祖国の礎なられた」(14.8.27 朝日新聞)

安倍晋三首相が4月、BC級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを書面で送っていたことが朝日新聞の調べで分かった。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する高野山真言宗の奥の院にある「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要。元将校らが立ち上げた「追悼碑を守る会」と、陸軍士官学校や防衛大のOBで作る「近畿偕行会」が共催で毎年営んでいる。
追悼碑は連合国による戦犯処罰を「歴史上世界に例を見ない過酷で報復的裁判」とし、戦犯の名誉回復と追悼を目的に1994年に建立。戦犯として処刑されたり、収容所内で病死や自殺をしたりした計約1180人の名前が刻まれている。靖国神社に合祀される東条英機元首相らA級戦犯14人も含む。
首相のメッセージは司会者が披露。「今日の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉教者の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げるとし、「今後とも恒久平和を願い、人類共生の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げる」とした。
安倍首相は昨年と04年の年次法要にも主催者側の依頼に応じ、自民党総裁、幹事長の役職名で署面を送付した。首相経験者では森喜朗氏が首相退任後に一度衆院議員の肩書きで送付してきたが、ほかに例はない。安倍首相の事務所は取材に「お答えするつもりはない」、自民党総裁室は「党としては関与していない」と答えた。
※ 記事は少し長文でしたので、一部を省略しました。

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BC級戦犯というのは第二次大戦後連合国によって決められた「極東国際軍事裁判所条例」の犯罪のうちB項「(交戦法規違反など)通例の戦争犯罪」やC項「(非戦闘員に対する大量殺人や捕虜の虐待、非人道的行為など)人道に対する罪」に問われて裁判を受けた人たちです。軍刀で捕虜を惨殺する模様が公開されてもいますが、上官の命令に従ってB級戦犯に問われたり、現地の人のあやふやな証言や人違いによる冤罪などもあり、戦後ずっと問題になってきました。
安倍首相が「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要にメッセージを贈った問題は靖国神社参拝と同じ問題をはらんでいます。東条英機首相らA級戦犯の名前も刻まれた追悼碑にメッセージを挙げるということは、A級戦犯を顕彰することになるからです。例え内閣総理大臣ではなく、自民党総裁名でメッセージを送ったとしても、諸外国からは「日本の総理大臣が戦犯の追悼碑に頭を下げた」と見られます。
安倍首相の歴史認識(つまりアジア諸国に対する日本軍国主義の侵略の否定)を示す結果になっているのです。安倍事務所が取材に対し「お答えするつもりはない」と答えたのは、被爆者代表に集団的自衛権を認めないと言われて「見解の相違ですね」と答えたのと同様、国政の責任者として、国民に向き合って説明するという態度の欠如で、政治家としての資質が問われます。
                                           大西 五郎
コメント (3)
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福島、子ども甲状腺癌で新発表  文科系

2014年08月27日 08時10分10秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 25日の中日新聞に標記の新たな数字が報道され、悪性癌とその疑いとが各57人、46人とあった。この数字は過去1年で3ヶ月ごとに発表されてきたが、当ブログでもその都度必ず報告・論評してきたようにこんな推移をたどっている。
13年 8月 18、24、合計42人
13年11月 26、33、合計59人
14年 2月 33、41、合計74人
14年 5月 50、39、合計89人
14年 8月 57、46、合計103人

 一見して従来の学問的知見からすれば、凄い数字だし、大変な増加率だと分かる。子どもの甲状腺癌の発現数は100万人に1人~9人などと言われてきたのに、この100万人に当たる福島の該当子ども総数は34万人だからである。なのに今回の調査委員会も例によって、こう解説している。「現時点で放射線の影響が見られないことが裏付けられた」などと。調査委員会はこの大きすぎる矛盾を「発生率と発現率」という用語を使って、言い逃れを続けてきた。今までもここで述べてきたように、こんなトリックである。
「従来の子ども甲状腺癌発生の数字は、病院に来てたまたま発見された子どもの総人口比だが、今回は希望者全員を検診して出てきた数字だから通常では拾われない人々も拾っているので、多くなるのだ」
 この考え方は、素人考えでは全く理解できないと、今までも述べてきた。「しらみつぶしに検診すれば(こんなにも)発生率が多くなる」と、そういう理屈が理解不能なのだ。通常の通院診察で引っかかる子ども以外の患者でも要手術段階が過ぎてなお診察に行かずに外っておくということはないだろうにとか、そういう子どもも含めた調査が今まではなかったとするならばそんな数字と今回とを比較すること自身が誤っているだろうとか、そういう反論を思いつく。

 いずれにしても、福島の子ども甲状腺癌は、このままで済むわけがない時点まで来ていると言いたい。福島の「発生率」がこれだけ大きいのだから、放射能の影響が推論されざるをえないはずだ。福島の甲状腺癌は、乳頭癌(放射線由来はこの癌になると言われてきた)が圧倒的に多いとも発表されている。とすればチェルノブイリの例が示したように事故後4~5年以降に癌発生がピークに達することになるはずだ。福島の事故後4~5年とは、2015~2016年である。この時期目指して調査委員会からどんな数字が出てくるのだろう。この委員会は、発足当初に事前秘密会議を重ねて恣意的運営を疑われたことがあるように、また誤魔化しをするのかも知れないと僕は本気で思うのである。ちなみに、安倍政権の学者、ブレインは誤魔化しばかりやってきた。立憲主義や解釈改憲のごまかしは、反「安保法制懇」のそうそうたる憲法学者達たちによって憲法学のイロハの欠如ないしは無視と非難されてきのだし、川内原発の規制委判断は関係学者たちによってこう反論されたばかりだ。「新燃岳噴火の降灰を安易に捉えすぎだ」とか、「火山一般に当てはまるものではない証拠が入っている」とか。こんな珍論、奇論ばかりに押し、押されて、安倍政権は一体どんな未来を目指していくのだろう。
コメント (2)
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