首相、A級戦犯を哀悼 4月の民間法要「祖国の礎なられた」(14.8.27 朝日新聞)
安倍晋三首相が4月、BC級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを書面で送っていたことが朝日新聞の調べで分かった。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する高野山真言宗の奥の院にある「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要。元将校らが立ち上げた「追悼碑を守る会」と、陸軍士官学校や防衛大のOBで作る「近畿偕行会」が共催で毎年営んでいる。
追悼碑は連合国による戦犯処罰を「歴史上世界に例を見ない過酷で報復的裁判」とし、戦犯の名誉回復と追悼を目的に1994年に建立。戦犯として処刑されたり、収容所内で病死や自殺をしたりした計約1180人の名前が刻まれている。靖国神社に合祀される東条英機元首相らA級戦犯14人も含む。
首相のメッセージは司会者が披露。「今日の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉教者の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げるとし、「今後とも恒久平和を願い、人類共生の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げる」とした。
安倍首相は昨年と04年の年次法要にも主催者側の依頼に応じ、自民党総裁、幹事長の役職名で署面を送付した。首相経験者では森喜朗氏が首相退任後に一度衆院議員の肩書きで送付してきたが、ほかに例はない。安倍首相の事務所は取材に「お答えするつもりはない」、自民党総裁室は「党としては関与していない」と答えた。
※ 記事は少し長文でしたので、一部を省略しました。
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BC級戦犯というのは第二次大戦後連合国によって決められた「極東国際軍事裁判所条例」の犯罪のうちB項「(交戦法規違反など)通例の戦争犯罪」やC項「(非戦闘員に対する大量殺人や捕虜の虐待、非人道的行為など)人道に対する罪」に問われて裁判を受けた人たちです。軍刀で捕虜を惨殺する模様が公開されてもいますが、上官の命令に従ってB級戦犯に問われたり、現地の人のあやふやな証言や人違いによる冤罪などもあり、戦後ずっと問題になってきました。
安倍首相が「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要にメッセージを贈った問題は靖国神社参拝と同じ問題をはらんでいます。東条英機首相らA級戦犯の名前も刻まれた追悼碑にメッセージを挙げるということは、A級戦犯を顕彰することになるからです。例え内閣総理大臣ではなく、自民党総裁名でメッセージを送ったとしても、諸外国からは「日本の総理大臣が戦犯の追悼碑に頭を下げた」と見られます。
安倍首相の歴史認識(つまりアジア諸国に対する日本軍国主義の侵略の否定)を示す結果になっているのです。安倍事務所が取材に対し「お答えするつもりはない」と答えたのは、被爆者代表に集団的自衛権を認めないと言われて「見解の相違ですね」と答えたのと同様、国政の責任者として、国民に向き合って説明するという態度の欠如で、政治家としての資質が問われます。
大西 五郎
安倍晋三首相が4月、BC級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを書面で送っていたことが朝日新聞の調べで分かった。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する高野山真言宗の奥の院にある「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要。元将校らが立ち上げた「追悼碑を守る会」と、陸軍士官学校や防衛大のOBで作る「近畿偕行会」が共催で毎年営んでいる。
追悼碑は連合国による戦犯処罰を「歴史上世界に例を見ない過酷で報復的裁判」とし、戦犯の名誉回復と追悼を目的に1994年に建立。戦犯として処刑されたり、収容所内で病死や自殺をしたりした計約1180人の名前が刻まれている。靖国神社に合祀される東条英機元首相らA級戦犯14人も含む。
首相のメッセージは司会者が披露。「今日の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉教者の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げるとし、「今後とも恒久平和を願い、人類共生の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げる」とした。
安倍首相は昨年と04年の年次法要にも主催者側の依頼に応じ、自民党総裁、幹事長の役職名で署面を送付した。首相経験者では森喜朗氏が首相退任後に一度衆院議員の肩書きで送付してきたが、ほかに例はない。安倍首相の事務所は取材に「お答えするつもりはない」、自民党総裁室は「党としては関与していない」と答えた。
※ 記事は少し長文でしたので、一部を省略しました。
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BC級戦犯というのは第二次大戦後連合国によって決められた「極東国際軍事裁判所条例」の犯罪のうちB項「(交戦法規違反など)通例の戦争犯罪」やC項「(非戦闘員に対する大量殺人や捕虜の虐待、非人道的行為など)人道に対する罪」に問われて裁判を受けた人たちです。軍刀で捕虜を惨殺する模様が公開されてもいますが、上官の命令に従ってB級戦犯に問われたり、現地の人のあやふやな証言や人違いによる冤罪などもあり、戦後ずっと問題になってきました。
安倍首相が「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要にメッセージを贈った問題は靖国神社参拝と同じ問題をはらんでいます。東条英機首相らA級戦犯の名前も刻まれた追悼碑にメッセージを挙げるということは、A級戦犯を顕彰することになるからです。例え内閣総理大臣ではなく、自民党総裁名でメッセージを送ったとしても、諸外国からは「日本の総理大臣が戦犯の追悼碑に頭を下げた」と見られます。
安倍首相の歴史認識(つまりアジア諸国に対する日本軍国主義の侵略の否定)を示す結果になっているのです。安倍事務所が取材に対し「お答えするつもりはない」と答えたのは、被爆者代表に集団的自衛権を認めないと言われて「見解の相違ですね」と答えたのと同様、国政の責任者として、国民に向き合って説明するという態度の欠如で、政治家としての資質が問われます。
大西 五郎
ぶっちゃけ、安倍政権は、それらを必要としていません。
分かりやすく言えば、「こっち見るな、バカ」でしょう。
何よりも宣戦布告をいい加減にして不意打ち開戦を行った国際法違反がある。以下の理由から、これは歴史的に証明された事実だ。
①真珠湾攻撃の後で宣戦布告をした。つまり不意打ちである。
②イギリス領侵略は、真珠湾攻撃よりさらに1時間前だ。イギリスにも不意打ちの上に、宣戦布告をしていない。
③オランダ領侵略も同じ事だが、オランダには宣戦布告さえない。
以上から、第一次世界大戦以降の戦争違法化の流れに全く無知、無自覚で、これを無視しているとさえ言える。宣戦布告のない戦争は単なる大量殺人者。それを戦争、戦犯と呼んでも人殺しの親玉を裁いただけのことである。
こうして国際法上のこの開戦そのもので、全部日本が悪いのである。