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随筆 「戦争、そのタテマエと実際」   文科系

2014年08月15日 17時09分07秒 | Weblog
 イラク戦争が示すように、戦争や軍備には必ず「タテマエと実際」がある。あれのタテマエは、「大量破壊兵器を保有しているから」というもの。本音、実際は、原油独占死守とドル防衛あたりだろう。太平洋戦争は、「大東亜共栄圏」と、世界不況下の大陸進出。不況で職もなく困り果てた人々に、「満蒙開拓」がどれだけの希望だったかというようなことだろう。そこから関東軍独走もあったりして大陸南下が始まっていった。その末にということと、イギリスに対するドイツの攻勢に我慢できずにということとから、アメリカがモンロー主義をかなぐり捨てて対日独戦争に踏み来たったのだった。

 「国家防衛」へのタテマエには、必ずこんな言葉が、固定観念よろしく存在してきた。
「攻めてくる国は、あるに決まっているから、軍備は必要だ」
 ところが歴史を見れば分かるが、米国とか日本とかの経済大国の場合、その国自身の方が実は恐ろしいのである。生き馬の目を抜く自由競争世界において、守るだけではなく、守るべき物も攻める動機も大きいのだし、国家経済力総動員の総力戦が始まって以降は、経済大国が勝つ確率が高くなったからだと言える。どんな国も経済大国相手の負けると分かっている戦争は、なかなかできないものだ。この経済大国の戦争動機を端的に言えば、株価を守るだけでなくって、上げたいのだ。いや、恐慌下には特に上げねばならないのである。そういう諸行動をやり尽くしても大量失業をどうしようもないなどの恐慌状態がほぼ定期的に必ずやってきたのだが、その果てにはもう戦争しか目前の破綻を避ける道がなくなったと、これが19~20世紀の主たる戦争史が教えるところではなかったか。ヒットラーは、軍需生産や軍隊大拡張で失業を無くしたことによってあっという間に国民の支持を得て、政権についたのだった。
 ケインズの言わば需要サイド経済学には、第一次世界大戦をそのように分析して、上のような背景、理由による戦争を起こさないようにとの願いが込められていた。それが冷戦が終わる前後からの供給サイド経済学の登場で世界経済も一変してしまい、米国式マネーの軍拡、無政府世界が現出してしまった。

 こういう半ばは必然的な近年の人間大戦争史の流れを見れば、好きで戦争を起こす奴など、先ずぎりぎりの時期になるまでは存在しないと思う。むしろ、だから怖いのである。後の歴史で変に活用されてしまう法律などを安易に作ることが、特に怖い。まず、立憲主義の放棄。次いで、内閣による解釈改憲や秘密保護法。加えてさらに怖いのは、防衛予算や武器輸出が、「安倍成長戦略の一環」になった事。これが、僕には最も怖い。このことは、世界原子力空母12艘のうち11艘を米国が所有していることでも分かろうというものだ。日本の産軍政複合体はすぐにモンスターに育ち上がっていくはずだ。それも原子力村と提携しあって。むしろ、だからこそ原子力村がなくならないのであって、これもこの怖さの証明になろう。こんな事を思ったりもした。今「原発廃止」を決めれば、関連資産がそのまま莫大な負債になって、日本を代表する企業の株が軒並み下がっていくはずだ。日本沈没である。それでも、日本軍拡と原発には反対せねばならない。行く先が上のように、見えているのだから。

 ちなみに、最後に付け加えることがある。9条変えよ、原発推進という進路選択への最精鋭部隊が米国だろう。当面日本沈没が起これば、急速に実権を失っている米国マネーも沈没を免れないからである。沈没して外貨を稼げなくなった日本が貯めた米国債をドルに換え始めれば、世界中で米国相手の取付さわぎが始まるだろう。
 こんなわけで、彼らからの有形無形の社会的圧力は、米国家の命運を賭けるような凄まじさなのだと思う。ちょうど、アメリカ議会への彼らのロビー活動が原子力空母11艘をもたらしてきたように。こういう他国政治へのあからさまな介入こそ、グローバル世界の外交というものだと観ている。
コメント (9)
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