棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

和の知恵--お椀

2009-08-26 11:11:20 | 山郷の暮し
味噌汁の器だけは漆塗りのお椀がいい。熱い汁も気にせずに持て、冷めずにいてくれる。
私も漆塗り椀ですが、ところどころ剥げて汚らしくなってしまったが、その気になればまた塗ってもらえばいい。
半球体の、手のひらにピッタシおさまるサイズは、手のひらをマルクしてあわせた平均的な寸法。男物が4寸-121ミリ 女物が3寸8分-115ミリと微妙だ。現代は男女の中間で3寸9分が多いらしい。
なんともいえない柔らかさに、日本の美を知恵を感じる。
はなしは変わりますが、西洋のテーブルマナーにカチャカチャ音を立ててはいけません。とあるが、あらためて言うまでもなく当たり前のことでしょう。
むかしヨーロッパの旅で、なんでもない安ペンションで気がついたことですが、硬質の磁器がかなでる微妙な音を楽しむのも、テーブルマナーの一つではないかとおもった。
わずかに器が奏でる音を楽しめる静かな会話の食事。貴族的ではありませんか。

フアスト・レストランで膝をつきながら、ナイフ・フォークを振り回しながらのお喋り食事風景は、決して美しくはありません。

67-珍訳源氏-六条の彼女

2009-08-26 07:50:55 | 物語・絵本・童話
話は前後しますが、源氏殿の亡くなられた正妻・葵の上に生霊としてとりついた六条の御息所のことです。
思い出していただけましたか。源氏殿より年上で、かなり嫉妬ぶかいおかたです。
我が子が伊勢の斎宮(伊勢神宮に奉仕する天皇の未婚の皇女・基本的には天皇一代の役目)に選ばれ、そのお供で伊勢神宮に御使えをしていました。
その6年間は恋しき源氏殿と会っていなかったのですが、様々な心の行き違いから、帰京しても源氏殿への挨拶はひかえていました。
源氏殿も気がかりのようでしたが、6年間の変わりようを想像すると、無理にあわないほうがいいとおもっていたようです。

おでこの美学???

2009-08-25 09:24:37 | 山郷の暮し
女子大生の美的観ってほどのことはナインですが・・・。
大学生から成る夏季宴会合宿のことは、先日ご報告いたしました。
その折、一人の女子大生から「龍さんの腕はカッコよくてカワイイ」といわれ、とまどってしまった。マッチョな筋骨でもなければ、かといって細いわけでもないタダノ中年の腕だ。
彼女の説明によると、男が女性に興味や魅力を感じたりするポイントのように、女の子は男性の腕を観るのだそうだ。
これはまったく意外なことで、知っていましたか??  野郎たち。
ところで、私は女性の顔でポイントとし魅力を感じるのはオデコなのです。
目鼻口や頬などは化粧でそれなりに変える事ができるが、オデコまで注意をはらっていない。たいていは頭髪で隠れているが、艶と張りのある利発なオデコは美しい。
パット女優で浮かぶのはヘップパーンだ。チョントと最高のやさしさで突っついてみたい。
日本でその極みの表現は、女を表した能面だ。特に孫次郎や子面などはオデコの美しさの極といえる芸術美だ。
それと対極にある表情の面は、オカメやおどけた表情の面などで、オデコはそれにあわせた表現をもっている。
日本の流行の化粧は、猫の額にお目目キラキラで、マンガチックに見えてしまう。オデコは骸骨そのままで、化粧のしようがないから隠してしまう。
蛇足ながら、肖像画でも東西にかかわらずオデコに注意を払って製作をしています。

66-珍訳源氏-

2009-08-25 08:57:31 | 物語・絵本・童話
紫の上殿(おそらく20歳くらいか)は、光源氏(28歳)が流刑であった2年4ヶ月のあいだ、一人で二条の屋敷を支えてきてくれたのです。
決しておろそかにできる方ではありません。源氏殿はへたに隠し立てをするのではなく、明石でのいきさつを話したのです。
賢く気高い女性だとしても、嫉妬したり、すねたりするのはとうぜんのこと。源氏殿は深い愛情のなせることと、妻をさらにいとおしくおもったのです。

源氏殿の永遠の思い人・藤壺の中宮さまは、女性としては最高の称号である女院をあたえられ、宮中への出入りは自由で、お子である冷泉帝にもおあいできます。在ってはならぬ源氏殿との恋の懊悩も消え、話し合える中になり、37歳でお亡くなる生涯の中で、もっとも心安らかな時期を迎えたのでした。

14//////-*/家////////けけけけけけけけけけけけけすい猫のチビクマがじゃれた結果です

秋が見え隠れ

2009-08-24 20:47:56 | 山郷の暮し
夕方の散歩は長袖を着て「アーーー秋だーー」茜色の西空を見上げれば、三日月が寂しくあります。
少したそがれていると、花の谷を爆音が掻き混ぜやってきました。
日本が世界にホコル「選挙カーの爆音」
それもワタシが押す候補。チョイト手を振ったらおかえしがまたすごかった。
ワタシも選挙運動をしたことがあり、反応ある動きは嬉しかっただけにわかずもないが・・。
まーーしかたがねーなー。
しばしの騒ぎが過ぎれば、なにか心細い冷風が流れた。

65-珍訳源氏-明石の巻

2009-08-24 08:37:33 | 物語・絵本・童話
明石の里
源氏殿の流刑地だった須磨で結ばれた「明石の姫」が妊娠されたとわかったのが6月。皮肉なことに7月末日には流刑が許され、源治殿は京にかえってしまった。姫をはじめ一族は悲しみの日々であったでしょう。3月16日に姫君がお生れになった。

この明石の姫と子供のことは、今後の源氏物語を彩って生きますので、覚えておいてください。

源氏殿は美しく知恵ある乳母(めのと)をさっそく明石に送り込む、喜びようでした。気がかりは、実質てきに正妻の位置にある紫の上とのことです。

イワシ雲

2009-08-23 15:01:21 | 山郷の暮し
秋の雲-イワシ雲-はこんなに早い時期に広がったッケ!!
日差しはジリジリとオーブンなみの強さだが、時おり流れる風は冷気を含む。
蝉の声もまばらになり、秋の虫の声が静けさを一層まして響く。
高校野球準決勝中継のラジオ音が、妙に明るく気だるい空気の中を流れる。
正直、所在無くPCにむかう。といっても、あちらこちら検索をする気はないのだが。
秋の展示会に備えて、そろそろ作品の見直しタイムにはいろうか・・・。

64-珍訳源氏-善き世界

2009-08-23 09:18:38 | 物語・絵本・童話
栄枯盛衰とはよくいったもの。
権力・財力などは誰でもが欲するものですが、其れを否定しきった生き方は、なかなかできるものではありません。
私の生きた時代はさらに病魔との闘いでした。医療などといえる代物ではなく、ひたすら神仏に祈るのが唯一の救いでした。
それ故に西方に浄土があり、極楽世界に生まれ変われることが最大の願いでもあったのです。
幸い私は極楽浄土に住むことが出来、皆様方の娑婆世界を拝見しています。
皆様方の世界も大変ですネーー。根っこにアル悩みは私たちの時代と大して変わっていないように感じます。

仏教がおしめしている「我欲」を棄て、慈悲の心を持て。人々がいたわりあう世の中こそ仏国土だとおっしゃっておられます。
光源氏は喜怒哀楽の人間模様を実体験され、仏の慈悲の心こそ善き治世ができると確信し、其れまでになかった平安な時代が幕開けしたのです。
源氏物語はこれから更に人間関係が複雑になります。
今までの登場人物がベースになっておりますから、じっくりと読み直していただければ幸いです。それでは有名な「明石の巻」に入りましょう。

茗荷の時期

2009-08-22 18:24:05 | 山郷の暮し
茗荷が美味しい時期ですね。
我が家も藪を探れば、可憐な白い花をつけた茗荷がありました。
薬味にもってこいの風味ですね。そのほか様々な調理があるのでしょうが、わたしはそのままガブリと食らいついてもいいくらい、大好きなものなんですが、せめて、大きく切り鰹節をぶっかけるだけで食べます。
茗荷の味といいますか風味は言葉にいいあらわせない微妙な、妙なものです。
なんとも不思議な食材。日本以外で食べたことがありませんが、どこかの国で食べているのでしょうかねーー。
ご存知でしたらオセーーテ下さい。

63-珍訳源氏-栄枯盛衰

2009-08-22 08:25:26 | 物語・絵本・童話
流刑中、皇太后さまの嫌がらせにもじっと耐えていた者たちは、この日の来るのを信じてきたのです。
なにより、宮中は明るくなり、活力が生まれ華やかになったのは、源氏殿のもって生まれたお人柄といえましょう。
光源氏殿の補佐による、名帝と賞される冷泉帝の18年の治世のまくあけでした。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本