棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

60-明石の巻

2009-08-18 07:57:20 | 物語・絵本・童話
地獄の扉もあっけぱなしのお盆。極楽は大忙しで私もあちらこちらお訪ねをいたしておりました。てな訳でごぶさたをしておりました。
別れの夜の宴での源氏殿の奏でる琴の見事さに、皆は魂が抜ける思い出聞入った。とりわけ、明石の姫も琴の名手であったため、普段の遠慮深さも忘れ、競演をしてしまった。驚いたのは源氏殿で、話には姫が琴を弾くと聞いていたが、実際に聞くのはその夜が初めてだった。
都にもこれだけの名手は少なく、ご自分の琴を形見と渡しました。
   なおざりに頼め置くめる一言をつきせぬ音にやかけてしのばむ
と、明石の姫が少しいやみをふんくだ詩を歌いますと。
   あうまでのかたみに契るなかのおの調べはことかわらざらなむ
と、この琴の音が狂ってしまう前に必ず再会しょうと、約束をしたのでした。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本