棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

18-棚からぼた餅-木米爺様

2008-01-28 10:35:37 | Weblog
ことしゃー豊作であんべーいいってーのに、村の衆は神さんのこたーすっかり忘れちまって・・・。
いつまでもこんなにミグセー祠じゃー罰が当たるってーもんだ・・。
でも、ワシにゃケエショーねえから、せめてこれを召し上がってくだせー」
炭焼きの木米爺様は、栃餅団子と木の実酒を供え、燈明をあげていきました。

「ひやーーこれはありがたや。木米爺様の木の実酒は天下一品。
栃餅団子は腹持ちがいいし、あーりがーたや、ありがたやー」
木の実酒をチビリチビリ舐めるように飲みだしたのです。

酒の勢いか、福の神はドント置かれた「厄事計画書」を、ためらうことなく読み出したのです。
「ヒェーなんてマメなことだ。来年も良いことがなさそうだ。
そおいえばえらい昔に、なんとやらいう"厄事封じ込みの術"を教わったことがあったっけ。やったことがないから、忘れちゃった」

厄事の段取り・実行の緻密な計画に、あらためて厄病神の働きぶりに驚いた福の神。
ナルホドと思いつつ、"オイラにはとてもできないことだ"と、他人事。
久しぶりの酒に、だらしなく寝込んでしまいました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿