棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

20-棚からぼた餅-始末書

2008-01-30 10:10:00 | Weblog
「福の神 ! FUKUNOKAMI! フクノカミ !どこにいるんだ!
厄病神の怒鳴り声に、草むらで日向ぼっこをしていた福の神。
ウヒェーとも、へーーーーとも締まらない返事。
さらに大きくなった福の神に、厄病神はギョ!としましたが
そこは、負けじとにらみかえしましたが、
計画書が跡形もなく燃えてしまった話に、ヘナヘナとなってしまいました。

「ナナナなんてこった。今年の計画はめちゃめちゃになり
始末書を書かされ、おおはじをかいた上に・・・。
オリャーいってーどおすりゃーいいんだ」

泣き出す寸前の厄病神は、金襴緞子の上着は、垢よごれ擦り切れています。
艶やかだった顔は土色に変わり、体もふた周りほど小さくなってしまいました。

「私だって大弱りで。旅の者が焚き火の不始末をしまして・・・。
村の衆も冷たいもので、これから冬に向かって住むところもないんです。」
といいわけをする福の神。

「もおいいやめろっ!
テメーはここでボーとしていりゃーいいが、俺は王神様から人間どもをしっかりみはることをいいつかっているのだ。
人間テーやつは、チョットよくなるとつけあがり、地の神のお伺いも立てずに、作っちゃーいけねーところに、道や畑を開墾しだす。
やたらと木をきってしまったり、金儲けになることばかりしだす。
上手くいかなけりゃー厄病神のたたりだなんて、間の抜けたことをいやがって。

人間のしでかしたことを、長期短期に調べ上げた計画書は、先祖からの預かり物で命より大切なものだったんだ!」

厄病神は「不始末」と大きく書かれた背中をがっくりと落とし、村中の庄屋の屋敷に帰っていきました。




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