団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

研磨の角度を間違え、画期的な半導体SiCを開発

2019-01-08 09:36:42 | 社会・経済

SiC(シリコンカーバイト)は、従来の半導体と比べて、はるかに効率よく電力変換ができるうえ、発生する熱が少ないため、劇的な省エネ化、冷却機構を含めた機器の大幅な小型化が可能です。とくに、大電力の変換に適していることから、産業機械、電気自動車、メガソーラー、家庭用エアコンなどの幅広い導入が期待されています。

この画期的な半導体SiCを開発したのが松波弘之・京都大名誉教授(79)でした。この功績で、朝日賞、本田賞など数々の賞を受賞しています。SiC(炭化ケイ素)は元々、建築資材として使われており、それを半導体材料にしようと考えた松波さんは自らをクレージーボーイと名乗り、誰もそんな開発はできっこない、と思っていたといいます。

日本学術会議in京都の懇親会で、松波さんから開発秘話を聞きました。SiCは結晶をつくるのに高い熱が必要なうえ、硬くて加工が困難とされます。結晶を整った形にするには、研磨しなければなりません。20年以上の試行錯誤を重ねましたが、整った形が得られませんでした。

ところが、一緒に研究していた大学院生が平らに削るところを誤って斜めに削ってしまったそうです。しょげる大学院生を前に、このSiCを使ったところ、実に効率よく電力変換ができたそうです。こうして画期的な半導体SiC(シリコンカーバイト)が誕生しました。

「長年の研究実績がありますから、間違えた研磨角度により効率的な半導体ができたのか、は理論づけできました。削り間違いからシリコンカーバイトは生まれたのです。運がよかった」と松波さん。

半導体SiCは日本が世界の最先端を走っている技術だそうです。

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