足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

新興市場へのIPO始動・・・この銘柄をまず注目

2005-02-09 19:16:19 | 株式
今日から、ことしの新興市場へのIPO(新規公開)が本格的に始動した。
ジャスダック市場のシステム障害で、10時20分まで売買がストップした。新興市場ファンには、いらいらさせられた。公開の5銘柄のIPO価格に対する上昇率には驚いた。ハビックス(3895・以下JQ)1.5倍、ホロン(7748)2倍、ワイエスフード(3358)2.6倍、日本テクシード(2431)2.8倍、ワールドインテック(2429)2.9倍。
昨年12月13日から取引所化されて以来、株価形成のシステムが変わった。これまでの初値形成は、一般にはダッチ方式で初値が決められたが、マザーズ、ヘラクレスと同じように、ジャスダックもセリ売買で決められる(マーケットメークの銘柄はそのまま)。
そして初日に出来るだけ寄り付かせるというのが、他市場との違いで工夫された。ウォール街の株価形成に一歩近づいた。
われわれ投資家にとっては透明性が出て有難い。しかし、それだけに投資に当たっては自己責任が問われ(当たり前の話ではあるが・・)、銘柄の評価についてはしっかりした分析が問われる。私が利用している理論株価を利用し、それを上手く使いこなさなければならない。
今日の公開銘柄で、寄り後も買い気配で終わったのはワールドインテックだけだ。
ビジネスモデルに妙味があり、成長性もある。12月に公開されたアウトソーシング(2427・JQ)と同じ、PEO(プロセス・エンプロイヤー・オーガニゼーション)というモデルだ。ウォール街では1990年代から公開企業が出てきている。たとえばロバートハーフという株。単なる人材派遣ではなく、企業の一つの生産工程を一括して請け負う。アウトソーシングと差別化しているのは、生産プロセスの請負だけでなく、製品の開発まで踏み込むところが新しい。
アウトソーシングはIPO価格46万円に対して101万円で始まり、1月に発表した1対10の株式分割で、株価は権利落ち後、逆算値で300万円近くまで上昇した。
ワールドインテックはIPO価格50万円に対して初値は145万円。アウトソーシングはマーケットメーク銘柄であったので、比較的に穏健な初値形成ではあった。比較観らすると、アウトソーシングに比べて割安だ。私の理論株価では、ワールドインテックには同じ水準の株価が出る。今月のIPO銘柄の人気株の一つになる。
このビジネスモデルは、日本の企業が「モノづくり」を、中国から国内に取り戻す決め手になる。
先週の「トリトンスクエア通信」では株価算定の具体論を報じた。