足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

なぜ相場はボックス圏か?・・外人大量保有届けのこの株に注目

2005-02-04 21:28:08 | 株式
年初来の日経平均は11,200~11,600円のボックス圏に入ってしまい、上下への変動幅が狭くなってきた。
日米とも同じ動きになってしまったが、なぜか?
一つはヘッジファンドの影響力が大きくなってきたからではないか。
昨年末には世界のヘッジファンドの残高は9730億ドルと1兆ドルの大台に迫った。100兆円である。レバレッジ(テコの原理)を効かして運用する。仮に2倍とすれば200兆円の運用資産だ。NY株の売買のうち30%近くがヘッジファンドといわれる。おそらく日本での外人の売買代金のうちでも25~30%になっているのではないか。
ソロスが活躍しているときは「絶対リターンを追求する」のが「ヘッジファンドの本領」といわれたが、最近は株価指数をベンチマークとするのが普通になってきた。顧客の要望なので仕方がない。
先行きの不透明な環境下では、その運用はロング(買い)とショート(カラ売り)の両建てにする。上がれば利食い、下がれば買い戻す。この動きに個人投資家が追随して、相場の変動率を少なくする。
ことしの株式相場はは1年間、ボックス圏での売買が続くかも知れない。「労多くして、儲けの少ない」相場展開かも知れない。

財務省に出されたインサイダー取引きを調べていたら、米大手の投信フィデリティーの東邦チタニウム(5727)の買い増しが目についた。6.7%から、直近は9.0%の大株主になった。第3位に躍り出た。先に同社は住友チタニウムの大量保有届けを出した。日本での金属チタンの生産はこの2社の寡占。世界的にも航空機向けは日本のチタンのシエアーが圧倒的に高い。品質の面で米、ロシアには手が出せない。
世界のチタン・メーカーは7社だが、参入障壁が高い。製品価格は、ことし40%近い値上げが実現する。先に住友チタニウムに注目したが、東邦チタニウムにも注目する。PERは来期ベースで29倍。住友チタニウムとほぼ同じである。
日経平均のボックス相場に付き合っていては儲からない。中、小型株と新興市場でことしは乗り切るつもりである。