足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

今週は、この銘柄に注目

2005-02-06 12:02:04 | 株式
今週から2月のIPO(新規公開)が始まる。昨年12月28日のミホウジャパン以来のIPOだ。12月はタカラバイオ、ダイセキ環境ソリューション、アウトソーシング、省電社、リプラス、アエリア、フィデック、ワールドロジ、ウェルネット、ケイブといった人気株を輩出しただけに、新興市場ファンにとっては待望のIPO再開である。1月の新規公開がゼロであっただけに、需給関係はよい。問題は「どの種が芽を吹くか?」の判断だが、100%とまではいかないが、ある程度は合理性が働く世界であるというのが、私の経験からの結論である。分析ツールを使いこなせば60~70%の成功の確率はある。もちろん非合理的な株価形成もある。それは利益を上げることのできるチャンスでもある。
先週、3日(木)にリナックス関連のテンアートニ(3744・マ)が12月決算を発表。日本ではリナックス関連としては唯一の公開会社である。マイクロソフトのウィンドウズの牙城に挑戦する。リナックスの世界でのデスクトップPCのシェアはわずか3%で、2年以内に倍の6%になると予想されている。
決算は予想を上回り売り上げ(当初)33億9700万円→38億4800万円、経常利益(同)2億1500万円→2億4300万円。
今12月期は売り上げ46億2000万円(+20.1%)、経常利益3億1300万円(+28.8%)の予想を発表した。
売り上げ予想が控え目であったのと、分割期待が裏切られて、株価は急落した。同社の予想は控え目、分割も株価次第では期待できる。
同社は米レッドハットの製品を日本に輸入、システム化して顧客に納入する。顧客はファーストリテイリング、ガリバー、スクエア・エニックス、全日空、凸版印刷、アリコなど成長企業から、大手まで幅が広い。日本のリナックス市場はこれからが成長の本番。米レッドハットは売り上げ+56%、利益3倍。
テンアートニのような株価の評価は、PERよりも、PSR(株価÷1株当たり売り上げ)を適用する。
今期の1株当たり売り上げは12万4000円。時価のPSRは4倍。レッドハットのPSRは11倍である。テンアートニは10倍まではやがては買われるだろう。成長性を市場が評価していない銘柄の一つである。
ちなみにヤフー、楽天のPSRは30倍だ。