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埼玉県西部地域まちづくり協議会 通称 ダイアプラン の防災に関する講演会に参加した。
いや、参加したなんて言えない。
だって、自分がダイアプランの会長職であり、そして、主催者なんだから。
さて、狭山市市民会館で行われた今日の講演会は、見事であった。
聴きに行った人みんな、顔を上げて真剣に聞いて1時間半はあという間に過ぎ去った。
片田敏孝という群馬大学の先生のお話。
先生は岩手県(宮城県と書いてしまいましたが、指摘により書き換えました。)釜石市の防災教育に8年間携わってこられた方だ。
そして、この大震災、津波にあって、釜石市では学校にいなかった5人を除く約3000人の子どもが津波被害から免れた、のだった。
免れた、というのは間違いで、『逃げ切った』ということか。
先生が釜石の子供たちに8年かけて伝えていたことは要約すると次の3つだ。
1、想定にとらわれるな(ハザードマップは信じるな)
2、最善を尽くせ(生き物として自分の頭で考えて動け。それでもだめなことはある。)
3、率先避難者になれ(人はその場になっても、自分が巻き込まれていることを信じようといしないもの。2つ以上の証拠があって初めて行動に出られる。それで遅すぎることが多い。まず、自分が逃げよ。それを見て周囲も行動を開始する。)
想定外、という言葉が震災関連では新聞に踊った。
が、想定なんて過去の実例に基づくものなんである。
それ以上のことを自然が起こさない保証はない。想定すると人は慢心し、安心して、
生物としての「身の危険を感じて、逃げる」能力を失ってしまうのである。
日本は防災大国であり、それゆえに災害過保護になってしまうのであった。
自然の前におごらず、人間は謙虚であるべきである。
さて、ハザードマップ上は安全だった地域の中学生が、教えに則り、地震が起きてまず逃げた。
津波が来るぞーっと言って、まず、外にいたサッカー部の子たちが、大声で呼びかけて走った。
それを聴いて、中学生が逃げた。大声で呼びかけながら坂を上った。
それを見て、小学生たちが逃げた。
先生は校舎3階に誘導していた.
が、昇降口から子どもが逃げるので、それをあきらめ皆を外に逃がした。
保育園からも声を聴いて、避難開始。
低年齢児をカートに入れて逃げる保育士を見て、中学生が一人一人抱えて逃げた。
近くの老人ホームからもお年寄りが出てきた。中学生はその手も引いて逃げた。
第1避難所では危ないと判断した中学生はさらに高台の第2避難所に逃げる。
皆がそれに続く。
そして、ついに津波がやってきそうになった。
が、すんでのところで皆避難所にたどり着いたのだった…。
先生は事例を紹介しながら、「最初は大人対象で講座を開いた。が、いつやっても同じ人しか来なかった。
そして気づいた。学校でやろう。
子どもに伝え、その子どもが大人になって、そして、親になって子どもに伝えるようになって伝承は完成する。
それまでやらねばならない。」
「学校は文化の伝承の場」
とも表現されていた。
わたしはその時思ったのだった。
生き物(大人)の使命は長生きすること(自己の充実)と次世代への継承だ。
いままでは長生きすること(自己の充実)
の時代だったのだ。
そして、
これからは
次世代への継承
の時代がやってきたのだ、と。
突然、頭に浮かんだのだったが、きっとそうなのだと今も確信にも似た気持ちでいる。
でも、市長!釜石は岩手県ですよ。