中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

麻(ヘンプ)ローライズステテコ&肌襦袢 [2] ――室内着使用例

2016年08月09日 | 麻ローライズステテコ&肌襦袢/長襦袢

残暑お見舞い申し上げます。

この夏は梅雨明けが遅く、割りに気温が低い日が続いていましたが、このところは暑さが本格的になってきました。今日は今夏最高の暑さですね。

お陰さまで工房は高台にあり、風の通りがよく、まだ冷房は使っていません。
庭の桜や柿の木が日よけになってくれていますし、ヨシズも使ってますし、四方の窓を開け、自然の風に吹かれ、風のない日はエアコンの送風で凌いでおります。

とは申しましても、着るものは究極の形でなければなりません。
衣服は限りなく楽にしております。でも仕事着(作業着)はだらしなくはならないようにしています。

素材は薄手の綿麻の織物生地(肌に密着しない張り感や、シボのあるもの)。
形はゆるく、風の通り道を確保したもの(エントツ効果)。
ただ肌を露出するのではなく、薄い生地が汗取りの役目を果たしてくれます。
カットソーは真夏には着ません。

今日は大変ご好評をいただきました和装用の麻(ヘンプ)の肌襦袢とステテコを
冷房なしで過ごす方向けに室内着としても着てみましたのでご紹介します。
室内着としても本当に涼しいです!!!

麻の中でもヘンプは特に放熱性、抗菌性、消臭性、即乾性も高く夏に最適です。
麻は接触冷感と言われ、身体にヒンヤリした感触があります。

それにしても、日本で「麻」といえば大麻草を指すものでしたが、今は麻と言ってはいけないというのが不思議でなりません。日本の文化の根幹をなすものだったのに、「指定外繊維」と表示しなければならないとは、、、?

麻福さんと櫻工房との共同企画で作りましたが、はじめは着物を快適に着てもらうためのものとして作ったのですが、最初から着物用ではなく室内着用あるいはスカート下にお求め下さった方もあります。

上の画像はインド綿のカットワークのチュニックブラウスとローライズステテコを組み合わせました。
白で透け感があるので、室内着といえども家族や他人の目もありますので、それをカバーするのがポイントです。とても涼しいです!


こちらはヘンプ肌襦袢と綿のワッシャー加工のイージーパンツの組み合わせです。
インナーは蚊帳生地(綿)のタンクトップす。
前身ごろの合わせは、紐で加減してください。
前の合わせのところから風が通り抜けとても快適です。
着物用に買われた方もぜひお試しください!!!


首筋なども肌あたりも柔らかく、チクチクして麻が苦手の方にもおススメです。
着物の肌着として着用の時には、繰越を下げるために背中心を少し引き気味に着用します。
初めから繰越を大きく刳ったものが最近は多いのですが、そうではなく肩山線を後ろに回すことで、肩周りがバイアス使いになり着やすくなるのです。
五分袖は肘の汗を取ってくれます。


もちろん着物用の肌着として一年を通してお使いいただけます。

サイドのスリットがお腹周りに沿ってくれますので、私でも窮屈感はありません。多少息を詰めていますが・・^^;


身八つ口と袖下の開きが放熱してくれて、和服の文化ならではの機能です。
これは室内着として着るときにもとても有効です。


この上質の素材感とヘンプの共布で作っていただいた少し細目の紐も自信作です!


あと蚊帳生地のヘンプ・リネンタオル2本でバイアスの汗取りを縫われた方が下記のようなコメントをくださいました。
「汗取りタオルのバイアス縫いは、面白かったです。ただまっすぐに縫うのとは、違う感覚ですね。ずっと続けて縫っていたいなあ・・・と思うような、今までにない縫い物の感覚でした。
タオルは初めは切らずにそのまま作りましたが、先生がおっしゃっていたように、少し切って短くした方が、身につけた時に、おさまりが良いようです。」

M~Lサイズの方は2本ですと少し長いので、生地幅分ぐらいをカットして、つなぎ合わせて作ると良いです。余り布は、端をかがって布巾やハンカチに。
ウエストの細い方には補正の役目も果たします。

ヘンプ・リネン蚊帳タオルもshopで一緒にご購入いただけます。(2,052円/税込)
2本必要になります。縫い方説明書をお付けしています。
ご注文フォームの備考欄にお書き添えください。

肌着のshopこちらから。

着物用の肌着として書いた前回の記事および、ステテコ、肌襦袢モニターアンケートにお答え下さった方のコメントもshopから是非ご覧ください。とても参考になります!!

生地の調達が難しく限定品ですので、お早めにお求めください。

尚、工房の夏季休業は8月12日(金)~15日(月)となります。

ヘンプの肌着のご注文はこの間も承りますが、発送作業は16日(火)以降となります。


柿の葉が夏の日差しを遮ってくれます。柿の実もだいぶ大きくなってきました。秋には美味しい柿の実が食べられます。染にも使います。

衣食住、身近な自然の恵み、自然エネルギー、昔からの知恵を再確認して、心地よい夏を過ごしましょう。
    











コメント
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