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☆高齢者ほど出来合いの惣菜や弁当を食べたほうがいい

高齢になると、1日3食いちいち食事をつくるのが、めんどうになることもあります。
特にひとり暮らしの場合、自分が食べる分だけのために、
料理をするのが、億劫になってくることが少なくありません。

料理をする手間を省くのは構いませんが、
摂取するカロリーやたんぱくの量を減らすのはやめましょう。

いちばん手っとり早いのは、出来合いのお惣菜やお弁当を食べること。

もちろん、外食をしたり、出前を取ったりするのでもよいのですが、
いちいちお店に出かけたり、注文したりするのも手間ですし、
外食や出前を頻繁に利用していると、経済的にも出費がかさみますよね。

その点、スーパーやコンビニでお惣菜やお弁当を買ってしまえば、
ラクして気軽に食事を調達できます。

こうしたお惣菜やお弁当をセレクトする場合、
高齢者のみなさんは、できるだけカロリーが高くて、たんぱく質たっぷりなものを
選ぶようにしてください。

☆「食欲がないから、ごはんはいいや」は禁物

お惣菜なら、唐揚げやとんかつ、コロッケ、フライ、てんぷらなどの揚げもの、
脂をたっぷり使った中華系惣菜などがおすすめ。

お弁当なら、焼き肉弁当、すき焼き弁当、チンジャオロース弁当など、
お肉がドカンと入ったこってり系がおすすめ。

逆に、「今日はサラダだけでいいや」、
「今日はおにぎり1個で済ませちゃおう」といったセレクトは、避けてください。

こういった低カロリーで低たんぱくな食事をしていると、
体重や筋肉が減少し、身体の衰弱を加速させてしまいます。

「あまり食欲ないから、食べなくていいや」ではなく、
「どうしたら、おいしくしっかり食べられるか」を考えてみてください。

なお、どんなに億劫でも、食事を抜いてしまうのは、厳禁です。
これは高齢者が、いちばんやってはいけないこと。

たとえ食欲がなくても、食べるべき時間になったら
ちゃんと食事らしいものを口に入れるようにしましょう。



☆カップ焼きそばに、生卵を落としてタンパク質をプラス

もし、つくるのもめんどうだし、スーパーに買いものに行くのもめんどうという場合は、
買い置きのカップラーメンでもよいのです。

毎日でなく「たまの手抜き」で食べる分には、まったく問題ありません。

カップラーメンは、けっこうカロリーが高く、高齢者にとっては重宝する食品なのです。
とりわけ、カップ焼きそばは、
かなりの高カロリー食品で、普通サイズでなんと500〜600kcalもあります。

ただ、カップラーメンやカップ焼きそばは、たんぱく質が足りません。

でも、「サバ缶」でも一緒に食べれば、
カロリーも、たんぱく質も、けっこう理想的な量を摂取できることになります。

あるいは、カップラーメンとゆで卵を一緒に食べたり、
カップ焼きそばに、生卵を落として食べたりして、
たんぱく質を「ちょい足し」していくのもいいかもしれません。

☆日本の高齢者は全体に“低体重”傾向にある

ここでちょっと、日本の高齢者が、いかにやせているか、
医学的データを元に状況をチェックしてみましょう。

太っているのか、やせているのかの基準となる指標に、BMIがあります。
これは身長(メートル)を2乗した数字で体重を割ると計算できます。

一般的には、このBMIが25を超えると「肥満」、
18・5を下回ると「やせ」、
中でも22が、最も病気のリスクが低くなることから「標準体型」とされています。

全国の訪問看護を利用している高齢者のBMIを調査したところ、
BMIが18・5もない「低体重」に該当する人が60%にも、
上ることが明らかになりました。
中でもBMIが16未満の「重度のやせ」の人が28%もいたのです。

女性の場合、BMIが16未満だと、
BMIが22の人に比べて、死亡リスクが2・6倍にアップすることがわかっています。

BMIが18.5でもかなりやせ型ですが、
BMIが16となると、もう筋肉まで落ちてガリガリにやせた状態です。

私は、こうした日本の高齢者の低体重傾向を、“危険なレベル”と考えています。

食事量が不足しているために、
「低栄養→筋肉量低下→肺炎・骨折→入院→さらに筋量低下」という悪循環を
自分から招き入れてしまっているのです。


☆「理想のBMI」は30〜59歳のデータに基づいている

低体重のリスクが、ピンとこない方もいるかもしれませんが、
高齢者の場合、「やせていると死亡リスクが高く、
太っていると死亡リスクが低くなる」ことが多くの研究で明らかになっています。

アメリカで行なわれた研究でも、
高齢者の死亡リスクは、BMIが低くなるほど高まり、
高齢者のBMIは27のちょい太めくらいが、最も死亡リスクが低いとわかっています。

BMIが27ということは、つまり肥満(1度)ということになるのですが、
高齢者の場合、標準体型(BMIが22)の人と比べて、
死亡リスクが29%低下することが報告されています。

高齢者の場合、かなりの肥満であるBMIが40の人でさえ、
標準体型の人と死亡リスクが、ほぼ同じなのは驚きですね。

「あれ? BMIって22が最も健康にいいはずなのに、なんで?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、理想のBMIは、若者と高齢者とでは、別々に考えたほうがいいのです。

というのも、BMIが22というのは、
30歳から59歳の5000人を対象にした健診データから導き出された指数、
つまり高齢者が、まったくカウントされていないのです。

言わば、「高齢者抜き」でつくられた体格指標であり、
そのため「22がいちばんいい」というのは、
高齢者には当てはまらない、と考えたほうがいいんですね。



☆年をとったら「おやつ」は好きなように食べる

ここで「間食」についても、お話ししておきましょう。
高齢者は「間食」をしてもいいのでしょうか?

答えはイエス。

特に食事量の少ない高齢者の場合、
1日3食、白米をしっかり食べるというスタイルよりは、
白米は多少控えめでも、3食のおかずを多めに食べて、
間食やデザートも多めにとるというスタイルのほうが、
トータルでしっかりカロリーを摂れると思います。

だから、ちょっと小腹が空いたときには、
お菓子でもみかんでも、気にせずお好きなものをつまんでください。

若い時期には、スナック菓子などを食べ過ぎて、
注意されることもあったかもしれませんが、それはあくまで若いときの話。

高齢になってからは、カロリーが高くて太りやすいのは、
かえって好都合というもの。

だから、ポテトチップス、おせんべい、おかき、かりんとう・・・
好きなものを好きに食べても、別に問題ありません。


☆「太っちゃうから」甘いものをもう我慢しなくていい

きっと、お菓子類が好きな方にとっては、
なんでも気兼ねなく食べられるのは、夢のような状況なのかもしれませんね。

ただ、間食でこういったものを多く食べていると、
カロリーは摂れても、たんぱく質は不足しがちになるので、
肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質は、3度の食事できちんと摂るように留意してください。

おやつと言えば、「甘いもの」に目がない方も多いと思います。
ケーキ、シュークリーム、エクレア、プリン、大福、どらやき、おまんじゅう・・・
こういったスイーツも、高齢者は好きに食べて構いません。

高齢とはいえ、現役並みに元気な人で、
血糖値が高めの人は、もちろんまだまだ注意が必要ですが、衰えを自覚するようになってきたら、
血糖値よりも、しっかり食べて体重を守ることを優先したほうがよいと思います。

糖尿病で治療中の方は、もちろん血糖コントロールを無視していいというわけではありませんが、
低体重の方は、「血糖を上げないために食べない」ではなく、
食べたい量に薬やインスリンを合わせていくという考え方もあります。

☆選び放題のコンビニスイーツを活用する

ちなみに、最近はコンビニのスイーツが、たいへん充実してきています。

たとえば、プリンひとつをとっても、たくさんの種類があり、
生クリームが載ったもの、フルーツが載ったもの、高級な材料を使ったものなど、
好みに合わせていろいろ選べるようになっています。

佐々木淳『在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい』(飛鳥新社)
佐々木淳『在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい』(飛鳥新社)


もちろん自分の好みにあったものを選択すればよいのですが、
食事の量が少なく、体重がなかなか増えない。
そんな人は、小さくてもカロリーが高めのものをチョイスするとよいでしょう。

あくまで参考ですが、おまんじゅうのような和菓子よりも、
ケーキやシュークリームのような洋菓子のほうが、
生クリームなどの乳脂肪が含まれている分カロリーが高い傾向があります。
ですから、もし迷ったなら、和菓子よりも、洋菓子を選ぶほうがいいかもしれません。

おやつは何歳になっても毎日の楽しみ、という方も少なくないと思います。

太ってはいけない、という呪縛がなくなったいま、
いろんなスイーツを試してみながら、日々の「食べる喜び」を満喫してはいかがでしょうか。


☆食欲がないときは「チョコとアイス」がおすすめなワケ

持病や体調不良があると、病気によってエネルギーを消耗するため、
より多くのカロリーを摂らなくてはなりません。

「今日はちょっと熱っぽいな」、「どうも体調がすぐれないな」といったときほど、
がんばって、より多くのカロリーを摂取しなくてはならないのです。

そうはいっても、どうしても食欲が湧かないというときはありますよね。
いつものように食べられないときは、どうしたらいいのでしょうか。

いちばん避けるべきは、食事を抜いてしまうこと。
なので、少量でもいいから、食べられそうなものを、食べられるだけ食べてください。
そして、できるだけ「少量でもカロリーが高いもの」を口に入れるようにするとよいでしょう。

私のおすすめは、チョコレートとアイスクリームです。
両方とも少量で、高いカロリーを確保することができます。

板チョコは1枚で約400kcal、半分でも200kcal摂れます。
乳脂肪分の多いアイスクリームのミニカップは、だいたい260〜300kcal。
これらを食べれば、そこそこのカロリーを摂れるのです。

特にアイスクリームは、すぐに口内で溶けて舌やのどが冷たく感じるので、
熱っぽいときでも、のどに痛みがあるときでも、食べやすいと思います。



☆甘いもの嫌いなら「ナッツ」をつまむ

また、スナック系だと、かりんとうが少量で高カロリー。
100g食べると約450kcal摂ることができます。

食欲がないときでも「甘いものなら食べられそう」という方は、
こういった食品を積極的に活用していくといいのではないでしょうか。

甘いものがあまり好きでないなら、ナッツ類を食べるのもおすすめです。

アーモンドやピーナッツも10粒で60kcal。
カシューナッツ、ピスタチオ、くるみなど、ナッツ類はどれもカロリーが高めです。
ちょこちょこつまめば、けっこうなカロリーを摂れることになります。

高齢になったら、どんなに食欲がなくても、
こういった「熱」や「力」になりそうなものを、
少しでも口に放り込んでおくことが、重要なのです。



☆「体調が悪い→おかゆ」は黄金の方程式ではない

逆に、実はあまりおすすめできないのが「おかゆ」です。
おかゆでは、カロリーが決定的に足りません。

普通に炊いたごはんは、一膳約200kcalですが、
おかゆだと、半分の約100kcalになってしまいます。

熱が出て体温が1度上がると、それだけで約200kcalの熱量が消耗されます。
2度上がれば約400kcalです。

つまり、おかゆの100kcalでは、この熱が上がって消耗した分のカロリーすら
まかなえないことになってしまいます。

こんな状態を高齢者が何日も続けていたら、
風邪をひいて寝込んでいるうちに、低栄養状態になってしまいかねません。

もちろん、食事が喉を通らないほど具合が悪いときは、
水分をとったり、おかゆを食べるので精いっぱい・・・ということもあると思います。

ただ、もし食べられるのであれば、
これからは「食欲がない→おかゆ」という発想を捨て、
新たな健康常識として「食欲がない→チョコレート&アイスクリーム」
を身につけるようにしてみてください。・・ 》


今回、在宅医療のエキスパートの佐々木 淳さんより、
長生きをするには、どんな食生活が望ましいのか・・問いには、
「高齢者になったら、痩せるのは危険だ。
揚げ物や肉料理がメインの惣菜や弁当を積極的に食べて、
カロリーとたんぱく質をたっぷり摂ったほうがいい」と明示されたりした。

そして多岐な事柄に対して、具体的に明示されて、
私は驚きながら、多々教示させられたりした。



ここ数年、食べたいなぁ・・と思いながら、
体重は72キロまでと制約してきたりしている・・。
たとえば、三時のおやつとして、つぶアンパン、こしアンパン、大福など、
ひとつだけ食べたいなぁ・・と思ったりしてきた。

或いは、間食として、おせんべいを少しだけ食べたいなぁ・・
と思いながら断念してきた・・。

そして今回、こっそりと身長からみた体重の程度を示す体格指数(BMI)、
算出してしまった。
BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

70キロ÷1・69メートル÷1・69メートル=24・5

ボケてないと思われるが、二回しても24・5BMI・・
微苦笑してしまった。



油断すれば、その上にコロナのストレスで、昨年の一時時期に75キロになってしまい、
中性脂肪、善玉コレステロール、悪玉コレステロールなど悪化してしまい、
苦い体験があるので、苦笑したりしている・・。