映画監督若松孝二が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。
1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。
フィクションだと思って見ていたのだが、本当の話が中心にあるようなのだ。ほとんどが実際にあった事のようだ。
大学浪人の井上はシネマスコーレで映画を見て、たまたま名古屋に来ていた若松監督と遭遇。監督や映画館のスタッフと食事に行く機会を得る。その後東京に帰る若松監督の新幹線にもぐり込んで、弟子にしてもらう。
非常に厚かましい奴だが、若いとそういう事をやっても許されると思う。
河合塾予備校の一年を映画にするという企画で、卒業生である井上が初監督を務める事になって、甘やかし過ぎだと思ったが、実質若松監督が監督をしていた。まだ業界に入ったばかりで何も知らないのだ。
他にも物語はいろいろあるのだが、若松監督って本当にいい人だったんだなあと思った。誰にでもやさしくて、弟子の面倒を良くみる人だったんだな。
若松監督は2012年10月に交通事故がもとで亡くなっている。
この映画は続編だが、その前の映画も若松監督を慕う映画人達が作っているのだ。若松監督役の井浦新は若松監督作品に数本出演している。しぐさ、口ぐせなどを真似しているのだろう。
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