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芥川賞を受賞したこの小説を僕は二回読んだ。二回読んでもあまりよく分からないという印象なのだが、もちろん一回目よりは二回目は多少理解が進んだと思う。作者である沼田真佑さんは、主人公の今野秋一を含めて、人には影や裏があるものなのだ、という事が言いたかったのではないだろうか?と僕は思った。
盛岡に転勤してきた今野秋一は、職場で日浅典博と知り合う。日浅は非正規雇用のようだが、同年代で釣りや酒好きで馬が合い、かの地で唯一心を許せる存在と思って今野は日浅と友達付合いしていた。
しかし、日浅は今野に何も言わずに突然会社を辞めてしまう。日浅は冠婚葬祭の会社に転職し、その後今野の家にも現れるようになるが、いっしょに釣りに行ったり、酒を飲んだりしても今野は以前のような親密さを感じなくなる。
東日本大震災が起こると、日浅と連絡がつかなくなった。日浅はその日釜石で営業活動をしていたらしい。今野は同じ会社のパートの女性から、日浅についての話を打ち明けられる。互助会への加入を頼まれて自分と夫と長女の分で契約をした事、お礼をしたいと言われてラーメンをごちそうになったら、次女の分の契約も頼まれた。これは断ったが、お金を三十万円貸したというのだ。
今野は日浅の父親に会う。捜索願をすすめるが、父親は次男とは縁を切ったからと断る。日浅典博は大学に入学してなかったのに、四年間仕送りをもらって東京で暮らしていたのだ。卒業証書を偽造した人からの脅迫の電話で父親はその事を知る。
ある人について、こういう人だと思っていたら、実は自分の知らない事がいくつもあったというお話。主人公の今野が見ていた日浅典博は、日浅のほんの一部に過ぎなかった。
今野は盛岡に来る前に、副島和哉という人と付き合っていたという文章もあった。和哉は性別適合手術を受けたともある。今野が同性愛者とは記されてない。
映画では今野が日浅にキスをするシーンがあった。和哉は女性的な身なりで登場した。原作とは少し違っているようだ。映画では今野役の綾野剛の下着姿の下半身が大きく映し出されるシーンが何回もあった。ボクサーブリーフがちょっととがっていたり、同性愛者の観客へのサービス??のつもりなのか?