左から猫バス、トトロ、さつき、めい
『となりのトトロ』に関して“都市伝説”があるのを最近知った。
めいもさつきも実は死んでいた。池で見つかったサンダルはめいの物だった。めいには影が無い。トトロも猫バスも死期が近い者にしか見えない。七国山病院まで二人は行ったのにお母さんに会わなかったのは二人が既に死者だったから会えなかったのだ。トトロは死神のトロル、猫バスはこの世とあの世の橋渡しをする存在だ。というような“都市伝説”だ。トトロの舞台は埼玉県所沢市らしい。まつごう(松郷)という地名や八国山(映画では七国山)という地名は付近にあるようだ。ネット上を見てみると、狭山事件(1963年)という16歳の女子高校生を被害者とする強盗強姦殺人と符合している箇所があるとの指摘も多い。
本当にそうなのだろうかと思って久しぶりにトトロを見た。
池でサンダルが見つかったが、そのシーンの前後のめいのサンダルとは違っている。
めいやさつきの影は他の人物と変わりないようだった。特に映画の後半は夕方から夜にかけての時間帯になるので影ははっきりとしない。
トトロも猫バスもさつきとめい以外の人には見えてないのはなぜなのかは不明。主人公だからじゃないか?
病院まで行ったのに母親(両親)と会わなかったのはなぜか?
さつきとめいは母親の安否確認が出来てひとまず安心した。一週間後くらいに母親は戻ってくるだろう。会ってしまうとどのようにしてたどり着いたのか説明しなくてはならない。猫バスで来た事は説明出来ないから話せない(さつきとめいにしか見えない)。だから二人はとうもろこしだけ置いて立ち去った。
狭山事件との共通点は未確認のため省略。
映画は両親がめいが持ってきたとうもろこしを病室の窓のところで発見したところで終っているように見える。しかし、厳密に言えば、これは映画の本編というか、せりふのある部分が終わっているだけだ。すぐにテーマ曲が流れ始めエンドロールの背景としてその後のシーンが続くが、これが本編パート2と言って良いものだろう。
病院から猫バスに乗ってさつきとめいは自宅に帰る。
管理人のおばあちゃんやかんたと再会する。おばあちゃんはめいを抱きしめて涙する。
お母さんが退院してタクシーで帰宅する。
お母さんとさつき、めいがいっしょに風呂に入る。
さつき、めいがともだちと遊ぶ。
おばあちゃんがすり鉢・すりこぎを使っているのをめいが見ている。
布団に入って、お母さんがさつきとめいに本を読んでいる。
ここが本当のラストだ。
俺の結論としてはこれはオリジナルの物語である。さつきもめいも死んでない。お母さんも生きている。死神もあの世も関係無い。トトロや猫バスは森の主なのだ。物語は作り話であり現実とは違うのだ。トトロや猫バスがいても良いのだ。地名は所沢付近の地名を使っているが、その近くの狭山から物語に取り入れたという物も無いと思う。
村上春樹氏の作品についての研究が非常にたくさんの人々によってなされているのと同じく、たくさんの人々が興味を抱く魅力的な映画だという事なのだ。
一番の魅力はトトロ、猫バスの笑顔じゃないかなと俺は思う。次は田舎の自然・生活、少年少女時代に感じた感情などなど懐かしいものに浸れる事かな。