Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

『マイ・ブロークン・マリコ』3回目

2022-10-27 07:38:26 | 映画,DVD,ビデオ

 

この映画、僕の中では今年のベスト3に入るくらいの映画だと思う。

親友が亡くなって悲しい話なのだが、最後は元気をもらった、勇気をもらったという気持ちになるのだ。85分という長さも良い。公開からもうすぐ一ヶ月経過するので、上映回数少なくなってきたから、見てない人は急いだほうが良い。


一回見てから原作の漫画読んだが、ほぼ完全に忠実に原作を映像化していると思った。セリフも原作と同じだと思う。

3回目見て初めて気づく事もある。

シイちゃんについて、どういう家庭なのかよくわからないが、両親が離婚したから今年はおばあちゃんちに行かない、というセリフある。

住んでるマンションはそんなに狭そうでもない。

マリコ以外の友人はいないようだ。クラスで浮いている二人が仲良くしていたのかな?

まりがおか岬に行くバスでいっしょになった女子高生に、シイちゃんが手を振るのは?なぜ?原作にはバスの中の描写は一コマくらいしかないから、映画のオリジナルだ。

まりがおか岬で痴漢に追いかけられるのが、バスでいっしょになった女子高生だと思う。だからその前に出したのかな?

シイちゃんはマキオにお金を返したのかな?いろいろ世話してくれたのに、シイちゃんの態度はかなり素っ気なくて失礼。元の生活に戻って何か連絡すれば良いと思うが、そのあたりは映画には無かった。

マリコはスマホでやり取りしていても、手紙も送るんだな?学生時代が主なんだろうが。手書きの手紙もらうとうれしいから、僕もやろうかなと思った。

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『線は、僕を描く』

2022-10-23 07:12:11 | 映画,DVD,ビデオ

 

 

大学生の青山霜介(横浜流星)はアルバイト先の絵画展設営現場で水墨画と運命的な出会いを果たす。巨匠・篠田湖山(三浦友和)に声を掛けられて水墨画を学ぶことになった霜介は、初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく。

水墨画は雪舟の時代のものではなく、現代でも描いている画家がいるという事を知った。

湖山が霜介の才能を見出す場面は面白かったし、霜介に「出来るか出来ないかじゃなくて、やるかやらないかだ」と言うシーンが一番僕は強く印象づけられた。このせりふだけでも僕には見た価値あったと思う。

疑問に思う事もいくつかあった。
硯で何度も何度も墨をすり直させられるシーンがあったが、何が悪いのかはよくわからなかった。
霜介は一人暮らしだが、大学生の分際でかなり広い所に住んでいる。
千瑛の両親は出てこないし、それについて触れられなかった。
かつての霜介の家の場所に行ったが、身長を測った柱があったが、洪水があったのに柱だけその場に残るだろうか?と思った。
 
エンドロールを見るまで湖山は三浦友和だとは思わなかった。誰なんだろうと思って見ていた。
 
淡々としたお話だった。
横浜流星は、「流浪の月」、「アキラとあきら」に続いて見た。今僕の中では非常に注目している俳優。この映画も良かったが、「流浪の月」が一番良かったかも。
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『メイクアップ・アーティスト ケヴィン・オークイン・ストーリー』

2022-10-20 21:53:42 | 映画,DVD,ビデオ

 

90年代に多くのスーパーモデルやセレブを虜にした早世の天才メイクアップアーティスト、ケビン・オークインの人生に迫るドキュメンタリー。

全く知らない人だが、映画になるくらいだからおそらくアメリカでは有名な人なのだろう、と思って見た。

彼は自分が同性愛者である事を少年期から自覚していて、ルイジアナはおそらく保守的な場所だから、彼は偏見、差別から逃れるためにニューヨークに出る。彼は絵の才能があったし、メイクアップに自分の可能性を賭けた。技術もあったし、常に新しい事に挑戦してきた。一流モデルのメイクアップの仕事で名を上げ、モデル以外のセレブたちにも仕事の領域を拡大していった。自家用飛行機を持つくらいの収入があったくらいだから相当稼いでいたのだろう。

恋人がいても恋人とはセックスせず、次から次へと色々な男とセックスしていたようで、恋人は離れていく。

有名人になっていく過程で、横柄で高慢な奴になっていくように見えた。

脳のどこかに腫瘍が出来て、末端肥大症になり、鎮痛剤を飲みまくる。色々なところが痛んだようだ。エイズではなかったようだ。30歳を超えても背が伸びて2メートル5センチメートルあったということだ。末端肥大症って痛いようだ。

薬の飲み過ぎで肝臓が機能不全になり、脳死状態に陥って亡くなった。40歳。アメリカではニュースで死亡が伝えられるくらい有名人だったようだ。

世の中には様々な仕事があり、様々な才能があり、この人は自分が楽しいとか得意だと思える事で成功して幸せな人生を生きた人だと思う。

沢山の一流モデルやセレブが出てきていると思うが、名前を見てもほとんど知らなかった。バーブラ・ストライサンド、ティナ・ターナー、ライザ・ミネリ、ホィットニー・ヒューストン、シェール、ブルック・シールズはわかった。彼はバーブラ・ストライサンドの熱烈なファンだったらしい。僕は80年代の彼女のアルバムはいくつか聞いた。さかのぼって聞いてみようかな、と思った。

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『アイ・アム まきもと』やっぱり面白い。三回目。

2022-10-20 11:28:17 | 映画,DVD,ビデオ

牧本壮は市役所では変人の様に思われているのかもしれないが、見ず知らずの孤独死した方々の命を尊重する良い人であるのだ。

三回見ていろいろな事に気づく。疑問も起こってくる。

最後に関わる事になった、蕪木孝一郎(かぶらぎ こういちろう)をお見送りするために、牧本は蕪木を知る人を探し始める。蕪木のガラケーに魚住食品の電話番号が残っていた。

食肉工場の魚住食品で同僚が機械で指を切断する事故がおこり、蕪木は経営陣に対して労働条件の改善を迫った。牧本は、その時同僚だった平光(松尾スズキ)からその事を聞く。労働条件は改善されたが、蕪木は魚住食品を辞めてしまう。

その後、港の近くの「みはる」という食堂に流れ着いて、女将と暮らし始めた。やがて客の漁師と喧嘩して留置場に入れられる。

県警(山形県警?)の留置場の面会記録に、関係者の名前や連絡先があるかもしれないと牧本は思って、刑事の神代に記録を見せてもらい、娘の津森塔子に到達する。

牧本は養豚場で働く塔子に会い、蕪木の死を告げる。その後塔子の自宅へ。

蕪木が二十代に北海道の炭鉱で働いていた事を牧本は知り、その時の友人槍田(やりた)の存在を知り、会いに行く。

失明して老人ホームで暮らす槍田は、蕪木を自分の命の恩人だと言う。炭鉱のガス爆発事故の時に、蕪木が目を負傷した槍田を背負って坑内から脱出させてくれたのだという。その後、待遇をめぐって蕪木は経営陣と対立して炭鉱を辞めてしまい、路上生活をしばらくしていたという。

路上生活中に民生員の千晶と知り合って結婚し、やがて塔子が生まれる。

槍田は言う、蕪木が妻と娘を捨てて出て行ったのは自分のせいだと。

一度蕪木が自分(槍田)を家に招待してくれた事があった。目の不自由な不幸な自分の惨めな姿を見て哀れに思って、自分だけ幸せになっちゃ悪いと思ったんじゃないかな?と。セリフ通りではないが、僕はそういう意味じゃないかと理解した。友達のためにそこまでするかなあ?と思うが。

この映画、主役は牧本壮だが、セリフの無い蕪木幸太郎の人生をたどりながら、今の日本の社会に対していろいろ問題提起している映画だと思う。牧本も蕪木についてそういう事をノートに書いていた。蕪木という人は、同僚・友人をいたわる気持ちを持ち、他者を思いやり、他者のために立ち上がる人だったと思う。

また、会社は、会社だけでなく役所もだが効率を重視し、合理的な判断をしようとするが、それが全てじゃないだろう。そのやり方についてこれなければ、放り出すのか?そんなやり方で救うべき人をきちんと救えるのか?みんなが幸福になれるのか?

命の尊さ、はかなさに思い至れ。脈々とつながる先祖の供養を放棄して良いのか?自分さえよければ良いのか?というごく当たり前な事を世の中に問題提起しているのだ。

牧本は自宅で米を炊いたり、簡単な調理をしていたが、最初のうちは電子ジャーやフライパンにスプーンを入れて、コンロの近くに立って食べていた。あれは何だったのだろう?

なぞとしては、「みはる」にいた赤ん坊とその母親は、蕪木と関係あったのだろうか?牧本は自分で買っておいた墓まで塔子にあげる?譲ってしまうのか?自分のはどうする気なのだ?誰も牧本の葬式をしないのか?納骨のタイミングを同じ日の同じ時間にしなくても良いのではないか?

最後がもったいないと思うが、そこまでで語るべきことは語ったというつもりなのかな?監督は。

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『川っぺりムコリッタ』

2022-10-17 22:45:46 | 映画,DVD,ビデオ

 

 

 

 

 

 

 

北陸の小さな町にあるいかの塩辛工場で働き口を見つけた山田は、社長から紹介された古い安アパート「ハイツムコリッタ」で暮らし始める。

山田には実は前科があり、静かに地味に仕事をこなしながら社会復帰をしていくつもりでいる。
その静かな日常が、隣の部屋に住む島田が「風呂を貸してほしい」と訪ねてきたことから一変する。山田と島田は、少しずつ友情のようなものが芽生え始め、楽しい日々を送っていたが・・・。

この映画も骨壺もの。4歳の時に別れた父親が孤独死して、遺骨を息子である山田が引き取る。

松山ケンイチ演じる山田は、塩辛工場のパート従業員だと思うので収入は少ないだろう。だから家で米を炊いて食べている。おかずはいかの塩辛や海苔の佃煮。

島田(ムロツヨシ)は図々しく山田の部屋に入ってきて風呂に入ったり、飯を食べたり、淡麗を飲んだりする。しかし、島田なりに気を使って自分が育てたきゅうりやトマトを漬物にしたりして持ってくるようになる。

炊きたての白い飯を茶碗に盛る、いかの塩辛や漬物といっしよにムシャムシャ食べるというシーンが何度もでてくるので、僕は映画が終わったらいかの塩辛で白い飯を腹一杯食べたいと思いながら映画を見ていた。

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『夜明けまでバス停で』

2022-10-14 06:14:15 | 映画,DVD,ビデオ

 

 

 

 

 

 

 

バス停で寝泊まりするホームレスの女性が主人公。

昼間はアトリエで自作アクセサリーを販売し、夜は居酒屋屋で住み込みのパートとして働く北林三知子。しかし、コロナ禍により仕事も住む家も失ってしまう。新しい仕事は見つからず、ファミレスや漫画喫茶も閉まっている。行き場をなくした彼女がたどり着いたのは、街灯の下にポツリとたたずむバス停だった。

幡ヶ谷のバス停のベンチで寝ていた60歳代の女性が、近隣住民の男に石の入った袋で撲殺されるという事件が、2020年11月に実際に起こっている。

細部は変えていると思うが、その事件をモチーフとした映画である。


実際の事件は、ある日理不尽に唐突に職場を解雇され収入が途絶え、家賃滞納が続いてアパートからも追い出される。高齢になると次の仕事はなかなか見つからない。被害者は人に弱みを見せたくない人であったようだ。



この主人公、母親と仲が良くなかったらしいが、兄弟姉妹誰かいたのに頼らなかった。一時的にでも頼っていれば良かったのに、悔やまれることだ。

明日は我が身。明日も来月も来年も、たいていの人は今の生活が続くと思っている。しかし、自分にそんなことが起こらないとは言い切れないのだ。ある程度の事が起きてもどうにかなる様な貯えは必要だ。

この映画、超有名な俳優がゾロゾロ出てくる。

これからはホームレスの人達を見ても、もしかしたらこの映画みたいな事情でホームレスになったのかも、と思うだろう。

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『マイ・ブロークン・マリコ』

2022-10-12 15:28:56 | 映画,DVD,ビデオ









ブラック企業?と思しき会社の会社員・シイノトモヨ(永野芽郁)は、親友のイカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことをテレビのニュースで知る。マリコは幼い頃から、実の父親に暴力や性的虐待を受けていた。そんなマリコの魂を救うため、シイノはマリコの父親のもとから遺骨を奪うことを決意。マリコの父親と再婚相手が暮らす家を訪れ、遺骨を強奪し逃亡する。マリコの遺骨を抱き、マリコとの思い出を胸に旅に出るシイノだったが……。

最近見た映画は骨壺が良く出てくる。『川っぺりムコリッタ』、『アイ・アム まきもと』。同じ時期に公開される映画でそういう事が起こるのはなぜなのか?シンクロニシティか?

『そして、バトンは渡された』のみーたん役とは似ても似つかない、全くの別人、キャラクターだった。シイちゃんにしか見えない。何か男っぽくて、粗野な感じ、思ったら即行動という感じ。

マリコはクラスに友達がいないような感じだが、シイちゃんもマリコ以外に付き合う友達はいなそうだ。マリコはシイちゃんにベタベタしてくる感じだが、男とも付き合っている。シイちゃんについてはそういう描写は無かった。実はマリコにしか心を開いていなかったのかもしれない。

ずいぶんと浅い川だったが、川を渡るところや、橋だと思うが裸足で走るところは特に面白かった。大変だったと思う。

ブラック企業の【クソ上司】や、まりがおか岬の釣り青年などいい奴も出てきていた。

親友が亡くなって悲しいお話なのだが、見ていた僕が元気もらった、明日も頑張ってみよう、と思える映画だった。後味さわやかだった。良い映画だった。

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『アイ・アム まきもと』

2022-10-06 07:44:34 | 映画,DVD,ビデオ















小さな市役所で、孤独死した人を担当する「おみおくり係」として働く牧本(阿部サダヲ)。彼は身寄りを探し、ご遺体の引取りを拒否される故人のために、自費でお葬式もあげ、無縁墓地に遺骨を埋葬していた。

そんなある日、新任局長・小野口が「おみおくり係」の廃止を決定。
身寄りなく亡くなった老人・蕪木(宇崎竜童)の埋葬が「おみおくり係」での最後の仕事となった牧本は、蕪木の身寄りを探すため彼の友人や知人を訪ね歩き、やがて蕪木の娘・塔子(満島ひかり)のもとにたどり着く。蕪木の知られざる人生をたどるうちに、牧本自身にも少しずつ変化が起こり始める。

2013年製作のイギリス・イタリア合作映画「おみおくりの作法」を原作に描いたヒューマンドラマ。

牧本壮は、人になめられやすく、出世からも取り残され、団地?に一人暮らし。何かを思いつくと、その事で頭がいっぱいになり、人の話を聞けなくなってしまうようなところはある。しかし、孤独死した人々に心を寄せ、自費でお葬式まで出してあげる。物凄くイイ奴だと思う。

一方、世の中には、縁が切れたのかもしれないが家族や親戚が孤独に亡くなっても、ご遺体の引き取りも拒否し、お葬式もせず、ご遺骨の埋葬も拒否する人々がいる。他人に迷惑を掛けても平気な人がいるのだ。

牧本は最後の仕事として、亡くなった蕪木のために、身寄りや知人を探す。蕪木の娘塔子にたどり着き、自分が買っておいたお墓の場所まで譲ってしまう。

しかし、牧本は交通事故で死んでしまう。原作映画でも死ぬらしいので、それをそのまま踏襲したんだろう。死ななくても良いと思うが、死なせてしまうなら警官?刑事?の神代亨(松下洸平)以外誰からも放っておかれるのはおかしい。牧本がお世話した、蕪木を含む孤独死した方々の霊が手を合わせにくるのは感動的なのだが、目の前でお墓に集まっている塔子、牧本の直属上司が墓前に現れないのはあり得ないのではないか?それに、死者というなら牧本だって死者なんだから、蕪木達といっしょに現れないのはおかしいと思う。

しかし、そういう終盤を差し引いても良い映画だと思う。もう一回くらいは見たい。満島ひかりさんは特に気になった。

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『LOVE LIFE』

2022-10-05 07:37:55 | 映画,DVD,ビデオ










妙子(木村文乃)は前の夫との子供敬太を抱えながら、二郎(永山絢斗)と再婚。再婚して1年が経とうとしたある日、夫婦は悲しい出来事に襲われる。そして、悲しみに沈む妙子の前に、失踪した前の夫であり敬太の父親でもあるパク(砂田アトム)が現れる。再会を機に、妙子はろう者であるパクの身の回りの世話をするようになる。一方の二郎も、以前つきあっていた女性の山崎(山崎紘菜)と会っていた。

二郎はおそらく初婚なので、両親(田口トモロヲ、神野三鈴)の反対を押し切って妙子と結婚したのだろう。妙子の息子の敬太を二郎は養子にしてない、という事を誰かが言ってたが、法律というか制度がどうようものなのかよくわからないので、そういう事もあり得るのだろう。

妙子がなぜ韓国籍のパクとなぜ結婚したのか?はわからない。二郎は容姿も悪くないから、慌てて子持ち女と結婚しなくても良いのではないか?とも思う。二郎の両親にとって敬太は法律上は孫にあたる存在だと思うが、息子である二郎と血のつながらない敬太を愛するのは躊躇われるのだろう。二郎に、妙子との間に子供をもうけて欲しいと思っている。

二郎も妙子も、二郎の父親も、二郎の元カノの山崎も同じ役所の福祉関係の部署で働いているのだと思う。

そういう事が、映画が進んでいくとわかってくるというか、つながるように作られているのだと思う。

妙子はパクが現れるとかつての愛情が復活? 二郎も元カノの山崎を忘れられないで会いに行く。どんよりとした空気の中、夫婦として今後もやっていく、ような感じで終わった。

後味は良くない。観客にいろいろ考えさせる、想像させる。深田晃司監督の映画はそういうの多いらしい。いろいろな監督がいる。
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