Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

『月と六ペンス』読了

2011-02-18 00:58:52 | 読書


絵はゴーギャン作。タイトルなどはわからない。タヒチであろう。


400ページ弱の文庫本だったが、読了した。非常に非常に面白かった。約90年前に書かれた作品である。
出てくる画家ストリックランドのモデルはポール・ゴーギャンである。モームがストリックランドを
はじめ登場人物を魅力的によく描いているし、ストーリーが面白い。この数日間で、モームとゴーギャンへの興味は僕の人生で最大値に高まっている。次もモーム作品だ。『人間の絆』の予定。
翻訳も良かったのだと思う。2007年に出た新しい、行方さん?先生の訳である。この先生はモームの研究家であり、『英文の読み方』とかの英語についての著作も多い。若いわけではないだろうが、現代的な言葉づかいで、滑らかな自然な日本語訳となっている。

ゴーギャンであるが、行方先生もあとがきで仰っているように、あくまでもモデルではあっても、モームの描くストリックランドとゴーギャンは違うらしい。証券会社にいたとか、タヒチに魅せられたとか、そのままを描いている部分があっても、国も違うし、性格もこの通りではなかったようだ。しかし、多くの人々がゴーギャンといえば『月と六ペンス』に描かれている人物像を連想してしまうらしい。僕も同じである。
さっそくゴーギャンについての本も買ってきた。ゴーギャンの著作『ノアノア』も買ってきてしまった。絵も見たい。タヒチにも行きたい。

非常に満足のいく読書であった。
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芥川賞の作家

2011-02-17 17:58:17 | 読書

芥川賞作家の西村賢太の『二度はゆけぬ町の地図』を読んだ。
私小説との事。作家本人の体験が書かれているという事だろうか。

読みやすい。すいすい読ませる。さすが売文稼業だ。
作家といえども、芥川賞受賞者といえども、人格者である必然性は
無いのかもしれないが、家賃を踏み倒し、母親のさいふから金を奪う、恋人に暴力を
振るうなどいう行為は、若気の至りとしても許される事ではない。更にこの作家には
前科?もあるようだ。人間は完全ではないから、程度の差こそあれ、誰にでも
それに近い事があるのかもしれない。
作品には不潔な描写も出てくる。若いころは風呂に入らない、風呂が好きじゃ
なかったらしい。汚らしいとも思われる生々しい性描写もある。こういうのは、
一種の迷惑情報のようにも感じる。作中の人物(主人公)は作家本人であり、想像して
しまうのだ。この作家は容姿が素晴らしいわけでもないから、良い絵にはならないし。

そういう人間の愚かで汚い側面を書くのが読者の共感を得る事になるのか?敬愛する
作家の全集を編纂するのが作者の夢らしいが、賞金も出るのだし、本も売れるだろう
から踏み倒した家賃を払うのが先ではないのかと思う。その事はもう解決したのか?

私小説とは全て事実を書くものなのか?自分の私生活を切り売りするものなのか?
書くために何かをしでかすという事もあるのではないのか?読者はそれを読みたいのか?
それを面白がるのか?この作家のこのような人生の歩みに興味がわくのか?

授賞作の『苦役列車』を読んで、改めて考えたい。
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メンデルスゾーンと文明堂に注目

2011-02-11 00:39:37 | CD


TOWER RECORDSのおすすめ試聴コーナーで非常になつかしいCDを発見した。
80年代、STARS ON 45のメドレーがヒットした後に出た『HOOKED ON CLASSICS』。
その当時クラシック音楽にはほとんど興味が無く、知識も無かったのだが、これで
冒頭のチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番や、モーツァルトのアイネクライネ
ナハトムジークを知ってCDを買った。
今回、『HOOKED ON CLASSICS』を入手。さまざまなメドレーが入っている。どこかで聞いた
覚えがあるという曲の断片がいくつも入っている。
今回の新たな収穫としては、8番目のメンデルスゾーンのメドレーと、9番目のカンカンメドレー
である。
メンデルスゾーンはメドレーといっても2曲だけなのだが、バイオリン協奏曲の第三楽章が
非常に素晴らしい。この協奏曲は知っていたのだが、第一楽章の印象があまりにも強くて、
第三楽章は記憶に無かった。第一楽章はシリアスで暗い感じなのだが、第三楽章はあっけらかんと
した明るさなのだ。同じ名前の曲とは思えない。『HOOKED ON CLASSICS』なので、ディスコ調に
なっていて、更にノリノリなのである。
カンカンメドレーは、文明堂の『カステラ一番、電話は二番...』のオッフェンバックの曲から始まる。
『フレンチカンカン』?から来ている名前らしい。これも子供の頃から耳になじんでいた曲なのだが、
日本語の歌詞が付いていないこのオッフェンバックの曲も素晴らしい。『la via parisienne 』という
オペラ?オペレッタ?の曲らしいのだが、詳しくは良く分からない。『天国と地獄』とも言われている
らしい。これは、オッフェンバック単独のCDも欲しい。メンデルスゾーンもオッフェンバックも
聞いているだけで、体が動き出すような楽しいダンサブル?な曲である。
メンデルスゾーンについては、ジェームス・エーネスのCDを買った。この人は、世界で5本の指に
入るほどの上手なバイオリニストらしい。オッフェンバックについては、どれが良いCDなのか
よくわからない。比較検討中だ。
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今更ながらモームを読む

2011-02-11 00:38:55 | 読書

ずっと前に買ってあって、いわゆる積ん読状態の本が非常に沢山ある。サマーセット・モームは、一通り文庫本を集めて積んであった。気にはしていたが、何年も手をつけずにいたのだ。しかし、黄金の時が訪れたのだ。
なんとなく岩波文庫の『月と六ペンス』を手に取ってかばんに入れていた。村上春樹氏の本をいつも何か読んでいるので、常にかばんに入れているのだが、その日は入れ忘れていた。『月と六ペンス』を読み出したところ、非常にすらすらとすすんでいくのだった。面白いのだ。
かつて文豪故開高健氏も面白いと語っていた。村上春樹氏の作品中でも主人公が好きな作家として名前を挙げている。まだ100ページ程度読んだところだが、モームについては、人間観察力が秀逸だとか、とにかく面白いとかの評価が多いようなので楽しみである。
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