ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

民主党政権時代を振り返る(2)

2014-05-05 15:58:53 | 社会

日本の政党が未熟だからだろうと思うが、政権はトップつまり党首の良し悪しで殆どが決まると思う。世界的のそうだろうが、特に日本ではその感が強い。民主党政権時代を振り返ると、政権を取るまではいろいろと考えて理想を持っていたが、実際に政権を取ってみると全く思っていたようにはならないということが分かった。鳩山元総理と菅元総理はその予定外の問題に対する対処能力が全くと言っていいほどなかった。野田元総理はこの二人に比べるとかなりましだったと思っている。

野田総理が消費税増税を打ち出したのも正しい判断だったし、TPPの議論の輪に入るというのも正しい判断だった。そして野田氏の重要な遺産が、当時の野田総理と安倍総裁の国会議論で、どちらが勝っても「消費税増税を行う。同時に身を切る政治改革を行う」という条件の下で国会が解散され、結果として自民党が勝ったという点である。政治改革とは国会議員定数の削減である。

国会議員定数の削減は野田前総理との約束事項であったにもかかわらず、現安倍政権は実行していない。しかも、国会議員の定数は一票の重みに格差がありすぎるので選挙無効、という判決まで出ているにもかかわらず、ゼロ増5減という暫定措置を取っただけで本格的な改定を行っていない。

ゼロ増5減では一票の格差を1.998倍に抑えるだけなので次の選挙ではまた違憲判決が出る可能性が高い。今度は選挙無効の判決もたくさん出るだろう。「国民に増税をお願いするには国会議員も身を切る改革をしなくてはならない」という当時の野田総理の発言には説得力があり、受け入れた人も多かったと思う。民主党はこの点をもっと本格的に取り上げて国会で議論するべきだと思う。このこと自体はTPPなどの政策と比べると小さな問題である。しかし、国会議員が「身を切る」ことを自ら決められるかどうかは国民の信任を受ける上で極めて重要である。

ここにも、民主党のチャンスはまだあると思う。