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ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

シェール革命とエネルギー安全保障戦略

2013-11-08 16:35:14 | 社会

学士会報に田中伸男という人の掲題の記事があり、私はこれを読んで感心したので内容を紹介しておこう。2011年8月まで国際エネルギー機関の事務局長を務めていた人である。

シェール革命とはアメリカでシェールガスを取り出す安価な手法が開発され、アメリカは世界最大のシェールガス埋蔵量を誇ることから、これで世界全体の力関係が変わるという話しである。

まずアメリカはこれで石油輸入国から世界最大の石油・天然ガス産出国になり、輸出国になる。のう液赤字の6割を占めるエネルギー需給が改善されるので貿易収支も改善に向かう。中東はアメリカに売れなくなってくるので、アジア・ヨーロッパに向かう。特にイラクは石油を増産しており、中国をはじめアジアへの販売をもくろんでいる。

ヨーロッパはロシアから天然ガスをパイプラインで大量に買っていたが中東の天然ガスが余りり始めたので中東から買うようになってきている。

中国は将来のエネルギー需給ひっ迫に備えて様々な手を打っている。中東(イラン、イラク)に積極的の投資、中央アジアとのパイプライン、アフリカからの原油をミャンマーで下しそこからパイプラインで輸送するなどの手を打っている。中国はマラッカ海峡封鎖のリスクをとても気にしている。

ロシアは天然ガス、原油がヨーロッパに売れなくなってきて困っている。

中東の原油の最大顧客は現在の先進国からアジア諸国に変わってくる。

そんな中で、日本は今後ともエネルギー輸入国であることは変わらないだろう。イランのホルムズ海峡封鎖による原油高騰リスクに備えるべきである。日本が天然ガスを高値掴みしているのは有名である。これは液化してLNGにしてから運ぶのと、東北大震災で原発が停止して需要が急増したために足元を見られたためである。

現在日本は貿易赤字国になっている。今後地政学上のリスクで原油価格が上がれば、日本経済はそれをトリガーとしてハイパーインフレになるリスクがある。それに備えるために、
・ロシアとのパイプライン建設
・原発再稼働によるエネルギー源の確保(原発全面停止などは自殺行為である) 
・メタンハイドレートの活用技術の開発
・再生可能エネルギー活用のための50・60Hzの統一
・直流高圧伝送技術による国外(韓国・ロシア)との接続
・再生化のエネルギーはまだコスト高が続くと認識すべき
・東アジア船体でのエネルギー集団安全保障の仕組みを構築すべき(孫正義氏のアジア・スーパーグリッドは評価できる)

等の多角的エネルギー安全保障戦略を持たないと、イラクとイスラエルが戦争を始めた時に日本経済はめちゃくちゃになってしまう。

以上が、田中氏の骨子である。世界各国のエネルギー確保の戦略を地政学上のリスクと組み合わせて説明してあり、説得力があると感じた。日本でエネルギー政策というと「原発は危ない」 「CO2削減のために再生化のエネルギーを」というような話ばかりが聞こえてくる。しかし、こういったエネルギー確保の安全性確保の手段がきちんと講じられていないと経済全体に影響が及ぶという視点で理解しておくことは極めて重要たと思う。NHKのBSあたりで徹底討論してくれないかな、と思った。

 


アベノミクスは賞味期限切れか

2013-11-07 16:33:20 | 社会

10月あたりから、政府の動きがぱっとしないと感じている。秘密保護法案、公務員改革、医薬品ネット販売規制など成長戦略に関わる動きがさえない。

秘密保護法案に関しては私は趣旨には賛成なのだが、「何を秘密にするか」という判断が適切に行われているかどうかの監督の仕組みを全く見せようとしない点が不満である。何十年か後にでも不適切に秘密とされていたことが分かればさかのぼって裁判にかけられる、というような仕組みを入れて、歯止めの仕組みを入れるべきだと思う。そこを触れないのでマスコミも納得せず、政府が力で押し切ろうとしているように感じてしまう。

公務員改革に関しては官邸の人事権を広げるという報道があった。私はこれは問題だと思う。官僚にとっての閣僚は会社で言えば従業員に対する取締役会のようなものである。取締役会は社外取り締まりも多く、広い観点から事業の進め方を決める。社長を入れ替えたり、事業の大きな方向性も決める権限を持っている。その一方で、細かいところには口を出さないのが原則である。素人が細かいところに口出しをして自分の好きなように動かそうとすると従業員の反発を買い会社がうまく回らなくなる。民主党政権がその典型である。確かに官僚の縦割り行政、自分の部署の権限強化を目指す動きが色々なところで問題になっている。しかし、官邸の官僚に対する人事権を拡大すれば解決するというものではないと思う。官僚が仕事をしやすい環境を作ることが重要である。元々高級官僚を目指す人たちは高い志を持っている人が多い。それが何十年も官僚として仕事をするうちに変わってくるのは、仕組みの問題だと思っている。以前書いたように「若い頃に割の合わない激務をこなした結果を後で取り戻す」というような意識を持たなくて良いような仕組みも解決策の一つになるのではないかと思っている。

そして今回の医薬品ネット販売規制である。最高裁で判決が出て、総理も明言したものが覆される。規制強化の動きであり、流れに反している。どうしてそうなったのか、政府からの具体的な説明が不可欠である。

確かに景気は回復してきたのだが、金融緩和と公共事業のおかげという印象が強い。公共事業はそれが呼び水になって新たな企業の設備投資が出るような話はあまり聞こえてきておらず、打た一時的に仕事を増やしたという印象が強い。一巡して公共事業が減ると生活ができなくなるので公共事業削減反対運動をするような、準公務員を増やしていると感じている。最初に政府が1投資したらそれに続いて民間が9投資するような、成長戦略と結びついた公共事業はどれだけあるのだろう、と思ってしまう。

川崎市長選挙では自民党が推す候補は野党連合の候補に負けた。そろそろ安倍首相の支持率も下がってくるサイクルの入り始めた感じがしている。その状態で消費税値上げに突入すると国民心理は冷え込んでしまう。そこをどう乗り切るか、安倍政権の正念場のはすだが具体的には見えていない。安倍政権の体制が揺らぐのは望ましくないので、私としては今は特区の規制緩和に期待している。年内に「これは良さそうだ」という特区の規制緩和案が出てくることを期待している。

 


日本でも PM 2.5?

2013-11-05 08:01:27 | 生活

昨日は雨だったが今朝は雨上がりの快晴である。空を見上げると雲ひとつない秋空が広がっている。気温も今日の予想は最低気温13度、最高気温18度で私の最も好きな気温になってきた。私は少し寒く、上着を着るくらいで丁度良いような気温で、黙っていると少し寒く、体を軽く動かして丁度良いくらいの気温が一番好きである。

家から出て少しのぼったところで丹沢の奥に富士山が見える。富士山は雪をかぶっているので白い山頂がきらめいて見える。その富士山頂が今日はかすんで見えた。薄茶色の靄の向こうでかなり薄く見える。富士山がかすむこと自体はそれほど珍しくないのだが、雨上がりの朝でこれほどかすむのは珍しい。テレビでPM2.5のニュースを見たばかりだったので、「このあたりもPM2.5が多くなっているのか」と思った。

昨日は千葉県の市原市でPM2.5で国の基準を超える濃度が観測されて住民には町内放送で外出を控えるようにと流したそうである。特定の場所3か所だけだったので景気の誤差かもしれないと言われており原因は不明だそうである。中国から飛んで来たにしては地域が狭すぎる。

中国のPM2.5はひどいらしい。北京でも家族を日本に送り返すビジネスマンが出ているらしい。先日、大学の研究室の学生が南京に行ってきたのだが、ビルの上のほうがかすんでいる感じてあまり長く居たくない、と言っていた。私が南京に行ったのは20年以上前で、山に囲まれた美しい街というイメージがあったのだが随分変わっているのだろう。

日本では大気汚染がひどかったのは1950年代から60年代だった。スモッグという言葉が使われ、四日市喘息という病気もあった。私は3歳から6歳くらいまで室蘭市に住んでいたのだが、その頃は小児喘息で苦しんだらしい。自分ではかすかな記憶しかないのだが母から良く聞かされた。室蘭には富士製鉄(後の新日鉄)があり、石炭を焚いて製鉄するのと、冬になると各家庭がストーブ(これも石炭が多かった)を焚くのでスモッグが多かった。小樽に引っ越してからは喘息は治まっていたと思う。あれから4-5十年経っており、技術的には大きく進歩しているはずだが、中国の都市は人口密集度がすごいのでやはり問題になるのだろう。解決には10年くらいかかるのではないだろうか。

ここ2-3年この時期に夜寝ていると呼吸が苦しくなることがある。私は花粉症と家ダニのアレルギー症があり、一年中アレルギーを抑える薬を飲んでいる。その薬を飲み忘れたりすると、夜中に呼吸が苦しくなる。喘息のように喉が狭くなっていて意識して力を入れて呼吸しないと苦しくなってくるので眠れないのである。今年は2回ほどそういう夜があった。起きていると問題ないので、起きだしてパソコンをやっていた。これもひょっとしてPM2.5が関係しているのかもしれないと思う。しかしこの症状が出る時期は一年間のうち秋だけなので違うかもしれない。

年を取ると体が次第に弱ってきて若い時に隠れていた弱点が出てくる。自分もそういう年齢になってきたのかと思う。


京都にて

2013-11-02 15:39:10 | 旅行

金曜日から土曜日にかけて、大学の同窓会で京都に行ってきた。

土曜日に飲み会をやるので、京都に泊まり、翌日は京都観光して帰るようにしたかったのだが、宿が全く取れず9時過ぎの新幹線で帰ることにした。代わりに前夜京都に泊まって午前中に嵐山を観光してきた。私は京都に4年間いたのだが、西のほうの嵐山、嵯峨野には行ったことが無かったので丁度良い機会だと思った。この前の台風で渡月橋のあたりが氾濫したのが心に残っていたこともある。

宿は阪急沿線の四条大宮だったので嵐山電鉄に乗って嵐山まで行くことにした。ホテルを出て喫茶店で朝食を食べる。マクドナルドやロッテリアもあったが昔ながらの喫茶店のモーニングを食べた。

嵐山電鉄は市電のような1両の電車。ラジオをピータ・バラカンのウィーク・エンド・サン・シャインに合わせて出発。四条大宮から嵐山までを走る路面電車だが、途中の駅名が如何にも京都らしい。

西院ー山ノ内ー嵐電天神川ー蚕ノ社ー太秦広隆寺ー帷子の辻ー有栖川-車折神社ー鹿王院ー嵐電嵯峨ー嵐山

私にも読めない駅名がいくつかあった。

終点で降りて今の渡月橋を渡る。この川が氾濫したなんて信じられない。台風の爪痕は感じられない。紅葉にはまだ早い。

丘の上の法輪寺。桂川から京都が見下ろせる舞台がある。

こんなお宮があった。私の仕事に関係の深いところだが小さいお宮だった。

渡月橋わたって戻り、嵯峨野に向かう。嵯峨野の竹林。人力車が走っている。

芭蕉の弟子の向井去来が住んだという落柿舎。見物していたら近くの木から熟れた柿がポトリと落ちた。

車折神社の中。芸能神社というのもあった。

広隆寺。何宗、というのが書いていない。日本で周波ができる前の飛鳥時代に聖徳太子の供養のために建てられたと言われている。ここは少し紅葉している。有名な弥勒菩薩像はやはり品があった。撮影禁止。

この近くに太秦映画村がある。そのあたりのキネマ・キッチンというところで昼食を食べた。「おでんうどん」というのを注文した。じゃがい尾と厚揚げを入れてもらった。おでんの出汁がうどんとよく合うあつあつの煮込みうどんでおいしかった。この後、父の墓がある妙心寺に行ってお墓参りをしてから京都大学に向かった。嵐山、嵯峨野は良いところだった。今度じっくりと見て回りたいと思った。

大学では京都大学の霊長類研究所の教授になっているこりらの研究で有名な山極君がゴリラのビデオなどを見せて解説してくれた。「以前、彼をモデルにした漫画を読んだな」等と思いだした。心残りながらタクシーで京都駅に向かい帰ってきた。

この日は2万5千歩歩き、9月末にAndroidの万歩計をダウンロードして以来最高の歩数を歩いた。

嵐山電鉄の振り仮名を書いておこう。

さいいんーやまのうちーらんでんてんじんがわーかいこのやしろーうずまさこうりゅうじーかたびらのつじーありすがわーくるまざきじんじゃーろくおういんーらんでんさがーあらしやま

 

 

 

 


嘘は責めても、失敗は責めるな

2013-11-01 08:23:12 | 生活

最近、みずほ銀行の反社会的勢力への融資の問題と、阪急阪神ホテルズの食材偽装問題が大きな話題となった。いずれも事実を否定した後に前言を取り消し、事実を認めている。ホテルのほうは社長が辞職をしたにもかかわらず「故意では無い」と主張している。しかし故意では無いと解釈する人は殆どいないだろう。故意だというと刑事罰に相当する恐れがあるので故意では無いと頑張ったようだが、どういう罰かは関係なく事実を正しく認めるべきだと思う。小さなエビをシバエビと呼ぶ習慣は一部にはあったらしい。しかし、スーパーではそのような表示はしてはおらず、明らかに一般常識とかけ離れている。この問題を受けて各方面で調査が始まり、「適切でない表現」があちこちでみつかりはじめた。これは良いことだと思う。

みずほのほうは、隠していた、嘘をついたというより気に留めていなかった、という感じがする。「報告は社長には上がっていない」と報道した翌日、「やはり報告はあがっていた」と訂正したのは、資料に中に入っていたが話題にもならず淡々と終わったので報告されていたという認識が無かったのだと思う。もちろん、やってはいけないことをやっていてそれを見逃したのだから問題である。しかし、悪意は感じられず、この件であまり責め立てるのはどうかと思う。みずほの問題は合併して10年にもなるのに実態はたすき掛け人事とかでばらばらの体質でやっていたことである。しかし、これは企業内の問題で外から口出しをすべき問題では無いと思う。本来ならばそのような銀行は業績が悪化して淘汰されるべきなのに淘汰されない、日本の金融業界の仕組みを問題として考えるべきだろう。

私が報道で苦々しく思っているのは伊豆大島の台風によるがけ崩れで「避難指示を出さなかった」と行政の怠慢を責めている報道である。あれは故意ではなく失敗である。それも結果として失敗だった、という側面が強く、明らかな怠慢と言えるかどうかは疑問だったと思っている。それなのにマスコミ各社は行政の怠慢と言いたて、「人災ではないか」と言ったニュースキャスターまで居た。結果として失敗であったことを責め立てる風潮が日本社会には強いがこれはマスコミの姿勢から来ているのではないかと思っている。

その結果、日本は失敗を恐れる社会になってきている。これは日本の将来にとって大きな問題だと思う。