私は、トランプ氏が大統領になって、ハイテクを軽視し、貿易では孤立主義に傾き、移民を規制するという動きが具体化すると「シリコンバレーはカナダに移るのではないか？」と漠然と考えていた。
今日、歩きながらラジオを聴いていると、まさにそれが具体化しそうなニュースが流れてきた。それは「アメリカ政米がＩＴなど専門技能持つ外国人へのビザ優先制度を最大で6か月停止する」というニュースである。これはトランプ大統領の大統領令ではなく、アメリカ移民局の発表なので実行は確実だと思われる。一方、カナダ政府は「この種の審査を一層迅速化させる」と発表している。
トランプ政権が4年間もこのような政策を続けるならシリコンバレーのかなりの企業がカナダに支社を設け、カナダでの活動を活発化させることは間違いないだろう。実際、GoogleやMicrosoftはカナダに人工知能の拠点を開設している。もっとも、この動きはトランプ政権の影響というよりはDeep Learningの分野でカナダのレベルが高いからであるが。
シリコンバレーがカナダに移るとなると私は西海岸のバンクーバーを想像したのだが、現在のアメリカ企業の人工知能の研究拠点はトロントやモントリオールだそうである。これはトロント大学にDeep Learningの有名教授が居たことなどが影響していると思う。トロントやモントリオールは寒いので、これから世界の人材を集めて大きく発展させるならやはりバンクーバーではないかと思う。今年末くらいにはこのような動きが新しい街の形成というような動きになって見えてくるのではないかと思っている。