料金の安い高速ツアーバスの事故で多くの命が奪われた。
毎度のことであるが、事故が起きるといろいろな事が表面化して来る。
100円ショップやユニクロのように安いものが消費者に受け入れられているのが現状であり、航空運賃も、考えられないような料金のものが出てきて、人気を博している。
現在のような経済状況下では、価格が安いということは、消費者にとってありがたいことではある。しかしながら、冷静に考えると、コスト割れでは、企業は存続できないので、どこかにそのしわ寄せが行くはずだ。その皺寄せが、安全の為のコスト削減に向かえば、その代償は大きい。
原発は電力コストが安いということであったが、一旦事故を起こすと、その費用は莫大であることが判明した。
日本を代表する企業であるシャープやソニーがテレビ事業で大赤字を出し、赤字決算を発表した。あれだけの機能の電気製品が、考えられない価格で売られている。
何が適正かは難しいが、適正価格、適正利潤は経済社会がうまく発展するために欠かせない。
私自身、自分の会社の製品が、こんなに手をかけて作ったのに、こんな価格でしか売れないのかと寂しく思った経験がある。
価値感は、人それぞれ異なるので、価値と価格のバランスは難しいが、おのずと収斂点があるはずだ。
偽物が横行していた中国で、本物志向へ変わりつつあるという。昔から、「安物買いの銭失い。」という諺があるが、価値基準が「安い」でなく、「適正」になることを期待したい。