「ザックジャパン対ヨルダン」

2013-03-27 01:18:58 | 「閑話放題」



      「ザックジャパン対ヨルダン」


 内弁慶のジャパンにとって、またしても最大の敵は相手国のピ

ッチコンディションだった。日本のパスサッカーは荒れたピッチの

上では思うようにコントロール出来ない。それはこれまでもアウェ

イでの戦いで何度も目にしてきたことだった。細かく繋いでいって

も最後にパスミスやパスカットから縦の反撃にやられてしまう。技

は生かされず力に圧倒される。日本の緻密なサッカーは日本の

整ったグランドでしか通用しない。アウェイでの戦いは自分たち

のプレイをさせてもらえないことは当たり前で、状況に応じて戦い

方を変えなければならないはずだが、「自分たちのサッカーをす

ること」が出来ないピッチコンディションにも拘らず、「自分たちの

サッカーをすること」に拘ったこれまで通りの展開でまたしても敗

れてしまった。





「安全神話と無失点神話」

2012-09-01 09:16:50 | 「閑話放題」




            「安全神話と無失点神話」


 ロンドンオリンピック、男子サッカー準決勝、対メキシコ戦は、

日本が鉄壁の守りを崩されて1対3で負けました。それまで無失点

で勝ち続けてきた日本チームをテレビは絶賛して「無失点神話」さ

え生まれ始めていた。その時に思い出したのが原発の「安全神話」

でした。とかく我々大和民族は「神話」に弱い。人知を越えた「神

話」の呪縛に囚われると忽ち思考停止に陥る。更に、日本チームが

先制点を得たことが「神話」に拍車がかかった。無失点で終わるな

らすでに勝ったも同然ではないか。死に物狂いでボールを奪い取り

に来るメキシコ選手に余裕のパス回しをカットされて危ない場面を

迎えることが幾度もあった。そんな中でメキシコの同点ゴールは、

オーバーエイジ枠から出場しているキャプテンであり守備の要であ

るディフェンダーの吉田選手が、相手側の前線へのロングパスをオ

フサイドだと線審に抗議しながらのプレーで対応が遅れてコーナー

キックを与えてしまった。私にはそれがゲームに集中したプレーに

は映らなかった。そしてそのコーナーキックから失点した。すでに、

「無失点神話」はその時に途切れたが、必死で迫ってくるメキシコ

選手に伍した闘争心は残念ながら生まれなかった。そして、相手の

逆転ゴールは、サイドをドリブルで競り上がる選手が蹴り出したボ

ールがゴールラインを割ると誰もが思って追うのを諦めた時、その

選手だけが必死で駆け上がってライン際で拾いゴール前へ流した。

そのプレーはメキシコ選手の勝利への強い執念を感じさせた。その

執念は味方の選手にも伝わり、一旦はキーパーに阻まれたが、キー

パーから流されたボールは足が止まってしまった思考停止の(集中力

を失った)日本選手を襲って奪い返し、体制が整わない日本のディフ

ェンスの一瞬の隙を衝いて放たれたシュートは、前に出ていたキーパ

ーを掠めてゴールに吸い込まれた。改めて録画を観ると、日本選手た

ちはボールを奪われた選手の後方を横一列に並んで歩いているでは

ないか。つまり、明らかに日本選手は勝利への執念に於いてメキシコ

の選手よりも劣っていた。「無失点神話」が崩れ去り呪縛から解かれ

た日本の選手たちは思考停止から覚めないままにゲームオーバーの

ホイッスルを聞いた。ただ、試合後の選手たちのコメントでは相手チー

ムを讃えて、自分たちの負けが「想定外」だったと語らなかったことが、

つまり、自省の言葉が語られたことがせめてもの救いだった。


「なでしこ、金メダルを賭けた最終戦」

2012-09-01 09:14:58 | 「閑話放題」



   「なでしこ、金メダルを賭けた最終戦」


 いよいよ決勝戦を迎えたナデシコですが、もう、不安は口にしま

せん。実際、よくぞここまで勝ち抜いてきたなという思いです。W

杯決勝戦と同じアメリカが相手ですが、これまで、リーグ予選から

ナデシコを観てきて、カナダ、スエーデン、南ア、ブラジル、フラ

ンスと、何れのチームもアメリカチームのようなパワーサッカーの

チームでした。つまり、テクニカルな連係を重んじるサッカーでは

ありませんでした。例えば、素人にサッカーの試合をさせると、ま

ず選手はボールに集まって蹴り合うばかりでチームプレーは生まれ

ません。つまり、パスを繋いで攻め上がるということは高度な技術

とそれに伴う連係が求められます。アメリカ対カナダ戦を観ていて、

繰り返されるワンパターンの攻撃に、確かに個人個人はパワーがあ

ってもパスを繋いで守りを崩すということはなかった。強力なシュ

ートや高さを生かしたヘディングシュートばかりでした。一言で言えば

大雑把なサッカーです。そして、ナデシコはこれまでにそんなチーム

を尽く破ってきたのです。この戦いは、個人のパワーに頼るチームが

勝のか、それとも、個人のパワーは劣ってもチームプレーによってそ

れを補うチームが勝つのか、大袈裟なこと言えば、世界を制するのは

力なのか協調なのか。もしも、女子サッカーがロンドンオリンピックから

世界に認められるようになったとすれば、それはナデシコのテクニカル

サッカーが女子サッカーの新しい時代を切り拓いたからに違いありませ

ん。つまり、ナデシコが勝つのは歴史の必然なのです。


「間もなく、ナデシコ対フランス戦」

2012-09-01 08:56:42 | 「閑話放題」



         「間もなく、ナデシコ対フランス戦」


 準々決勝のブラジル戦はゲームとしては圧倒的にブラジルが勝っ

ていました。ブラジルはボールを奪うと訳なく日本ゴール前まで攻

め上がっていました。ところが、驚いたことにペナルティーエリア

内に入ると、それまでパスを繋いでいた中盤の選手はフォワードの

選手にボールを預けるとまったくフォローをせずにストライカーの

個人技に任せてしまった。ナデシコのディフェンスは相手のフォワ

ードの選手だけをマークすれば崩されることはなかった。つまり、

ブラジルは中盤の選手の攻め上がりがあれば簡単にナデシコのディ

フェンスを崩せたはずです。私は、ブラジルのゴール前での攻撃が

ストライカーだけの個人技だけに頼ったサッカーに笑ってしまいま

した。ナデシコのディフェンスに囲まれても中盤の選手は誰もフォ

ローしに行こうとしなのですから。要するに、ブラジルはゲームを

支配しながら最後の詰めの攻撃をフォワードの選手だけに任せたの

でナデシコのディフェンスを崩すことが出来なかった。

 では間もなく始まるフランス戦は、対ブラジルの試合を研究すれ

ば、ナデシコのディフェンスは中盤の選手が攻め上がってフォワード

の選手のポストプレーからパスを受ければ突破できると分析するに

違いないでしょう。さらに、中盤でのボールの奪い合いでも、ナデシコ

はブラジル戦でもほとんど競り負けていましたから、フランスがボール

を支配するのは間違いないでしょう。と言うことは、どう考えてもナデシ

コが勝つシーンが目に浮かんできません。と言うのは、ナデシコはこ

れまでのゲームでもパスミスやパスをカットされる場面が目立ち過ぎま

す。パスサッカーが信条のチームにとってパスが繋がっていかないこと

は致命的なことです。それは、初戦から気になっていました。さらに、ブ

ラジル戦は酷かった。おそらく、もう修正はできないでしょう。明らかに、

ワールド杯優勝の時より息が合わなくなりパスの精度が劣化している。

 つまり、これまで通りのサッカーをしていては、残念ながらナデシコに勝

ち目はないと思います。