入院生活の一日は単調なものです。朝は6時に起床、検温から始まり、
朝食は7時、そして医師の回診を受け、正午の昼食となり、午後を過ごし
夕食は6時に摂り、9時には消灯です。この間、体温、血圧測定や採血、
その時々の薬剤点滴や注射や心電図などの各種検査を受けます。
この繰り返しの毎日です。
夜中でも、医師や看護師さんの点検や緊急の診断があり、それでなくとも、
手術後の体の痛みで、安眠するのは程遠いものがあります。
ある日の夜、消灯後すぐに眠りにつけたのですが
夜中の2時ぐらいに目が覚め、それ以後眠れなくなりました。
仕方なくラジオをつけイヤホーンでNHKの”ラジオ深夜便”を何気なく聞いていました。
すると、歌謡曲の番組となり、かけられた曲が
歌手 大月みやこの”月下美人のように”という曲でした。
大月みやこは大人の唄をじっくり聴かせる歌唱力のある歌手だと知っていました。
このとき聴いた”月下美人のように”は初めて聞いた歌でした。
なにか日陰の恋に切なく生きる女性の姿が、あの一晩で散ってゆく
はかないけれど実に艶めかしく、真っ白い大ぶりの美しい花の姿に重なって
しみじみと伝わってきました。
不思議な夜の夢のような幻覚だったのかとも思え、
この唄が子守唄になって再び眠りにつけたことでした。
月下美人の花は今頃が開花期です、改めてじっくりと観賞したいと思いました。
その後体調はいかがですか?
入院時に聞く子守唄にしては、なんとも艶っぽい曲、”月下美人のように”ですね~。
でも病院って、やはり非日常の空間ですから、何だか不思議な眠れない夜に、不思議な子守歌で、眠りにつけたのも、縁ですよね。
月下美人の花は、うまく咲きそうな年に、お隣のKさんが、鉢ごと鑑賞するように一夜限りのレンタルしてくださいます。
すごい存在感の花のため、一夜限りの恋でも、きっと一生忘れなさそうですよ。
毎日リハビリに励んでおります
進歩は遅いですが、少しずつ体調が
よくなってゆくようです
月下美人の経験は、夢を見ていた感じでした
うちでもこの花はないので、図鑑で楽しむしかありません