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テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

VW 用 カーラジオ Bendix, Sapphire II (1962年)

2012-05-02 15:27:11 | Weblog

今日お預かりした7台目は Bendix 製の Sapphire Ⅱで、1965年4月の Photofact, AR-30
に登場している。(*今回の機種が1962年の物と5月4日に判明した)お話では電源も
入らないとのことだった。  この種のラジオの修理、改造に付きましてはこちらの HP
https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

電源が何故入らないのか気になったのでその事だけ先ずは確認してみた。 電源は 2系
統でラジオ本体と、パイロット・ランプ個々にON-OFFしていたが両方共壊れていた。
ボリューム部分だけなら何とかなるが2系統のスイッチ部分の修理は非常に難しい。

5月3日 壊れている電源スイッチをパスして動作を確認してみたが0.5A近く電流は流
れるものの音声出力が全く無かった。分解したところスピーカー回路にはフェーダー
が組み込まれているがここも壊れている様なので直接出力(出力Trのコレクタ)にスピ
ーカーを接続した結果、中波の動作を確認したがFMは全く機能していなかった。 
可也難航しそうな気配が漂って来た。

最初気付かなかったが左右の両シャフトは2重で、本来は外側のシャフト用の
ツマミが在ったハズなのだが無くなって仕舞った様だった。

5月4日 ゴーサインを頂いたので本格的に取り掛かった。 出力に入っているフェー
ダーの配線が気になったので先ず診てみたがてっきりスピーカー用のコードと想像し
た2本は単にフェーダーの端子に繋がっているだけだった。(これでは音は出ない!)
スピーカー出力が何故か無く何とも解せないが、新たに出力コードを設けた。 

FMのIF回路を調べようとしてアレッとなったのはパターン図が実際と大きく異なっ
ていた。  結果から申せば今回の機種はSapphire Ⅱには違いないが前期のシャーシ
ー 2FMBV (1962) で、手元の資料 5FMBV (1965) では無かった。

FM のカバレッジの改造を行ったが感度が悪い。 サテ本来の資料を米国から取り
寄せてからの方が間違い無く効率は良いがどうするか? 因みに網羅されている
のは AR-22だった。 IFTの一つに動作が不安定な物が在ったが修理は困難そう

5月5日  昨日はドット疲れて仕舞い画像をアップしなかったが回路図とパターン図が
無いと表裏を何度もひっくり返して部品の位置とパターンを追わなければならず 途端
に時間を費やす。 何とかIF回路のトランジスタ4石の各電極の位置とAM/FM各IFTの
場所等を確認した。 トランジスタの各電位に問題は診られず逆に 困って仕舞ったが
何せ50年前のゲルマ・タイプでfTが50MHz以上の物を使う必要が有る(シリコン・タイ
プで良ければ何の苦労も要らないのだが)。 サテ今日は少し頭を冷やそう!
しかし有り難いことにご依頼主がネットで今回の機種のサービスマニュアル探してくれ
送って頂いたので今後の作業はズット捗る。

スイッチ部分が壊れているボリュームの代替にとご依頼主が別の機種から外し送っ
て呉れた。 音質調整を含む回路が入っている基板のパターンが異なる為そのまま
交換とは行かないが、サイズは同じ様だったので近々交換してみよう。

5月6日 サービス・マニュアルに従い調整に取り掛かった。 A16、第1IF出力側の
ダスト・コアが動かない、またこの部分に力が加わると動作状態が大きく変わった。

分解して分かったのはダスト・コアの一部が割れていてプラスチック(ポリエチレン?)
製のボビンにぶつかっていた。

両コイルの共振周波数を測定してみたが何とも共振点がハッキリしない。どうもここ
に使われているマイカ・コンデンサに問題が在りそうだがイヤハヤ大変なことになっ
た! 真空管回路のIFTは何度も手掛けたがトランジスタ用の小型のIFTは初めてとなる。
 可也Qが低い様だが問題はそれだけでは無い様に想われる。   明日は測定法を変えて
共振周波数を診てみよう(共振周波数が分っても直る訳では無いが)。  何れにせよ
この部分は大幅な改造を要する。

5月7日 両コイルの共振点が気になったので朝一番で測定してみた。 上のA15は約
13.4MHzだったが共振周波数のズレだけでは無く出力が不安定だった。 下のA16は
約11MHzだったが片方でも不安定では問題なのでこの後改造に取り掛かろう。

IFT内のマイカ・コンデンサは甚だ不安定だったのでセラミック・コンデンサを外付けした。
可也受信出来る様にはなって来たが未だ感度は不十分で外付けのセラミック・コンデンサ 
も結局4回交換した。 それでも不足気味だったので各IF段の出力側に入っている発振防止の
抵抗(220Ω)を全てジャンパーした。 もう少しもう少しとやって少し先が見えて来て昼食に
したが結局3時を回って仕舞った。 今日はここで頭を冷やすことにしよう。

5月8日 昨日は夕方で終わりにしようと考えていたが帰宅時間まで可也有ったので
先日お送り頂いたボリュームの交換に取り掛かった。 基板だけで無くボリュームそ
の物にも一部異なる部分が在ったので回路を一部変更した。 この部分が終わり次
ぎに電源電圧を6Vから12Vに変更する回路に取り掛かったが予想もしていなかった
問題にぶつかって仕舞った。 これまた可也時間を費やす可能性がありそうだった。 
果たして新たな問題が何処に在るのか切り分ける実験に朝から取り掛かった。 一応
バラックセットでは好結果が得られたので明日は実際に組み込んでみよう。 しかし
この時期の米国製のラジオは信頼性の低い部品が多用されていて時に想定を大幅に
超えることを思い知らされた。

5月9日 今回交換したボリュームとコンデンサ(一部は見事に容量抜けしていた)。
昨日テストしておいた回路を本体内に組み込み、iPod用の入力アダプタも組み込ん
で最終試験を行い終わりとした。


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