テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Drake, SPR-4 Communications Receiver

2015-03-26 11:48:45 | Weblog

    今日お預かりしたのは Drake, SPR-4。 これまでにも何度か手掛けているモデルで、感度が
悪いとのお話だった。 この種の受信機の修理、改造に付きましてはこちらの ホームページ
https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

輸送に伴う問題が無いことを確認し、中波を受信してみたがこちらで最も電界強度の高いJOLF
(1,242KHz 日本放送)を聴いた感じでは感度は確かに低そうだった。 近々取り組ませて頂こう。

3月27日 昨日は添えて頂いたサービスマニュアルを持ち帰り何時も通り通勤の電車内でザット
目を通しておいた。 先ずは共通部分のIFに取り掛かった。 

指定されている信号注入点に1st IF (5,645KHz) を加えて調整を試みたがSメーターの振れに
違和感が有ったので 1MHz の基準信号をアンテナ端子に加えてみた。

ダイアルのKHz側が大きくズレていた。 (1.000MHz印加)

1st IF 用の T8, T9 は問題無くピークが見付かった。 2nd IF の T15, T16 の内の T16 はブロード
だったが一応ピークが見付かったが、T15 は何とも見付からない。 50KHz の回路に340pF と非
常に High L なので Q もそう低くは無いハズだが? 前段のデュアルゲート FET, Q23 MFE 3007
のD-S間が怪しいが、代替え品は有りそうか? (矛盾するがモードに依っては感度は悪くない)

2nd IF の T15 のことは気になったが、少し取り組み方を変え気になったバンドBとEの調整を行っ
てみた。 各バンド毎のトリマーを調整し感度は上がったが、バンドBはそれだけでは十分では無
かったので一部のダスト・コアの調整も行った(かつて手が加えられた様だった)。

 

周波数のズレ(ダイアル面での)が気になったので修正を試みたが一筋縄では行かず何とか結果
を出したが夢中でやっていた結果、右手の人差し指の爪が悲鳴を上げているのに後で気付いた。

 ラジオ日経(6,055KHz)の受信状態だが可也良好に機能していた。 ただAMでの音量は十分だっ
たが、SSBでの音量が少ない(復調そのものはスムーズだったが)のが気になった。 ただ、ここを
クリアーするには未だ可也の時間を費やしそうだがどうするか?

3月28日 気になっていたQ23の出力回路を診てみた。 Vdが8.69Vに対してT15の一次側の電源
側が9.68V、ここに抵抗値は116Ωなので電流は約8.5mAとなるが、少し流れ過ぎでは無いか?
因みにマニュアルに記されていたこのFETのVdは11.2Vだった。

どうも右手の人差し指の問題は想ったより深刻で細かい作業は困難そうなので少し時間を頂くこと
にしよう(取り組ませて頂く順番が変わる)。 今日もマニュアルと回路図を持ち帰り幾つかのことが
判明した。  先ずSSBの検波を担っているプロダクト検波はBFOコイルの二次側にダイオードと抵
抗で構成されるブリッジにIF信号を加え作られ、その後AF回路に加えられていた。 他方AMの検
波はダイオードで検波した後にトランジスタ1段のAFアンプが入り、その後にAF回路に加えられて
いた。 つまりAMの音声レベルがSSBのそれより高いのはここに起因している可能性がある。 
次に通常AM-CW-LSB-USB毎にキャリア用の水晶発振回路、及び通過帯域を制限するクリスタ
ル・フィルターが使われるのが一般的だがこの機種ではLSB-USB用の水晶は使われているが可
也一般の回路とは異なっており、通過帯域をモード毎に変えることも為されていない。 

3月30日 今日は友人のMさんが手伝いに来てくれたので二人で回路を追ってみた。 先ず2nd IF
に使われているデュアルゲートFETを交換してみようとしたが今回のMFE3007のピンアサインと手
元に在る3SK22,3SK28のそれは異なっており簡単には交換出来ないことが分かった。 次にQ23
とQ24の各電極の電位を診てみたがどうも両FET共機能している様だった。 どうもAVC電圧に問
題が在るのでは無いかとAVC回路を当たり始めてアレレとなったのは、2nd IFの近くに手を持って
行くと受信状態が可成り変わった(ボディー・エフェクト大)。 またAVCラインを100KΩでグランドに
落としたところAVC電圧は略セロとなって仕舞い、単に電圧測定の為にDMM (Z in:10MΩ) を繋い
だだけで状態が可成り変化した。 これは何とも可笑しい  イヤハヤ可成り梃子摺りそうな気配が
漂って来た。

4月1日 毎日の様にマニュアルを通勤の車内で読んでいるが一点誤解していたことに気付いた。
バンド幅は2nd IF(50KHz)に入っているLCで構成されたバンドパス・フィルターの定数で変えられ
ておりAM:4.8KHz@6db、SSB:2.4KHz@6db と規定されていた。 オシロで診た感じではAMとSSBの
帯域積は8:1程だったが、そこからするとSSBで可也音量が下がったのは異常では無いのかも知
れないが?

しかし何としてもT15の共振点がハッキリしないのが解せない。 上の画像に見えているのはT15
の2次側に入っている100Ω+180Ωだが回路図上は1MΩ+350Ωとなっている。 この1MΩの意味
が不明だが、何れにしてもQダンプが目的なのか?FETを使う意味が無い様な値だった。

米国のIFTに良く診られる共振用コンデンサの不良の可能性があるので念の為390pFを外付け
してみたが全く変化は診られなかった。 こうなると最早このIFTを分解するしかない!

4月4日 大げさに云うと意を決して 2nd IF の IFT (T15) に取り掛かった。

共振点が余りハッキリしなかったが概ね48KHzだった。

内部を見てみたが予想を遥かに超えた少ない巻き数だった。 これで50KHzに共振するとなると
使われているダスト・コアの透磁率は非常に高い物なのだろう。

上の状態で50KHzに略共振していたが、これは殆どコアがコイル部分から出た位置となる。

気になっていた2次側の100Ω+180Ω (約52Ω) を外したがこれだけで Q は数倍に上がった。

コアが調整出来る適当な位置でのコンデンアの容量をバリコンを使って診てみた。

バリコンの容量は約266pFだったので試みに220pFを加え組み込んでみた。

上はラジオ日経 (6,055KHz)、下はJOLF (1,242KHz) 受信時。

結果AMの状態は殆ど変わらなかったが、SSBでの音量はドラスティックに増加した。


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