テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

TESLA, ST 100 (3601A) 1972

2021-07-02 16:51:51 | オーディオ

   3台目はチェコスロバキア製の FM チューナー TESLA, ST 100 で修理の可否に関するお問い合わせ
を頂いた時にネットで調べ回路図と一部のパターン図をプリントアウトしておいた。こちらでお願
いした通り時間指定をされずにお送り頂いたのだが追跡したところ何故か保管中となっており何時
もの担当者に電話し探して貰って夕方届けて貰ったが帰宅時間間際で動作確認しか出来なかった。
この種のチューナーの修理、改造のご依頼はこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い
致します。

一点良く分からないのは 66~73.5MHzはソ連始め東欧諸国で使われていた OIRT でこれはステレオ
方式にポーラ変調が使われていると想われ、一方 87.5~104MHzは日本始め西側諸国で広く使われ
ている CCIR で19KHzのパイロット信号を使ったステレオ放送だがこれらの切り替え回路或いはポー
ラ変調用の復調回路が回路図には見当たらない。

MPX 基板はパターン図も有るので比較的チェックはやり易いと想うがチト裏面から遠い。

一応幾つかの局を受信したが詳細を確認する時間は無かった。 一部不明のリード線が診られた。

7月3日 出力を確認した。 左右の出力は伺った通り分離されて無かった。

MPX の 1段目(19KHzアンプ出力)を診てみたが 19KHz 成分は診られなかった(上)。 ならばとディ
スクリの出力を診てみたがステレオ放送にも関わらず 19KHz成分は診られ無かった(下)。

7月4日 MPX の動作を確認する為 19KHz を入力に加えた。

上は初段 T301 のベース、下はコレクタの波形。 殆どゲインは無いが一応信号は出ていた。

次段 T302 のベース(上)とコレクタ(下) 入力も殆ど無いので当然出力も無い。

VCC の値が気になった。 100V入力では -6.56Vしか無く 120Vを加えたが -6.65Vにしかならなかっ
たが本来は-15.5Vなのだが?。 T301 と T302 の各電極の電圧は定格より可成り低い。

電源回路を診てみた。 回路図上では T401 で -16V を作っていることになっているが実際にはこの
トランジスタは無かった。 (後日フレームに取り付けられているのを見付けた)

多分ツェナーダイオードを使って -14.55Vを作っている様だった。

L301 を調整した後の T302 のベース(上)とコレクタ(下)、これでは MPX は動作しない。

-15.5Vラインがどの様に供給されているのかが気になり先ず回路図を拡大複写した上で回路を慎重
に追った。 それでも解明出来ず時間切れとなって仕舞ったので持ち帰り、帰路のバスや電車内でも
目を通したが、結局我が家で時間を掛け追った結果は次の様になった。 結局回路図にはミスが在り
-15.5Vラインの供給ポイントは欠落していた。 次に MPX 等に加わっていた -6.6Vは本来フロントエ
ンドに加えられる電圧を誰かが間違って配線して仕舞ったのでは無いか。 明日はここを修正し結果
に依っては MPX を別の回路に置き換えるることにしよう。 (出来ればオリジナルを大事にしたいが)

7月5日 昨日我が家で回路図を追い大分様子が分かった来たので机上での作戦を実行に移した。
テッキリ無いと考えていた電源のトランジスタ T401 はフレームに固定されていた。

-15.5Vラインの端の電圧を診たところ -5.13V程しか無く考えていたことと違った。

気を取り直し電源部の大元から回路を追った。 電源回路の R403 (10Ω) の手前で-14.15Vだった
が負荷側では -6.57V しか無く抵抗値を確認したところ 470Ω程だった。 カラーコード 3桁の抵抗
なら(逆方向から)10Ωとも読めるが、今回の物は 4桁の物なので 470x10の0乗=1 つまり 470Ωで
何方か交換された時に間違った様だった。 これでは低い電圧しか出ない。

ここを本来の 10Ωに交換した結果は定格 -15.5Vの所が -13.74V となった。(まだ1.76V低い)

更に -15.5Vラインの端では -10.77Vしか無く回路の途中に数10Ωが潜んでいる様だった。

コネクタに接触不良が有る様だったのでピンを磨いた。

結果電圧降下は無くなり電源の値と略同じになった。 しかし-15.5Vには未だ低い。

ツェナーに直列に赤の LED を加え電圧を上げ略定格通りとなった。

検波出力はドラスティックに大きくはなったが左右の分離は出来ていなかった。

MPX の動作を診てみたが T302 がカットオフになっているがベースは T214 (PRAH STEREO) のコレク
タに繋がっておりこの PRAH STEREO の働きが分からず MPX の修理は一度諦めた。

AN7410 を使った MPX を実験的に繋いだ結果は非常に良好なステレオ出力だった。

NHK FM でクラシックを受信中。

別の MPX を加えれば簡単だが出来るだけオリジナルで行きたいので T302 にベースバイアス抵抗を
実測し加えた。

結果良好にステレオの分離が出来る様になった。

最後にフロントエンドの調整を行い周波数表示を合わせ、また感度を最大にした。

NHK 横浜 81.9MHz 調整前(上)と、調整後(下)。

FM 横浜 84.7MHz 調整前(上)と後(下)。

ナックファイブ (79.5MHz) を使って感度調整を行った。  しかしこちらに修理依頼を頂く前に埼玉の
オーディオ機器の修理専門店で半年程を費やし診て頂いたと伺ったが一体何を為されたのか? 

7月7日 昨日ご依頼主に返送したが先ほど結果に大いに満足している旨のご連絡を頂いた。

 

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Linn, Classik Movie System

2021-07-02 15:25:00 | オーディオ

2台目は先日 B&O, Beosound 9000の修理を担当させて頂いた方からのご依頼で先頃電源が入らな
くなって仕舞ったとの Linn の装置で残念ながら回路図等は無いとのお話だった。 この種の装置の
修理のご依頼はこちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。

7月3日

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Blaupunkt, Frankfurt

2021-07-02 15:18:03 | 

今日の1台目は以前こちらで FM のカバレッジの改造を行った Blaupunkt, Frankfurt で電源がショー
トするとのお話でお預かりした。  この種の物の修理のご依頼は https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ に
お願い致します。

早速動作を診てみたが音声出力が全く無かった。

パターンのあちこちに過電流が流れた形跡が診られた。

出力のパワートランジスタの片方の E-C 間がショートしていた。

ショートしていたパワートランジスタ AD156 の在庫は無くどうするか?

改めて探した結果 AD156 1個が見付かったので早速交換し、出力段は良好になった。

検波出力も問題無く出ていたが音声出力は無く、ドライバー段の IC (TAA 435) が怪しい。

7月3日 サービスマニュアルを持ち帰り机上で作戦を練った。 想像通りドライバ用 IC TAA435 も
壊れていたので交換した。 結果動作は良好となった。

 

 

 

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