今日の2台目は松下の T-14C1W で以前通電した際はブラウン管も光り、ザーと云う音も出たとのお
話だった。 この種のテレビの修理のご依頼はこちらのHP http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い
致します。
イヤハヤ内部の状態は可成り酷く先ずは溜まりに溜まったホコリを払うところから始めねばならない。
8月19日 ホコリを払うべく作業に取り掛かった。
シャーシー内部の状態は更に酷く電源のブロック型の電解コンデンサは見事に破裂していた。
この状態でラスターが出たとは何とも考え難い。 上の画像の左の電解コンデンサは電源の入力に使
われている物なのでこれがパンクしているとB電圧は殆ど出ないことになるのだが。
高圧のケージ内もホコリまみれで高圧が加わると発火の可能性が高い。
一応シャーシー上面のホコリを略取り除いたが1時間を費やした。 イヤハヤ夏にやる作業では無い。
ご依頼主にこのまま続けるか止めるかメールを送っておいたが回答は未だ無い。
結局お金を掛けての修理は止めることになり、部品取りとして頂くことになった。
8月26日 昨日ザット内部をパーツクリーナーで洗浄してみたが殆ど効果は無かった。 洗剤を掛け
水洗いをする方が綺麗になるかも知れないがベークライト製の真空管ソケットやラグ板が気になる。
今日は3時間程しか無く全体の半分程のペーパーコンデンサを交換しただけとなったが、実際の部
品と回路図に記された値が異なっている物が実に多かった。
8月27日 一応シャーシー内部のペーパー・コンデンサ全てを交換した。
9月5日 主だった電解コンデンサも交換し、今日残っていた倍電圧整流回路の入力側の電解コンデン
サも組み込んだのでいよいよ通電してみることにした。 (チューナーのターレットの場所を決めている
スプリングの先端部分(ローラー)が折れて無くなっておりチューナーは軽く回って仕舞うが.....)
徐々に1次側の電圧を上げて行ったが90Vを超えた辺りでラスターが出始めた。
電流を確認しながら電源電圧を上げて行ったが 100V で約1.17A だった。
地デジのチューナーを繋いでみたが一応同期は取れ画像も音声も出たがコントラストが低い。
その後コントラスト調整が出来ないことと、ファイン・チューニングが機能しないことが判明したが道の
りは左程遠く無い様想われた。 (偏向ヨークも若干傾いているが)
9月6日 先ずコントラストの調整回路を診てみた。 何故かグランド・ラインが切られていた。
次いでファイン・チューニング部分を診てみたが何も問題は診られなかった。 可笑しい!
9月8日 内部を少し掃除しシャーシーを組み込んだ。 何故か 3Aのヒューズが飛んで仕舞った。
これが原因とは想えなかったが電源ラインのホーロー抵抗の半田付けが取れ掛かっていた。
半田付けをやり直し改めて1次側の電流を確認しながら電圧を上げて行った。
ラスターが出だしたので地デジチューナーの信号を加えた。
本の少しファイン・チューニングも機能する様になった。 (もう少し効いても良いのだが?)
コントラストは増加し、ファインチューニングも一応機能していたが途中ヒューズが飛んだのが気に
なり帰路通勤電車内で回路図を眺めた。 考えられる点が有ったので明日手を加えることにしよう。
音声出力が少なかったのでディスクリ周りのコンデンサを交換した。
電源が短絡する可能性が有るのはパイロット・ランプ周りが怪しかった。 パイロット・ランプのソケット
はグランドから浮いていなければならないがゴム・ブッシングは可成り傷んでおりこれでは短絡する。
ゴム・ブッシングを新しい物に換えておいたのでこれで問題は起こらないだろう。
しかしファイン・チューニング用の容量端子には中央部分にだけ金属が在るがこの部分は金属皮膜が
在ったのでは無いだろうか? 以前はその辺りにチューナーは転がっていたので直ぐに確かめられた
のだが。 久しぶりに引っ張り出した教科書には流石にここまでは記されて無かった。
ファイン・チューニング用電極は電界強度試験機のそれと同様ステアタイト表面は導電性の被膜で覆
われていた。 ただこの電極とベークライト板の間隔が少し開いている様想われた。
動作は可成り良好となったので前面のエスカッションやパネルのクリーニングを行った。
9月10日 最後にチューナーのターレットを固定する金具の交換に取り掛かった。 古い富士製作所
のテレビから少し短かった金具を外し装着してみたが好結果を得た。 上の黒い金具が折れていた物。