テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Philco, Predicta G4654L (Barber-pole, 1958)

2019-07-03 11:41:43 | テレビ

今日お預かりしたのは半年振りの Philco, Predicta G4654L で電源は入ったが何も動作しないとのお
話だった。 この種のテレビの修理のご依頼はこちらの HP http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願
い致します。

 昨日電話を頂いた時に声のキーが若干高いと感じたがお目に掛かり驚かされたのは何と妙齢な女性
で、これまでにも昭和30年代の国産、或いは近年のテレビの修理依頼を女性の方から頂いたことは何
度か有るが Philco の物のご依頼は初めてとなった。 おまけにニッカボッカと地下足袋のいで立ちも様
になっており特殊な建築の(現場の)お仕事をしていらっしゃるとのお話だった。   上の画像に見られる
様ブラウン管前面カバーにこの機種独特の粉をふいた様な状態が診られた。(ここの修理は梃子摺る)

ツマミの一つが欠落していた。

先ずは一番気になっていたブラウン管の状態を確認してみた。

輝度に問題は無い様で一安心した。 垂直振幅が小さいがこれは想定内。

サテ何から取り掛かるか? この機種の場合トランスレスなので映像、音声の直接入力は困難。

ブラウン管カバー横のキャップが2個無くなっていた。 キャビネット底部のホコリを払った(下)。

シャーシを取り出すだけでも可成りの時間を要する。

コンデンサ類は略全てオリジナルのままだった。 基板上部にホコリは殆ど無かった。

先ずは真空管の動作試験を行った。 結果殆どの物はMin.Val.を(一部はギリギリだったが)満たしていた
が高圧整流管 1G3 のエミッションが 10/40 と可成り下回っていた。

コンデンサ類の交換に取り掛かったが今日は時間切れとなった。

7月4日 朝一で昨日の続きに取り掛かった。

殆どのペーパーコンデンサを交換した(容量測定後問題の診られなかった物はそのままにした)。

ブラウン管前面カバーの取り外しに取り掛かった(片方のビスが欠落していた)。

外したブラウン管前面カバー。 粉をふいた様な状態が良く分かる!(向こう側は全く見えない)

ブラウン管表面にも一部が残っていたので洗浄剤で落とした。

ブラウン管前面カバーの材質が不明だが表面が空気と反応して粉をふいた様な状態になるがこの部
分を取り除くのは同様の硬さのプラスチック板で時間を掛けこそぎ落すしか無く時間が掛かる。 何と
か落としたがドット疲れて仕舞い少し休むことにしよう。 (丁度12:35昼となった)

昼食後シャーシを組み込み動作を診てみた。 一応受信に問題は無い様で水平同期は良好だった。

ただ垂直同期は何としても取れなかった。 今回の機種は同時代の日本製の物の様に、通電しながら回路
を当たることが出来ずやたら時間を要する。 再度シャーシを取り出したが道のりは未だ遠そうだった。

垂直同期/偏向に関する部分を再確認してみた。 Vert. OSC のプレートの2.2MΩが4.3MΩに高化して
いたのでパラに4.7MΩを加えた。 またVert. Out から Vert. OSC に戻している1,500pFは近年交換され
た物の様だったので交換しなかったが実測したところ2,000pFを超えていたので念の為交換した。

垂直発振/出力を担っている 10DE7 の出力側のgmが 33/33 とギリギリだったので交換した。

7月5日 昨日回路図を持ち帰り机上でシミュレーションを行ってみた。 結果映像入力のコンデンサの
低周波特性が気になったので朝一で交換し、動作を診てみた。 一応垂直同期も取れ出した。

垂直振幅と、直線性を調整した。

完全とは言えないが一応実用レベル(時々再調整は必要になると想うが)となったので連続運転を
開始した。

2時間以上連続運転を続けてみた。 シーンが変わる時に垂直同期が外れることが有った。

これまで電源電圧117Vで作業を続けていたがここから100Vで動作させてみた。 特に問題無し。

同期分離を担当している 9BR7 の在庫を調べた結果1本未使用の物が有ったので交換してみた。

大きく改善された訳では無いが若干ましな気がした。

サテ今回の機種で最も難航するブラウン管カバーのプラスチックバンドの取り付けに取り掛かろう。 

ブラウン管前面カバーの右下にクラックがあった。

前面のツマミも色違いが何処かに在るハズなのだがサテどこに仕舞い込んだか?

ビデオコンバーターの出力は3CHなのでチャンネルセレクタの位置は上の様になる。 外側のファイン
チューニングも時に使うことになる。(音声、映像の最良点を探す際)

何とかブラウン管カバーのスチールバンドとプラスチックバンドを嵌め込んだ。

前面カバー無しの状態に比べると若干透過度は落ちるがこれは仕方ない。

 

 

 

コメント
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