
今日お預かりしたのは久し振りのSP-600 JX17 でオーバーホールのご依頼を頂いたので目下抱えて
いる物が終わり次第取り掛からせて頂こう。 この種の受信機の修理のご依頼はこちらの ホームペ
ージ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。




5月6日 先ずは全体の動作を診てみた。




中波及び15MHz帯の半島及び中国の放送は特に問題無く受信出来た。 ただSメーターは振れず。

各バンドの周波数を診てみたが可成り合っていた。 上は3MHz、下は5MHz


同様上は7MHz、下は9MHz



13MHz と周波数は合っていたが、Tuning Lock で感度が変わり、逆にRF Gain で感度が変化せず。
AVC-MAN (MVC) の MAN 側で受信機能停止、BFO機能せず、7.4-14.8及び14.8-29.7MHz両バンド
で発振が診られた。


BFO を担っている V13, 6C4 は奥に在り到底外せない。

使われている真空管全ての gm とエミッションを確認した。 結果全て問題無し。


5月7日 昨日は回路図を我が家に持ち帰り机上で作戦を練った。 先ずこれまで気にしたことが無か
ったTuning Lock を見てみたがポテンショメータ或いはボリュームの様だった。 添えて頂いたマニュ
アルの説明は機能だけで動作原理は不明(通常この目的には機械的な仕組みが使われるのだが?)。
因みに回路図にこの可変抵抗は記されて無い(見付からないだけか?)。 説明でも機械的にやって
いる様だが、だとするとこの可変抵抗は一体何なのか??


回路図にも内部の部品配置図にも記されて無いダイオードが二つ見付かった。 用途不明


先ずは RF (S) メーターが動かない問題に取り掛かった。 昨日目星を付けておいた回路を診てみた。
あろうことか AVC-MAN 切り替えスイッチが ON しなかった。 手持ちのトグル・スイッチはメッキが一
部剥がれており、部品屋さんまで往復1時間以上掛けてスイッチ一つを買いに行くのもチト辛いので何と
か修復出来ないかと奥の手を使った結果幸い上手く直って呉れた。


上はこちらで最も電界強度の高いニッポン放送 (1,242KHz)、下は TBS (954KHz) で若干 TBS の方が
指示値は大きい。 各部の調整には矢張り S メーターが振れて呉れないとやり難いのでこれで調整に
取り掛かれる。

Tuning Lock を細かく診てみた。 抵抗値は 5KΩ だった。(矢張り本来の Tuning Lock では無かった)


何処に繋がっているかを追った結果、第一 IF, V9 (6BA6) のカソードに繋がっていた。

ここを調整すると感度が変わったことが納得出来た。 この改造は必要だったのか?
しかしこの IF の感度調整、或いは上のダイオード等改造された点が多そうだった。 AVC回路は上手
く動作する様になり RF Gain、 RF メーター、MAN (MVC) 設定で音声が切れる、また BFO の問題等も
結果機能する様になった。 近々 IF 調整に取り組もう。

5月10日 調整に取り掛かった。 先ずは 455KHz に取り掛かったが可成り離調しており調整後可成
りの感度の増加が得られえた。 下は TBS (954KHz) 受信時で調整前の指示値は -2DB程だった。


次いで 3.955MHz の調整に取り掛かったがこちらも少なからず離調していた。

調整をしていたが指示が大きく変わることが有り AVC-MAN 切り替えスイッチの接点は先日直った
様だったが残念ながら問題が残っていた様なので今日は早めに閉めて部品屋さんに行って来よう。

部品屋さんでトグルスイッチを買って来て組み込んだ。 結果動作は安定した。



