
今日の3台目は久し振りの Drake, R-4C で近々診させて頂こう。 この種の受信機の修理、動作確
認等のご依頼はこちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。





3月9日 先ずは通電してみたが最初ハムが出るだけだった。 暫くしてホワイト・ノイズは出る様
にはなったがボリュームのガリが酷く、また全く受信はしていなかった。 ダイアルにも機構的な問
題が診られた。

3月10日 昨日の結果から修理はここまでとしようとご依頼主にもお話したが、何とも気になり朝一
で気になっていた N B (ノイズ・ブランカー)をバイパスした。


予想は的中し一部の周波数だが一応 AM モード以外では受信し出した。 ただダイアルを回しても
受信周波数が変わらないと云う大きな問題は有るが何とかなりそうな気がする。 サテどうするか?


第二 IF はテッキリ 455KHz かと想っていたが実際は 5.645MHz+/-50KHzだった。 ただAM 用フィル
ターの周波数、バンド幅は汚れていて読めない。 上の CW2, CW1 用フィルターの位置は逆では?

念の為 AM 用クリスタル・フィルター単体の周波数特性を確認しておいた。 簡単な SG を使った
ので周波数の微調整が出来無いが約 5.648 Mhzだった。

次いで INJ 端子で第一混合に加えられている局発信号を診てみた。

ここでは PTO がキチント動いており上、下で周波数が 89KHz動いている。


XTALS 切り替えは 4 の処なので裏面に在る水晶ソケットの 4 番の処に挿入した物の周波数が17.099
(17.100) MHz程なのだろう。(17.1-11.1MHz=6.0MHzが受信周波数帯の下端となる?)

パイロット・ランプが切れていたので交換した。

XTALS 5 の処で約10MHzを受信した。


裏面に在る1~15と割り振られた水晶の使い道がイマイチ不明。 (ご依頼主が調べて呉れ受信希望
周波数帯下端+11.1MHzの水晶を使えば良いと分かった、また周波数の可変範囲は-100~+500KHz)


見難いが AM 用フィルターのソケット部分でメスの端子が抜けていた、これでは AM は機能しない。

割れていたソケットを表に出した。 以前の様に HC-6U 用のソケットが在れば問題は無いのだが!

帰宅時間を遅らせソケット部分の接着を試みた。*単に固定するだけならエポキシ系の接着剤を使
い簡単に済ますことが出来るが、ピンが挿入出来無ければならずサテ如何に接着剤を回避するか?
改めてこの機種のサービス・マニュアルに目を通してみた。 PTO の周波数範囲は 4.955~5.455MHz
とのことなので受信範囲 -100~+500KHzと云うのは計算が合わないのだが?

3月11日 今日から2-3日は時間が取れなくなるので PTO と水晶発振回路の周波数を確認しておいた。
1'st Mix の真空管はテッキリ回路図通りの 6EJ7/EF184 と考えていたが実際は 6HS6 だった。


サービス・マニュアルには PTO の周波数は 4.955~5.455 MHzと謳われていたが実際は約 4.785~
5.595 MHz で想像より可成り広い範囲を聴ける(-0.142~+0.67 MHz)。*若干低周波成分が混入。


一方水晶発振回路の方は略水晶に刻印してある周波数通りだった。

クラブメンバーの S さんが今週末のミーティングの際に HC-6U 用のソケットを持って来てくれるこ
とになった。

3月14日 今日のミーティングの折に葉山の S さんがソケットを持って来て呉れた。


3月16日 S さんから頂いたソケットの組み込みに取り掛かった。 実際の回路は若干異なっていた。


裏面パネルを外せばソケットの取り付けは簡単に終わるのだが、この裏面パネルを外す為には多く
の部品を外さなければならず、痛しかゆしと云うことになる。 ソケットの取り付け穴は上面から74
mm程の所に在り作業は全て上からやらねばならずビス1本固定するのも簡単では無い。


何とかクリスタル・フィルター用ソケットを取り付け AM の受信を確認した。


次いで 7.00 MHz用に局発の周波数を合わせ (12.645MHz) マーカー発振器を受信してみた。

7MHz ピッタリを受信出来たが感度が低い。

先ず RF 周りを調整してみたが殆どズレていなかった。 次いで真空管の gm を確認したがこちらも
問題になりそうな物は無かった(6HS6 のパラメータが無く 6BA6 の値を使った)。

この後も殆どの IFT 等を調整してみたが離調している物は無かった。 サテ低感度の原因は一体何な
のか? 少し頭を冷やそう!

結果接続の凡ミスが見付かり良好に動作し出した。 実際は感度も悪くなかった。


周波数表示(ダイアル)を見てみる為に前面パネルを外した。

折角外したのでパネルを綺麗にしてみようと洗剤を数倍に希釈し、徐々に濃度を上げながら汚れが落
ちないかトライしてみたが結局変化は無かった(油汚れやタバコのやにでは無かった)。

改めて通電したところ一瞬ブーンと云う音がして電源が入らなくなって仕舞った。 調べたところ
ヒューズが飛んでおり、高圧整流用のダイオードの片方が絶縁不良を起こしていた。

片方だけでも何とかなるが念の為両方を 1N4007 に交換した。 今日はここで時間切れとなった。


3月17日 高圧整流用のダイオードを交換し幾つかのバンドで実際に聴いてみた。 ただこのと
ころのアンテナは窓枠の所に斜めに2.5m程のビニール線を張っただけなので多くの局は聴けな
いが局発の周波数が 17.457MHz (=11.812MHz) でフェーディングは無かったので NHK か?
言語はスペイン語だった。 この後 KHz 台の表示を合わせたが、ここまでで伺っていたご予算
を2万円程超えて仕舞った。


7.00 MHz に表示を合わせたところ。


ラジオ日経の 6.055MHz に持って行ったところ。


取説を読めば記されているのだろうが CAL モードにするとミュートが掛かった様な状態になって仕
舞うので裏面の MUTE 端子をグランドに落としたところ良好に機能していた。 これまでの結果を
総合すると N B (ノイズ・ブランカー) も機能するかも知れない。* PTOのランプも点灯には短絡要。