袋井に来て、初めて出会った食べ物に、おはたき餅がある。
おはたき餅は、うるち米のくず米の粉を蒸かして、ついたもの。
もち米のお餅のように伸びないので、
棒状で売られたり、それをスライスしてパックした状態で売られている。
「もったいない」の心が生んだ食べ物の典型だと思う。
しかし、もち米のお餅も1年中手に入る今、
私はこのおはたき餅を食べるタイミングがつかめない。
そこで、袋井で生まれ育った人10人に、
「おたはき餅はいつ食べるのか?」
「もち米のお餅とどう食べ分けているのか?」
お尋ねしてみました。
「今は、普通のお餅も1年中手に入るけど、やっぱりお餅はお正月、
それ以外の時はおはたき餅を食べるわね。」
「お餅は、食べると胃にもたれるでしょ?
おはたき餅は、それがないからお正月でもおはたき餅を
好んで食べる人がいるよ。」
そういえば、以前ジャスコ袋井店の店長さんが
「お盆の時は、おはたき餅をたくさん並べるようにしています。
帰省された方が、なつかしんで食べたり、
お土産に買って帰られる方もいらっしゃいますから。」
と話していらっしゃいました。
やはり、環境とか習慣とか思い出というのは、
食べ物のおいしさを形成する大切な要因なんですね。