■ 7月も今日で終わり。明日から8月。で、7月のブックレビュー。読了本は4冊と少ないが、島崎藤村の『夜明け前 第二部上』(新潮文庫)を読むのに時間がかかったことがその理由。全4巻の長編小説はようやくこの巻の後半あたりになって、世情描写から主人公の半蔵及びその家族、周辺の人たちにズームインした描写になっていく。そして第4巻、第二部下の序盤で物語は大きく動き出す。**暗い土蔵の二階、二つ並べた古い長持の側に倒れていたのは他のものでもなかった。自害を企てた娘お粂がそこに見出された。**(89頁)8月には休みが多いから、この長編小説を読み終えることができるだろう。読み終えたという満足感を味わいたい。
『弥勒の月』あさのあつこ(光文社文庫)人気作家の作品を初めて読んだ。遠野屋のお内儀の投身自殺に事件性を感じた同心・小暮信次郎が岡っ引・伊佐治とともに、夫である遠野屋の主人・清之介の闇に迫る・・・。明かされる驚きの過去。意外な結末。サイコサスペンスともいえる作品。
『リニア新幹線と南海トラフ巨大地震』石橋克彦(集英社新書)**時速500キロの超特急は「活断層密集地帯」を疾走する。本当に大丈夫?**(帯からの引用文)全く必要のないリニア新幹線、でももう止められない・・・。
『「本の寺子屋」新時代へ』「信州しおじり 本の寺子屋」研究会編(東洋出版)塩尻のえんぱーくで2012年7月に開講した「本の寺子屋」で講演を行った講師(多くは作家)のエッセイを収録した本。7月25日に行われた森まゆみさんの講演会で買い求めた。