透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

本が好き

2021-07-15 | A 読書日記

 だいぶ時間がかかったが、『夜明け前』の第二部上を読み終えた。第一部の上下二巻で藤村は江戸から明治へ、時代の大きな流れを俯瞰的に捉えている。それがこの巻の後半あたりから、藤村はようやく主人公・青山半蔵に徐々に近づいていく。鳥の目から虫の目への転換。第二部下でこの長編小説は半蔵を中心とする人間ドラマへと様相を変える。

ここでひと休み。第二部下、最終巻を読み始める前に『弥勒の月』あさのあつこ(光文社文庫2008年)を読むことにする。

**月が出ていた。丸く、丸く、妙に艶めいて見える月だ。女の乳房のようだな。** こんな出だしで始まるこの物語、一体どんな展開になっているのだろう・・・。



朝カフェ読書 2021.07.16