昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

小説<ある倉庫係>(1)

2015-06-01 02:08:50 | ある倉庫係
 倉庫係の石山三治が出社していない。
 連絡もないという。
 1月8日月曜日、年末年始の大型連休明けの初出勤日だというのに。
「また飲んだくれて酔いつぶれているんじゃないの? 電話してみたら?」
 ぼくは飯島課長の薄くなった頭に声をかけた。

 
「電話? そんなもの持ってるわけがないじゃないですか。そのうち出てきますよ・・・」
 薄毛頭からくぐもった反応があった。
「このところ、やつもまともになったと思っていたのに・・・」
 ぼくは誰にともなくつぶやいた。

 晴れ着姿のふたりの女子社員がにやにやしながらこちらを向いた。
 
「今日は挨拶だけの出勤日だから、別に彼が来なくてもかまわないけど・・・」
 気にしたぼくがバカみたいに思えた。

 ─続く─

 第68回カンヌ国際映画祭、レッドカーペットに登場した「最悪なドレスの人」としてフランスの情報誌に選ばれた女優の中に正体不明の女がいた。
 
 中国の女優チャン・シンユーだ。
 調べてみると・・・。

 
   




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