昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(123)チャップリンの映画を始めて観る

2012-07-15 06:36:56 | エッセイ
 たまたま三鷹市芸術文化センターで開催されている「もう一度、スクリーンで見たい、チャップリン」のチケットをいただいたので行ってみた。
 
 彼の映画は断片的には見ているが、ちゃんとした映画としては見たことがない。
 三本立てだ。最初の二本は「犬の生活」と「のらくら」いずれも30分ほどの短編で予想通りのドタバタ喜劇だ。
 
 
 仕事探しで職安に出かけるも、同じ連中との競争に敗けて今日も仕事にあぶれ、同じように他の犬から追い立てれれている負け犬との共同生活を描く「犬の生活」。
 
 
 折から好景気でゴルフ真っ盛りの上流階級の連中のゴルフ場に紛れ込んで引き起すドタバタ喜劇の「のらくら」。
 いずれも、彼曰く。
「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」

 30分の食事休憩時間を挟んで、「殺人狂時代」が予定されているが、2時間以上の大作だ。
 ・・・今まで見た二本は、けっこうみんな笑っていたが、単純なドタバタ喜劇だ。二時間も持つかな?・・・
 正直、見ないで帰ろうかなと思ったが、パンフレットを見ると、チャップリン自身が自らの最高傑作と言っているとある。
 チャップリンの映画を見に来て最高傑作を見ないで帰ったんではチケットをくれた人にも申し訳ない。

 見だすと、ドタバタはなく、むしろシリアスでサスペンス映画の趣もある。才能にあふれる主人公は障害のある妻と子供のために、金持ちの女をた何人もたぶらかして殺し、金を奪う生活を繰り返す。
 
 
 チャップリンの名言からセレクトすると、
「死と同じように避けられないものがある。それは生きることだ」
「人生ってのは欲望さ。意味を考えてみたって始まらない」

 そして彼は警察に捕まり、ギロチン刑に処せられる。
 
「大量殺人者としては、私などアマチュアだ」
「殺人はビジネス、小さい規模では上手くいかない」
「一人を殺せば殺人者だが、百万人を殺せば英雄だ。殺人者だって神聖化させられる」
 などの言葉を残して処刑場に連行されていく。
 
 The Endの文字が出ると、思わず会場から拍手が起きた。

 今日から小説「雪舞う日」を連載すると予告していましたが、推敲の必要があり後回しにいたします。スイマセン。 


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