昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(508)西郷どんと犬

2018-04-09 04:47:03 | なるほどと思う日々
 西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか?
 
 西郷は西南戦争で、時の政府に反逆したとされている。
 しかし、彼は内戦を起こそうとしていたのではなかった。
 彼は政府軍の総督・有栖川宮に上申文を出している。         
「今般陸軍大臣西郷隆盛等、政府え尋問之次第有之、出発致し候」
 西郷の目的は<尋問>のための示威行動であって、内戦を起こす気は全くなかった。

 たしかに彼は官僚も含めて当時の政府が利権、金儲けに腐心していたことに怒っていた。
 そこに、西郷隆盛暗殺未遂事件が起きた。
 当時の警視庁の川路警視や大久保利通など薩摩出身の実力者が挑発行為をしていたらしい。
 
「薩摩は独立国みたいな顔をしている」と・・・。

「私の刺客問題で政府に尋問がある」というのが西郷が行動を起こした大義名分なのだ。
 ただ、意図したのは汚職にまみれた政府を、志の高い清廉な政府に変えることだった。
 犬を連れて行ったのも、戦争を起こすつもりのなかった意思表示だ。
 ウサギ狩りをするために何匹もの犬を連れて行った。
 行動途中の食糧不足を補うためだった。

 西郷は和田越の戦いの後、陸軍大将の軍服を焼き、犬を解き放っている。
 
 この瞬間に個人的な<尋問>ではない<戦争>を意識したのかもしれない。

 余談ですがなぜ犬のことを<ポチ>と呼ぶのでしょう?
 
 横浜の外国人居留地でブチ犬のことをバッチ(ブチの模様)と言ったことから始まったのでは?

 (以上、交詢雑誌No.629 仁科邦男の講演より)