昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(388)暑くて、忙しい一日

2017-07-15 05:16:49 | エッセイ
 朝早く三鷹市民大学運営委員Y氏から電話があった。
 9時半から講義の前に運営委員に集まってほしいというのだ。
 会場の創造プラザまで、歩いて40分あまり。
「暑いんだからバスで行きなさい!」
 いつもなら歩いて行くのだが家内に止められた。
 五人の運営委員がそろったところで、Y氏が言った。
「今日、総合の運営委員会があります。<自主学習>の一つとして年末にある<つどい>に対するわが哲学コースの意思を固めておきたいんですが」
 「去年までは社会教育会館で行われたが、今回はここ、創造プラザで行われる予定です。我々受講者の間の交流行事なのか、一般市民に対するアピールが趣旨なのか」
「従来のような、細かな独りよがりの表現方法でなくシンプルなものを目指したほうがいいと思うが」ということでまとまった。
 
 今日は合田正人講師の5回目「言葉と意味の深淵を見る」と題して2時間。 いつものように、真面目な学者の姿勢で、分かったような分からないような、哲学の神髄を語られた。
 今日は鶴見俊輔とパースに焦点を当てられた。  
「言葉とは人間の道具としての側面を持つ一方、人間が言葉に繰られているという面もある」
「人間とは記号(サイン)である」 
「人間の仕事はサインを読み解くことにある」
「意味とは何か?全然違う意味で使っている場合もある」
「意味も変わっていくというのがプラグマティズムの考え方。取り敢えず暫定的に決めておく」
「言葉をお守り的に使うことを鶴見氏は戒めている。勅語という形で国家が動かされた事実」
「文字は不平等を作り出した」
「文字は殺し、霊は生かす」
「人間は直立歩行で、前足が手になり、顔が立ち、前方を見る」
「手で壁に刻印した。象形文字、線文字の存在。未だ判読されていないものがある」
「文字と言葉は同時発生ではないのか}
 
 終わってから他のコースの運営委員を含めて総合運営委員会が開催された。
 その間、近くのサミットでカツサンドを買って昼食を摂る。
 

 総合運営委員会では行政サイドが司会をした。
 年末に開かれる<つどい>の件だった。
 前回の反省と、今回への意見交換がなされた。

「次に三鷹市立第一小学校のスマイルクラブの囲碁指導が控えていますのでお先に・・・」
 すると、Kさんが「第一小学校のスマイルクラブ? わたしもアートの指導をしているんです」
 なんという偶然!
 
 
 囲碁教室で、この偶然を確認すると
「先生、アートのK先生知ってるんですか?」と生徒。
「アートのK先生は人気なんですよ」と父兄のお母さん。

 ・・・この三鷹でいろいろな交流が構築されつつある。
 忙しく暑い一日だったが、ボクにとって何となく幸せな気分になった。