昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(357)石原慎太郎VS小池百合子

2017-03-05 04:29:42 | エッセイ
「果し合いに出かけるサムライの心境です」と言って 会見に臨んだ石原慎太郎元東京都知事。
 瑕疵担保責任については部下のやった事で与り知らぬと一蹴。
 都知事としての最高責任についても、議会を含めて専門家の判断に即して判を押しただけで、自分だけの責任ではないと押し通した。
 のみならず、豊洲は科学者が安全と指摘しているにもかかわらず、無駄な費用を空費している小池都知事の無作の方が問題と切り返した。
 一般のマスコミの反応は、サムライというには潔くない「無責任者、石原善都知事」という評価が大半だったが、唯一、テレビ朝日の稲垣えみ子氏が「リーダーの責任というより、太平洋戦争にも見る如く、日本的なシステムの問題」との発言が目を引いた。
 つまり太平洋戦争敗戦の責任者は、東条英樹首相一人に負わすべきものではなく、高級参謀たちの指導者責任を含めた<日本的土壌コントロールシステム>にあるというのだ。
 民間企業の社長だったら当然責任を問われるという見解もあるが、そのことで会社が潰れるようになった場合ならともかく、都知事だった時代の業績を勘案した場合、果たして石原都知事の部下任せの罪が、大きいとはいえこの豊洲の瑕疵担保契約の一件だけで都知事としての法的責任が問えるのだろうか。
 百条委員会でも、他の子ネズミ実務者はともかく石原氏の法的責任を問うのは難しそうだ。
 いっぽう、果し合いの相手小池百合子都知事に対して石原氏は「むしろ、安全性を科学的に実証しているのにも関わらず無駄な費用を空費して、豊洲への移転を先延ばししている無作こそ問われるべきだ!」と反撃に出た。
 小池百合子都知事はこれに対して「人の責任というのは簡単、あまり人に任せるのはよくなかった」と反論したが、自身の豊洲問題に関する今後の責任については語らず、いつもの心地よい小池節とはならなかった。
 「黒い頭の大ねずみあぶり出し戦略」で、これまでマスコミや一般都民から正義の味方と思われていた彼女に、築地の<汚染土壌問題>なども新たに浮上して、「今後の市場問題をどうするのか?」という現実的な問題を突きつけられて、風向きが変わるかもしれない。

 さあ、ボクも評価しているクール小池百合子よ、黒い頭の鼠をあぶりだすことより、これからは現実の難問<築地・豊洲市場問題>にどう対応するかが問われる。

 <好奇心コーナー>
 
 環境基準の79倍となるベンゼンなどが検出された9回目の調査は、都の指示によりそれまでの8回の調査とは違う手法で調査していたことを明らかにした。
 
 なぜ敢えて別な手法で調査したのか?
 その意図するところは? 
 9回目がおかしいのか、それまでの8回の調査がおかしいのか?
 また、新たな疑惑浮上!