昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(344)中国経済の不透明感

2015-09-16 03:23:52 | なるほどと思う日々
 ここへきて世界経済は中国経済に警戒感を強めている。
 特に中国の輸入が減速している。
 

 日本経済新聞電子版に注目すべき記事があったので、以下に抜粋してみる。
 
 
 例えば中国の自動車販売。今年1~7月の販売台数は前年同期比0.4%の微増にとどまった。8月までみると伸びはゼロ、9月までとなるとマイナスになる公算が大きい。
 実はこれはメーカーからディーラーに渡された台数であり、最終消費者に売れた台数ではない。
「政府の意向を受けて国内メーカーが、無理にディーラーにクルマを押し込んでいる」との声が聞かれる。それが証拠に、国内メーカーの販売台数が2桁増なのに、外資との合弁企業は前年比マイナスとなっている。
「ディーラーに積み上がった流通在庫が、最終消費者にはけるとは思えない。大幅な生産調整はむしろこれからだ」自動車メーカー幹部はそ気をもむ。

 いきおい、素材産業の過剰生産問題は深刻さを増す。
 例えば鉄鋼。中国の鉄鋼業は合わせて4億トンと、日本4つ分の過剰生産能力を抱えている。
 鉄鋼メーカーの稼働率は2014年時点で7割近くに低下し、売り上げ高利益率は1%を下回っている。
 長短の借入金は1.4兆元まで膨らみ、総資産負債比率は68%に上昇した。
 それでも、地方政府が雇用維持を最優先する結果、業界再編が進まない。
 苦し紛れに四半期ベースで5000万トン規模の安値輸出に走っているために、世界に<デフレ>が輸出されていることになる。
 

 個人消費もふるわない。
 中国の小売業の直近の決算は軒並み減収減益。
 北京など大都市の大型店の売り上げは前年同月比マイナスが続いている。
 不動産系複合企業の大連万達集団は、百貨店を大量出店してきたが、年末までに40店の大量閉店に追い込まれた。
 他の大手百貨店もここ2~3年に閉店した店舗を、閉じざるを得なくなっている。
 習近平政権が進める反腐敗キャンペーンも、消費不振には輪をかけている。

 日本での「爆買い」との絡みでも、気になる動きがある。
 
 中国当局がこの9月から税関検査を厳格化し、500元以上の買い物輸入品には50%の関税を課すことになった。
 国内の消費関連産業の保護が狙いとされる。
 爆買いに水をさされないか、いささか気になる。

 中国はいま日本のバブル期崩壊のように、過剰投資や過剰債務の重荷をかかえてしまった。 構造調整が短期間で終わるとは、もはや当局も考えていない。
 大連で開いた「夏のダボス会議」で、李克強首相らは構造改革を訴えた。
 今となってはだれが発言を額面通りに受け取るだろう。
 世界第2位の規模となった中国経済が失速すれば、世界経済を道連れにしかねない。