昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(275)大規模女子生徒拉致事件

2014-05-17 04:34:07 | なるほどと思う日々
 今週初め、ナイジェリアから衝撃的な事件が伝えられた。
 
 大量の女子生徒を拉致したのは、通称ボコ・ハラム(西洋の知・禁忌)という武装集団。
 正式名称は<宣教及びジハードを手にしたスンニ派イスラム教徒としてふさわしい者たち>
 首謀者は、「少女たちは教育をやめ、結婚すべきだ」と言っている。

 我々西洋文明の下で育った者にとっては理解しがたい事件だ。
 昔読んだ小田実の<何でも見てやろう>の一文を思い出した。
 
 西欧化した日本も、基のところでは依然として西欧とは考え方の差がある。
 しかし、アラブと西洋との差ほどではないと小田実氏は言っている。

 日本と西洋との距離は、日本が高度に西洋化された社会であるという事実を全部ぬきにしても、もともと(西洋)とアラブやインドの世界との距離よりも小さいのではないか。
 逆にいうと、そういう下地があったからこそ、日本は明治以来の短時日のあいだに、かくも急速に西欧化されたのではないか。
 私は今ビルディングや工場やネオンサインのことについてではなく、われわれの考え方や感じ方について言っているのである。
 それらのものの西洋化には、もともと(西洋)の思想と共通のもの、それとすくなくともおつきあいできる共通の基盤のようなものが存在してはじめて可能であったにちがいないのだ。
 そして共通の基盤というものは、やはり、それは<ヒューマニズム>というものであろう。
 すくなくとも、思想なり、感情なりがオバケのものではなく、人間のものであること─。


 道路拡張工事の中、こんな瀟洒な家が一軒だけ取り残されている。
 
 持ち主の無念の気持ちが分かる。