昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(143)健康診断が怖い

2012-11-16 09:21:41 | エッセイ
 このところ友人の間で、健康診断でガンを疑われて手術を受けられる方が多い。
 無事手術を成功し退院された方、これから手術を受けられる方、ガンが不治の病として内密にされ、本人にも告知すべきかどうかが問題になった時代もあったが、今やかなり大ぴらである。
 そうは言っても「あなたはガンです」と言われれば心穏やかとはいかないだろう。
 そう思うと気の弱いぼくなどは、うかつに健康診断など受けられない、と思ってしまう。

 実際退職してから12年あまりになるが、一度も健康診断を受けたことがない。子どもの頃から病弱だったので、もう病院はけっこうだという思いが強く、また新たな病巣をほじくり出されたくないと思っているのだ。
 会社を辞める前に一泊ドックを受けたのが最後だった。
 その時元軍医だったという老医師がぼくの肺のレントゲン写真を見ながら、「ここに石灰化した病巣跡があるが、これは今は問題ない。人間には自然治癒力があって、いったん病気になっても自力で治す力があるんだよ。かえってほじくり返してダメにしてしまうケースがあるんだ」と言われた言葉が耳に沁みついている。

 最近、専門家の方からも健康診断に疑義を訴える方がいる。
 慶應義塾大学の近藤誠講師は、がん治療に関し、
 *抗がん剤治療は90%無意味
 *手術はほとんど役に立たない
 *がん検診は百害あって一利なし
 とまで言っている。

 免疫療法の権威、新潟大学の安保徹教授は次のように言っている。
 「ガンは不治の病ではなく、告知されてもあわてなくて大丈夫、転移はむしろ治る前兆であり、自然退縮するのは奇跡ではない」と言っている。
 そして、ガンにならないための六箇条を挙げている。
 1.働き過ぎをやめ充分な睡眠をとる。
 2.心の悩みを抱えない。
 3.腸の働きを高める。
 4.血行をよくする。
 5.薬漬けから逃れる。
 6.がん検診は受けない。

  「取りあえず免疫的な理解として、自律神経がバランスよく働いているときは白血球の働きもよく、病気に負けない免疫力を保つことができるが、ストレスによって自律神経の働きが乱れると白血球のバランスもおかしくなり、免疫力が低下してガンを呼び込む体質になるという概念をもっていただければけっこうです」と言っている。

 痛いとか苦しいとか、身体の不都合が生じた場合はともかく、単にガンが発見されたというだけで、自覚症状のないからだを傷つけて、ガンは取り除いたけれど他が具合悪くなったでは元も子もない。
 もっとも、最先端医療でからだに負担をかけない手術方法もあるようだが・・・。
 ともかく、この歳になると、ガンとともに生きるぐらいの割り切りが必要だと覚悟している。