昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(231)凍死とは

2012-11-08 06:00:14 | なるほどと思う日々
 <万里の長城で遭難>との報に接したとき、「ええっ?」と思った。
 
 このツアーを企画した旅行社は、3年前にも夏の北海道トムラウシ山での遭難を引き起している。
 
 いずれも遭難など起こりそうもない、場所であり季節であった。
 しかし、旅行社は判断が甘いと厳しく非難された。
 

 凍死した原因を生物学的に分析すると以下のようになる。
 いずれも、予想外の異常気象で、寒さにより体温が奪われた。
 凍死に至るもっとも直接的な原因は低体温による心臓の機能低下だ。
 心臓の筋肉(心筋)はたえず弛緩収縮を繰り返し、血液を全身に循環させている。

 このリズムを刻むのは細胞内のカルシウムイオンの濃度変化だ。
 心筋の細胞膜にはカルシウムチャネルという微小な穴が多数存在し、これが開閉を繰り返してカルシウムイオンの濃度の波を作り出す。
 
 細胞膜は脂質の薄い層で作られている。
 ヒトのような恒温動物の細胞膜は37度でちょうど活動しやすい流動性を持った組成に調整されている。

 ところが、体温が急に低下すると細胞膜の脂質が固まりだして不都合が起きる。
 その影響の最たるものがカルシウムチャネルだ。
 固まった脂質の中ではうまく開閉運動ができず、カルシウムの出入りが滞ってしまう。  
 その結果、心不全を起し、これが凍死の原因となる。

 たとえば、大腸菌などは常温から低温に移すと、ほぼ瞬時に飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に変換して、細胞膜の健全性を保つ能力を有している。
 外気に応じて体温が変わる変温動物も、細胞膜の調整を行っていると考えられる。
 ヒトだけが、いつでも温かい体温を享受しているうちに、細胞膜をすばやく調整する俊敏さと柔軟性を失ってしまったのだ。
 ・・・文明の発展が成せる技か?・・・

 オバマ大統領が再選された。
 
 民族問題で世界の平和が乱されている中で、民族混在の大国アメリカの象徴として彼が再選されたことは喜ぶべきだろう。
 しかも、世界をリードする大国の大統領として<力>よりも<調和>を、と訴える彼は世界平和の象徴でもある。
 彼がそれなりの実力を発揮されることを願いたい。
 
 こんな人たちも彼の再選を歓迎している。

 「チェンジ!」で売り出したノッチ。
 

 同名にあやかろうという小浜温泉。