昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(34)ゲーム(いかに勝負するか)

2011-03-10 06:27:34 | 三鷹通信
 ここの小学校では、放課後にPTAが主催する<囲碁教室>の他に、授業の中で<ゲーム>を勉強する時間がある。他にもいろいろ趣味を楽しむ教室があるが、ここでは囲碁、将棋、オセロなどのゲームに関心のある子どもたちが集まってくる。
 

 いつもはA氏がひとりで対応しているが、たまたま昨日はぼくに仕切ってみませんかと声がかかった。
 さて、ぼくにできることは何か? A氏のように技術的にゲームを解説する力はないし・・・。
 で、学期最後の授業でもあるので、締めの話をさせてもらうことにした。

「できるだけ短い方がいいですよ。子どもたちはすぐ飽きてしまいますから」とA氏から念をおされた。プレッシャーである。
 子どもたちの気を引く話をしなければならない。

「キミ達が好きな<ゲーム>って何だろう。勝負を競う楽しさだよね。どのようにしたら勝負に勝てるか考える。大昔、人間は猿並みの動物で虎のような強い牙や爪もないし、それらの動物と戦って勝つために、まず考えたことはグループを作ることだ。そして各人がそれぞれ得意の力を分担していわゆる社会を作り上げた。



 他の動物でも似たような社会をつくている動物がいるが、知ってる?」


「猿!」ひとりの男の子から言った。「そうだね。人間も昔は猿だったと言われてるけど。他には?」手があがらない。
「アリです」担任の先生が手を上げて答えた。
「そうです。他にもハチとか。子どもを生む役、働く役、みんなを守る兵隊の役目など分担して生活してるんですね」 そこでぼくは例のトゲアリの話をした。

 子を孕んだトゲアリの女王が、他のアリのにおいを纏って、相手を欺き、まんまと相手の巣に入り込んでそこの女王を殺し、自分の子どもをそこで生んで相手に育てさせるという話だ。
「ところでトゲアリよりもっとずるがしこい動物がいるの知ってる?」 
 だれからも返事がない。
人間なんだよ。そして動物として弱い人間が今や万物の霊長として生き物の頂点に立っている。それはどうしたら他の動物に勝てるか考える秀でた能力があったからなんだ」
「ゲームによって君たちの脳は活性化して成長するんだ」
 以上のようなことをしゃべったが、トゲアリのおかげで、みんな集中して聞いてくれた。

 それにしても現在の日本を仕切っている大人の政治家たちは、<いかに勝負するか>が分かっているのだろうか。
 その話は明日に。