昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(42)映画・ソーシャル・ネットワーク

2011-02-03 05:46:46 | エッセイ
 プロデューサOさんとすこやさんのブログで取り上げられていたことに刺激されて、早くも本年度No.1の呼び声高いという<ソーシャル・ネットワーク>を見に行った。
 冒頭、舞台はハーバード大学構内の食堂。
 世界最大のソーシャル・ネットワーク・サービス<フェイスブック>を立ち上げたといわれる19歳のマーク・ザッカーバーグが、憧れる美しい女子大生エリカにバカにされている。

 夕闇迫る構内を寮に向かって走るマーク。
 自室に戻るや否やパソコンに取りつく。
 見くびられた彼女に見返さなければという衝動から、大学の寮に住む女子大生たちを片っ端からピックアップ、彼女たちを品定めするという興味本位のサイトを立ち上げることから<フェイスブック>は始まった。

 <フェイスブック>はたちまち学内を越えてアイビーリーグ、シリコンバレー、そして全世界へと広まる。
 その過程で天才と持ち上げられ、裏切り者と誹られ、危ない奴と言われた男が世界で何億という友だちを創り、最も若い億万長者へと変身していく。

 そして最後のシーン。

 功績を示す数々の数字が流れる字幕を前にして、マークはただひとりパソコンに向かい、エリカのフェイスブックをじっと見続ける。

 「今世紀を代表する1本が遂に出た!」
     「最先端カルチャーをみごとに描き出した傑作」
     「フィンチャーが再び送り出した、こころに残るエンターテインメント」
   パンフレットに賞賛の言葉が並ぶ。

 ぼくは、なぜか<トゲアリ>のことを思い出していた。

 昭和のマロの考察(102)ビジネス・経営(4)で詳しく触れたが、自らの利益のため、信じられない策略を立て、他のアリの巣を乗っ取る<トゲアリ>の生態がダブったのだ。     
 人類が政治、法律、宗教など叡智を駆使して創り上げた文明社会の、陰謀、策略、裏切りが渦巻く現実は、<トゲアリ>の社会となんら違いがないではないか、何にも進歩していないではないか・・・。と。