昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

金沢便り(15)月刊誌アクタス

2010-04-23 06:17:28 | 金沢便り
「松任のKさんからお電話よ?」「松任の?」「松任って、あの<あんころ>で有名な松任?そんな所にお知り合いがいるの?」不信顔で妻が受話器を渡してくれた。
 

 東京在住の中学同窓生の集まりに遠路はるばる参加してくれるあのKくんか?
 彼は金沢でなくてその近郊の松任に住んでいるんだ・・・。

「いやあ、お久しぶりです。実はあんたの記事がアクタスに載っとったもんやから・・・」
 
 目じりの下がった好々爺のKくんの顔が浮んだ。
 記事?そうか月刊誌<アクタス>の読者欄に投稿したのが載ったんだ。
 実はこのところ毎月アクタスが送り主不記載で送りつけられてくるのでちょっと不気味だった。出版元の金沢の北国新聞に電話してみたが、宣伝で送ってくれたわけではないようだ。送り主は分からないと言う。
 たまたま<読者からのメッセージ>欄用の葉書が添付されていたので投稿した。

 ・・・どなたかが送ってくれた<アクタス>。めくると「金沢は美しい」のキャッチフレーズ。懐かしいですね。金大付属高校を卒業して以来ですから金沢を離れて50年以上になります。<武士の家計簿>のロケが行われたという長町武家屋敷のすぐ近く、長町小学校に隣接した塩川町に住んでいました。
 
 中学校は高岡町中学校。
 地図で見ると50年の歳月は塩川町も長町小学校も高岡町中学校も消し去ってしまいました。しかし、<アクタス>のページをめくる毎に懐かしい想い出は生き生きと蘇ってくる。
 送ってくださった方、ありがとう。・・・

 カラフルな金沢の魅力が満載の新春号だった。
 巻頭に、ズームアップ<県都の真ん中に新名所、しいのき迎賓館、河北門、宮守掘、まだ見たことのない新名所が続々と建設中である。
 続いて映画<武士の家計簿>金沢城でクランクインのタイトルが踊っている。
 堺雅人、仲間由紀恵主演の期待の映画のロケ風景。
 

 給食に丸ごと、ベニズワイガニなんんていうのも載っている。

「実はぼくが<アクタス>を送っていたんですよ。あんたの記事を見て電話しました」とKくん。
「えっ?ほんとう? いやあ、ありがとう」
「またゴルフなどでお会いしましょう・・・」

 なんとも満ち足りたひと時でした。