昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(29))ある大先輩の死4

2009-10-23 10:14:25 | エッセイ
 ちょうど10年前、三鷹地区同窓会の第1回ゴルフコンペが神奈川県の中津川カントリークラブで開催された時、大先輩はご自身で車を運転されて見えました。

 そのダンディなスタイルにみんなの注目が集まりました。
 ゲーリープレイヤーのように黒でまとめたシックな装いは、特に女性陣の人気の的でした。

 

「どうだね、ぼくとお付き合い願えませんか。もちろんお茶のみ友だちとして・・・」
「でも、Hさんとお付き合いして、赤ちゃんを背負ってお宅の扉を叩くことになるのはご免こうむりたいですわ・・・」
 ターゲットにした中でも若い女性は、Hさんのご発展振りを知っていたのでこう切り返した。 
「いやあ、これは参った」
 豪快に笑い飛ばしていましたが、Hさんはまだまだ色気たっぷりでした。
 
 無事ワンラウンドを回られ、終った後はわざわざ三鷹まで回って麻雀を楽しまれました。
 一人勝ちされ、ご機嫌でまた車を運転して鎌倉まで帰られました。
 もう80歳になられる時のエピソードです。

 

 その後ゴルフは82歳まで参加されました。

 

 麻雀は大動脈瘤の手術をされる直前までやっておられました。
 86歳でした。
 70歳代の我々もまだ若造を意識していられる貴重な存在でした。
 
 御歳90歳、黄泉の国へ旅立たれましたが、H大先輩のはまだまだ我々の心の中に生き続けられます。
 ありがとうございました。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。