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昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

中欧旅行(22)

2009-11-28 06:26:22 | 中欧旅行
 ウイーンのホテル、アルティス。
 
 

 ここで、旅行最後の二晩を過ごす。
「近くに大きなスーパーがあります。閉店が19時と超早いので、夕食前にご希望の方はご案内します」
 仏ちゃんに言われたが、ぼくたちは明日の朝行けばいいやと付いていかなかった。

 もらった部屋の鍵番号は123。
「いい番号じゃない」と言いながらぼくは部屋のドアを開けた。

 なんと、ベッドメーキングしていない。
 バスルームにはタオルが放置しっぱなし。
 ぼくは頭に血が上った。

 たまたま帰国後、高樹のぶ子さんのブログにこの時の<心の動き>をコメントしているので、そこから引用してみる。

 高樹のぶ子さんは<心の運動機能>と題して以下のように述べていた。

 ・・・運動機能といえば、頭「頭脳」やもちろん身体があります。
 でも、心にもあるのだと思います。
 誰だって、心の運動機能を高めたいけれど、どうすればいいのかしら・・万人に向けたアドバイスはありませんが、「傷はチャンスだと考える」ってこともその一つのような気がします。
 私の場合、「痛い」「腹立つ」「不愉快」「苦しい」ということに耐えるとき、その耐え方として「このネガティブな状況から、何か面白いものが生まれないか・・」と本能的に思います。すると運動が起こる。
 そしてネガティブな状況が、反転してくるのです。
 面白さに変転してくる。・・・

 ぼくは早速、ウイーンのホテルの事件についてコメントしました。

 <腹のたつこと>
 大なり小なり、毎日腹の立つことがあります。
 心の動きは前のめりになって、増幅し、いろいろな心の動きに悪影響が出るのが常です。

 先日、ツアーでウイーンに行ったのですが、与えられた部屋に入ったら、ベッドメーキングがしていない。ゴミ箱にゴミが入ったまま。洗面所にはタオルが使われたまま。
 早速、カッカしてフロントに文句を言いに下りたら、ちょうど次の団体が入ってきたところだった。
 二人の係りがバスから降ろされたたくさんのトランクに番号を貼ったりテンテコマイ。
「そんなことよりこっちの処理が先だろう!」と言いたいところでしたが、ぼくは先ず、前のめりになっている心を抑えました。そしてしばらく見ていました。

 そのうち前のめりの気持ちが変化してきて、昔行ったツアーで、仲間のおばさんがニューヨークで枕銭を置かなかったら、翌日ゴミ箱とか枕が放り投げ状態だったと話していたことを思い出しました。

 そこで、これはブログに使えそうな得がたい経験じゃないかと思ったら心が収まりました。

 

 結果的にはレストランでの飲み物券をもらい、翌日はいい部屋を提供され、リンゴ、オレンジ、ぶどう、キューイの果物籠が <with Compliment> のカードと共に差し入れられていました。
 同じ結果であっても、さんざん怒鳴り散らした後では心の転換はできなかったでしょうね。

 これに対し、高樹のぶ子さんから、なんと直接名指しでコメントをいただきました。

 ─続く─

中欧旅行(21)

2009-11-27 05:52:48 | 中欧旅行
 昼食は野菜スープにポークとクネドリーキ(蒸しパン)、フルーツケーキにコーヒーが付いた。


「間一髪であぶなかったですね」
 前の席に築地オヤジの奥さんが座ったので声をかけた。
「そうなんです。トラムに轢かれそうになって・・・。でもHさんなんか車に接触してしまったんでしょう?」
 歩きでレストランまで来る途中、電車や車に注意するよう言っていた仏ちゃん本人が左折してきた車に持っていたバッグが触れたのだ。
 グループの最後尾にいた奥さんも、歩行者なんか気にしないで突進してくるトラムにあわてた姿をぼくは目撃していた。

「旦那はどうされたんですか?」
 隣に座るべき旦那がいない。
「コルナを処理するために買い物してるんです・・・」
 チェコ通貨を処分してきた旦那が戻ってきた。
「いやあ、これを買ってきたんです」
 なかなかかわいい大き目のマグカップだ。
「120コルナだったんですが、10足りなかったんで渋る相手をまけさせました・・・」
 あいかわらず大きな声で誇らしげだ。
 日本円にすると6~700円だ。安い!

 これからバスで340キロ、5時間かけてウイーンのホテルへ戻る。
「自分が何年の経験があるかは最後まで言いませんが・・・」
 仏ちゃんが切り出した。
「実はこの後に、同じルートで22名のグループが続いているんです。このグループが早くから埋まって、後のグループになった方もいらっしゃいます・・・」

「一人の添乗員さんで何人面倒見ることになるの?」
 誰かが質問した。
「最高、45人までです。そのときの航空機の座席や観光するバスの大きさで決まりますが。今回は38人で目一杯でした」
「人数によって添乗員さんの日当も違うんだろ?」
 切実な質問が飛んだ。
「そんなの関係ないんです」
「えっ!?・・・国内より高いんだろ?」
「いいえ、だからと言って国内のほうがいいかというとそうでもないんです。最近は国内の方がシビアなんです。朝は早いし、高速代が安くなって渋滞がひどく、帰りは夜中12時過ぎなんてこともあります。むしろ海外の方が時間が決まっていて楽ですね」
「でも、海外ツアーの添乗員さんてたいへんだよね・・・」
「そうですね。旅行が好きで、人付き合いが好きで、度胸があれば・・・」

 仏ちゃん、ようやく調子に乗ってきたようだ。
 これまでのツアーコンダクターに比べて、長いバスの中での解説が少ないのがちょっと不満だったが。

「まだ、チェコですよ・・・」
3度目のオシッコタイムで降りたガソリンスタンドの売店を出て周りを散歩する。
 すでに陽が落ちて薄暗い中に巨大な飛行機の尾翼部分が目の前に現れた。
 
 

 鉄人2号のような巨大な像が何かを支えている。
 テーマパークのようだ。

 間もなくウイーンのホテルに到着するのだが、ぼくにとってちょっとした事件が待ち受けていた。

 ─続く─
 

中欧旅行(20)

2009-11-26 07:00:58 | 中欧旅行
 カレル橋から旧市街広場へ移動。
 

 中心に仕掛け時計のある旧市庁舎が聳える。
 11時に鐘が鳴り仕掛け時計が動くというので、それまで近くの免税店に入る。
 広い店内には、ガラス製品や琥珀、ガーネットなどのアクセサリー、陶磁器、民芸品などがずらりと並ぶ。
 女たちはお土産に何かと、歩きまわる。
 何人かの男どもはベンチに座って、サービスのコーヒーを飲む。

 11時近くになると、広場はいろいろな国の観光客でいっぱいになる。
 天文時計よりお互いが気になり見つめあう背の高い白人の恋人のカップル。
 じっと時計塔を見つめる老夫婦。
 人混みの隙間を縫って歩きまわる」かわいい子どもたち。

 

 二つの天文時計があり、上のは地球を中心にしてまわりを惑星がまわる<天動説>に基づいて作られていて、下のは旧市街の紋章を軸に12星座が囲む構成になっている。
 いよいよ鐘が鳴り、時計台の窓が開くとキリストの12使徒が次々と現れる。
 外へは出てこない。
 あっけないものだ。これだけのためにこんなに多数の観衆が待ち望んでいたのか、と思った瞬間、塔のてっぺんのベランダに赤と金の衣装をまとったトランペット吹きが現れ、金のトランペットを吹き鳴らす。
 特別余興付きの時計台イベントだった。

 集合時間まであと10分、みんなが集まってきた。
 目の大きい、背の高い若い女性が風景を描いた色鮮やかなテンペラ画を披露している。
「あらっ!素晴らしい。どこで売っていたんですか?」
 妻が目をつけて声をかけた。
 さっき路上で描いていたのをぼくも見かけた。

「近くですけど、今からでは絵を選んでいたりすると集合時間に間に合わないかもしれませんね・・・」
 妻はあわててすっ飛んでいったが、すぐ戻ってきた。
「頼まれていたものにピッタリのがあったんだけど、ユーロの手持ちがなくなっちゃって・・・」
 諦めたのかと思ったらめん玉女性に図々しくもお願いして、再度一緒に出かけていった。
「T君に頼まれたのにピッタリなの・・・」
 ほどなく戻ってきた妻はカレル橋を描いた絵を手に、娘婿のおみやげを執念で買い求めて満面の笑顔だ。

 目の魅力的なお嬢さん、お世話になりました。
 ありがとう。

 ─続く─ 

中欧旅行(19)

2009-11-25 10:02:26 | 中欧旅行
「いやーあ、参ったよ。小便するのに苦労したよ」
 トイレから出てきたおじさんが目を剥いている。
「丈が高くて、我々チビは困るよ・・・。台でも置いといてもらわないと」
 そういえば、昔、ソ連へ招待旅行に招かれた会社の社長が土産話で語っていたのを思い出した。
 
 

 こちらの男子トイレの便器の高さは日本人向きではない。
 幸いぼくはかろうじて問題なかったが・・・。

 

 衛兵を冷やかしてプラハ城を出ると、我々は既に10世紀頃から遠隔交易の市場として賑わっていた街並みを通ってカレル橋に向った。

 カレル橋に入る所で30分後に旧市街門塔を出た所で再集合することを約束して我々は自由にカレル橋を楽しむことになった。
 傘を差すべきか否か迷うほどの雨がぱらついている。
 橋のうえには、アクセサリーや水彩画、絵葉書などの露店がたくさん並び、雨模様にもかかわらずいろいろな人種の観光客が多数入り混じって歩く。
 
 全長520メートル、30体もある欄干の像を知識のない我々が全て見る意味も余裕もないので、見るべき像を絞った。
 先ずはヤンさんの像だ。
 

 橋の真ん中あたり、聖ヤン・ネボムツキーの像には予想通り人だかりがしている。
 多くの人に思いを込めて触られた銅版はなるほど金色に輝いている。
 その先の十字架にかけられたキリストの像もひときわ目立つ存在だ。
 

 我々日本人におなじみのフランシスコ・ザビエルの像が、さらにその先反対側にあるはずだが、工事柵で囲まれて全く見えなかったのは残念。

 我々は時間をもてあまして旧市街門塔先の集合場に着いてしまった。
 

 時折雨が降るのと、じっとしていると寒いので門の下に入る。
 同じように早く見物を終えた連中が並んで行き来する観光客を眺めていた。
 
 ・・・平凡な東洋人の立像が並んでいる・・・
 彼らにはそう見えたかも。

 ─続く─

 



 

中欧旅行(18)

2009-11-23 11:58:14 | 中欧旅行
 

 マイセンから再びチェコ、プラハのホテル、バルチェロに戻ってきた。

 朝6時、窓の外はまだ真っ暗だ。
 6時半、朝食の時間になってようやく明け染めてきた。
 今日は徒歩でプラハ市内観光だ。

 パラパラと小雨が降っている。
 プラハ城前、今日は現地ガイドはいないのかなと見ていたら、仏ちゃんがアリさんのように小さな日本人女性にガイド・マイクを渡している。
「みなさん、ガイドのYです。まず皆さんには迷子にならないように注意しておきます」
 アリさんにしては力強く大きな声だ。
「万一グループから離れてしまったら、その場を動かないで20分ほどそこで待っていてください。もし救出が現れなければそれ以上そこにいてもムダです」
「・・・」

 

「タクシーを捉まえてください。タクシーは黄色い色をしています。プラハ・スクエアーと指示して下さい。そこで天文時計台の所で待っていてください」
「・・・」
「そうすればグループに戻れる可能性はあります。7年ガイドをやっていますが、そんなケースはなかったので、今回もないことを期待しています」

 彼女は携帯傘を掲げてみんなを率いてプラハ城の中へと入っていった。
 早過ぎてまだ開門していない。
 しばらくスリに対する注意事項など述べていたが、開門して一番乗りで入場した。
「スリは今のところ関係なさそうですね」
 アリちゃんの言葉に笑い声が出た。

 

 城内の聖ヴィート大聖堂に入る。
 プラハにおけるゴシック建築の代表格だ。
 見事なステンドグラスがいくつも見られる。
「これは純金製の聖ヤン・ネポムツキーのお墓です」

「えっ!? 純金製?」
 アリちゃんの説明にみんなの耳目が一斉に集まった。
「このヤンさんは、ヴァーツラフ国王が王妃の懺悔内容を求めたのに頑として明かさなかったのです。そのためヤンさんはヴァルダ川に投げ込まれ殺害されたと伝えられています」
「ヴァルダ川にかかるカレル橋の中ほどにヤンさんの銅像がありますが、そのプレートに触ると幸せになるとか、またここに戻ってこられるとか言われています。
銅版のプレートの触られた所がピカピカに光っているのですぐわかります・・・」
 アリちゃんかかると、聖人もヤンさんになってしまう。 
 
 ─続く─

中欧旅行(17)

2009-11-22 06:33:03 | 中欧旅行
「大き過ぎて、見ているだけでお腹がいっぱいですよ」
 隣で大声で食事談義をしていた築地旦那と目が合ってぼくは声をかけた。
 
 小柄だが元気いっぱいの白いブラウスに赤いチョッキのウエイトレスが、我々に邪気のない笑顔を向け、食べ残しの大皿を6枚も重ねて運んでいった。
 子ども連れ、老夫婦、次々と客が入ってくる。
 その間を赤と白のチェコのウエイターやウエートレスが走り回っている。
 あのイケメンのハムレット君が粗相がないかとばかりあたりに目配りしている。



「この方もパンダネットに入ってられるそうですよ」
 築地旦那が白髪のオヤジを伴ってやってきた。
「帰られたらネットで対局されたらいかがですか?」
 この前、食事で一緒になったとき、ぼくが囲碁をやっていると言っていたので同好のオジサンを紹介しようというわけだ。
「いやあ、私などヘボですから」
 白髪のオジサンは殊勝な顔をしている。
「どのくらいで打たれるんですか?」
「パンダネットはレベルが高いので3段まで落ちてしまいました。碁会所では5段格で打ってますが・・・」
 いやあ、ぼくとは段違いだ。

 こうして、ツアー仲間との交流も始まる。

 最後に店を出る時、例のハムレット君が仏ちゃんと清算処理をしていた。
 彼は30そこそこだと思うが責任者なんだ。
 涼やかな笑顔で、貴重な御用達関係のお得意様、仏さまと握手を交わしていた。

 

 仏ちゃんに聞くと、今日はチェコの独立記念日なんだそうだ。
 道理で豪華な食事で賑わっていたのだ。
 今から40年前、プラハの春、自由化、民主化運動が活発となったが、ソ連などワルシャワ条約軍事機構の弾圧を受けるという試練を乗り越えて、ようやく今日の自由が勝ち取られたのだ。
 チェコの元気な人たちに乾杯!

「でも、プラハ駅に浮浪者やドラッグ関係の怪しげな人たちがたむろしていましたが、そういう問題も新たに生じているんですよね」
 仏ちゃんは言った。

 ─続く─
 

中欧旅行(16)

2009-11-21 07:33:50 | 中欧旅行
「あの運転手さん、缶コーヒーボスのCMに出ている人に似てない? なんとかジョーンズという俳優に・・・」
 妻から言われる。
 プラハに向うバスに乗り込む前に、妻は仏ちゃんにも言っている。



「運転手さんが缶コーヒーボスのなんとかジョーンズさんに似ていると言われましたが、たしかに横顔は似ているかも・・・」
 仏ちゃんは早速話題に採用。
「そういえばそうね」
「似てる、似てる・・・」
 あちこちから声が上がる。

「あー、ビリー・ジョーンズね」と大助おじさん。
「違うでしょう。トミー・リー・ジョーンズよ」
 知的奥さんからすぐ訂正が入る。

 マイセンからプラハまで169キロ。
 夕食はプラハの大きなレストラン、HYBERNIA。
 我々は一人のおばさんと、3人の若い女性の組と同席。
 野菜スープ、じゃがいもに白身魚のフライ。
 ボリュームあり過ぎ。半分残す。
 ビールはさすが、チェコ、ピルセンビール。
 ほのかな苦味が一時代前の懐かしい味だ。

「見て、見て、あのウエーター。ハムレットみたい。目が涼やか」
 妻が目を輝かしている。
 あごひげなんか生やして、なかなかイケメンの若者だ。
 仏ちゃんと一緒にドリンクの注文取りに回っている。

 我々のほかにもチェコの若者やファミリーがたくさん入っている。
 隣の席の図体の大きなおにいちゃんはなんと半そでだ。
 目の前には馬が喰うほどの野菜が皿に山盛りになっている。 
 向かい側のおねえちゃんの前には焼き鳥のお化けみたいのが突っ立っている。



「あれシシカバブだよ。どうやって喰らいつくのかな?」
 自分が食べるのはそこそこにして、興味津々周りを見回す。

 おっ!後ろの席の女性の前には、ブタの丸焼きか?
「違うわよ、鶏の丸焼きでしょう」
 妻に言われたが、目の前にした二人のチェコ女性ご本人があまりの大きさに目を白黒して顔を見合わせている。

 ─続く─

中欧旅行(15)

2009-11-20 06:24:10 | 中欧旅行
 

 その前にゼンパーオペラ劇場の外観も見たが、これも煤けていた。
 どうしても、ドレスデンーの大空襲が蘇ってくる。
 エルベ川にテラスのように張り出したブリュールのテラスからエルベ川を眺望したあと、新市街のStaropramenで昼食。
 
 

 野菜スープに長くて大きいソーセージにザワークラフト、ジャガイモ、フルーツヨーグルトの典型的なドイツ料理を味わう。

 午後は26キロバスで走って、黄色に染まった山間に佇むマイセンの街に入る。
 
 

 ブルーの剣が交差したマイセンのロゴを標したのぼりがはためき、プレートのはめ込まれた近代的なビルがマイセンの工房だ。

 我々は先ず、50人ほど入る階段教室の部屋に通され、ビデオでマイセンの歴史を学ぶ。
 中国など、東アジアの陶器に触発され、特にあの白をこの地でも再現できないかと試行錯誤が繰り返される。
 興味深いのは、博士の称号を持った科学者がその任にあたり、化学的に解明、開発されたというのがいかにもドイツ的である。

 我々は次に隣の同じような教室に移動、今度は職人による陶器製作の実演を見る。
 恰幅のいい職人のおにいさんが、ろくろを回し、土から原型を作成、型にはめ込んで素型を作る。
 拍手を受けると、誇らしげに観客を眺め回し、わが意を得たりという風にほほ笑む。
 
 

 さらに教室を移し、微細な形づくりや色づけなど舞台が回るように実演を観賞。
 吐き出された先にはいろいろな作品が展示される会場へと導かれ、・・・では、どうぞお買い求めのほどを・・・とくる。

 赤や青の色が鮮やかで美しい。
 しかし、結構高い。
「伊万里焼の方がいいわ・・・」などとつぶやくおばさんもいたが。

 ─続く─

中欧旅行(14)

2009-11-19 08:32:31 | 中欧旅行
 ツヴィンガー宮殿の中庭に入ると、黒く変色した数々の像を頂く建物が取り囲んでいる。
 近くのフラウエン教会も焼け焦げた煤を被ったように黒くなっている。
 
 

 

 現地ガイドのスカッロリーナ女史の説によると砂岩を使っているので日が経つと含まれている鉄分が錆びて黒くなるのだと言う。
 まだ白い部分は修復して間がないのだと・・・。
 この説は後日、黒皮の長いコートに黒のサングラス、黒い顔のウイーン在住の超ベテラン風日本人ガイドのアンチャンに確認したら「バカなことを、化学的にもナンセンスな説だ」と一蹴されてしまった。
 果たして真偽のほどは?

 それにしてもこの女史風ガイドのオバサンは我々38人を引き連れて忙しなく歩きまわる。
 しょっちゅう携帯が鳴って、誰かと話している。
 かと思うと、仲間だろうか、おばさんに話しかけられて立ち話したり態度が良くない。
 
 我々のグループで最長老(75歳くらい?)のおばあさん姉妹が、
 他のグループにくっついて教会に入っていくのが見えた。
 やばい!と思ったら、最後尾にいた仏ちゃんがあわてて追って行った。

 その後我々は旧市街をやはり忙しなく見学。
 
 

 大学生の入賞作品という、マンホールの中から顔を出す男の像はなんともユニークなものだ。



「でわ、ここで3グループに分かれます。教会の中を見学する人、わたしが先導するおいしいと評判のパンやさんへ行く人、残って<君主の行列>の壁画の前のおみやげやさんを冷やかすグループに分かれます。
 いずれも11時半には<君主の行列>の壁画の前のあの赤いテントのおみやげやさんの前に集合して下さい」
 女史風ガイドが大きな声を出してしつこく、3回も説明した。

 我々は教会の中を見学することにした。
 荘厳な教会の中には献上されたロウソクがたくさん灯っていた。
 我々も浄財を箱の中へ投入して、1本ローソクに火を灯し、孫の成長のためお祈りする。

 ─続く─

 

中欧旅行(13)

2009-11-18 05:54:14 | 中欧旅行
 プラチスラヴァ観光後、332キロ先のプラハへバスで4時間以上かけて移動。
 スーペリアクラスというホテル・バルチェロに入る。

 

 プラハの旧市街中心部に位置する14階建ての大きなホテルだ。
 部屋はベージュの地に赤茶色の枠取りで、デスクもベッドも統一され清潔感がある。
 クローゼットも二つありハンガーも5本づつ、ウイーンのホテルに比べれば十分だ。
 みなさんが一斉に使用すると、お湯の出が少なくなるかも、また赤茶けたお湯がでるかもしれません、と仏ちゃんに脅されていたがそんなことはない。
 バスタブに十分温かいお湯を満たした。
 ところが、シャワーへの切り替わりがうまくいかない。
 蛇口の近くにポッチがあるがこれがウンともスンとも動かない。
 シャワーはあきらめてしまった。

「シャワーの切り替えがうまくいかない方がいたようですが、蛇口を押さえてポッチを引いたら切り替わります」
 翌日、仏ちゃんから言われた通りにしたら無事シャワーも楽しめた。

 10月28日、今日は150キロ先のドイツ、ドレスデンとマイセンを観光する。
 ウイーンでの朝食バイキングの行列に懲りて、6時半のモーニングコールの前に妻を先にレストランへ行かせる。
 だいたい、6時半レストランが開くというのにモーニングコールが6時半というのがおかしい。

 8時出発。
 曇り、11℃。
 ヨーロッパ特有のシックなレンガ通りの商店街を抜け、プラハ駅を左に見て郊外へとバスは進む。
 赤い屋根の家々の連なりが美しい。
 紅葉が真っ盛り。とはいえ赤は混じってない。見事な黄一色だ。
 
 途中長い湖の辺を走る。向こう側を木材を積んだ長い列車がディーゼルに引かれて走っている。
 バスの左側、山手の方には電車の軌道があり、その上の山肌にはシックな家が並び山間の保養地の雰囲気だ。



「あれ、これ人造湖だよ。ほらゲートがあるだろ、あそこで川をせき止めているんだ・・・」
 後ろの席からあの大助似のオジサンの声が聞こえた。

 ドレスデンの街へ入る。
 道路が広い。
 ドレスデンといえば弟2次世界大戦の大空襲で壊滅状態になったので有名だ。
「あれっ!黒焦げのままじゃない・・・」
 

 目に飛び込んできた宮殿は、焼け焦げを残したままに見えた。

 ─続く─