昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(340)第29回読書ミーティング(6)

2019-04-20 14:48:29 | 三鷹通信
 ボクの推薦本は、竹村真一「地球の目線」です。
 
 *地球は常にダイナミックに変動する生きた星だ。
 
 ・・・台風や地震や火山噴火すらも海と大地を生き返らせる地球の循環活動の不可欠な一部である。
 ・・・酸素に満ち溢れた大気、それを呼吸する生物圏、緑に覆われた大陸。それは地球の歴史の中では比較的最近のものだ。
            
 *私たちはまだ宇宙船地球号の成り立ちやメカニズムを十分理解していない。
  
 ・・・<人類>という可能性の種子を、十分開花させる段階を迎える前に、この地球生命圏を崩壊させてしまうわけにはいかないのだ。

 *今や地球に対して新しい<人間観>と<文明観>を構築しなければならない。
 ・・・地球温暖化対策がゴールではない。
 ・・・地球という類まれなる星の財産目録を担保しつつ、自然を包含する<美しい文明>を築かねばならない。

 *幸いにも日本人が本来持っている自然に対する礼儀、生きることへの礼節こそ、すべての環境問題に向き合う姿勢につながる。
  
 
  ボクは自然界から人類への警告として、4年前「レロレロ姫の警告」を著した。
  
  
 *まさに今回、この竹村真一「地球の目線」が刺激となり、続編「還っててきたレロレロ姫」に着手しているが・・・。
  出版のための資金? そんなこと考えている場合か! 内容が整っていないじゃないか! 

 

三鷹通信(330)第29回読書ミーティング(5)

2019-04-18 04:30:48 | 三鷹通信
 一般参加者、Aさんの推薦本は、兼高かおる「わたくしが旅から学んだこと」
 
 Aさんは、本業は看板屋ですとおっしゃっているが、鉄道、旅のライターであり、観光ガイドの資格もあり、さらに、一級小型船舶の操縦資格や、猟銃資格も持つというはなはだユニークな才女である。
 *31歳から71歳までTBS系「兼高かおる世界の旅」ディレクター兼プロデューサーとして仕切ってきた女性のこの本を推薦されたのはむべなるかな、という思いである。
 
 *Aさんは自然に映える文明の利器「風車」について、体験談として「近くで見ると<風車>って、人を殺傷する武器みたいでめちゃ怖い!」とおっしゃったのが印象的だった。
 
 

 文明の利器はその開発者の人間にいつしか、牙をむくものになるか知れたものではありませんぞ! 原発みたいに。


      




三鷹通信(338)第29回読書ミーティング(4)

2019-04-17 06:32:17 | 三鷹通信
 そもそも人生とは何か? なんのためのビジネスなのか? 今回は現代の若手チャレンジャーを取り上げよう。
  前田裕二「メモの魔力」
 *著者は仮想ライブ空間SHOWROOMを立ち上げたITベンチャーの若き社長。
 *早くに両親をなくして、生計を立てるためにギターの弾き語りで食っていた。
 *その時にメモを取っていて、客から投げ銭をもらうために、カバー曲よりリクエスト曲を歌うと受けることを知る。
 *客と仲良くなるという双方向性が大事であることを知る。
 *双方向性がある絆が生まれる仕組みをネットに創る。
 *秋元康、堀江貴文、幻冬舎の見城徹などと交流がある。

 落合陽一・堀江貴文共著「10年後の仕事図鑑」
 *落合陽一は、現在、筑波大学学長補佐、デジタルハリウッド大学客員教授
 *クロスダイバーシティプロジェクト研究代表。
 *AIの進化により、事務職など単純な労働、医師や弁護士やエンジニアにしてもAIが代行する部分が増える。
 *仕事の仕方が変わってくる。

 *そんな世界の中で、どう生きるか? 自分で決めていかなければならない。
 *その点、講師によれば、落合陽一は今どきの最先端スーパー若者である。
         




三鷹通信(337)第29回読書ミーティング(3)

2019-04-16 09:44:25 | 三鷹通信
 黒川伊保子「妻のトリセツ」
 
 *妻が怖いという夫が増えている。
  ・・・一言いえば十倍返し。ついでに十年前のことまで蒸し返す。
  ・・・いつも不機嫌で、理由もなく突然怒り出す。
  ・・・人格を否定するような言葉をぶつけてくる。(ウチなんかアホと・・・
  ・・・<ネガティブトリガー>目の前と関係ない過去の不平不満が芋づる式に出てくる。

  ・・・本書は、脳科学の立場から女性脳の仕組みを前提に妻の不機嫌や怒りの理由を解説し、夫側からの対策をまとめた、妻の取り扱い説明書である。

 FACTFULNESS(賢い人ほど真実を知らない)
 
 *データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣をつけよう!
 *賢い人ほどとらわれる10の思い込みの傾向がある。
 *世界中の人に質問し、ありがちな間違い本能を調べ上げた。

 <質問1>世界でもっとも多くの国がすんでいるのはどれでしょう?
  A低所得国 B中所得国 C高所得国(全世界正答率25%)
 <質問2>世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどうかわったか?
  A約2倍になった。 Bあまり変わっていない C約半分になった。(全世界の正答率10%)
 <質問3>1966年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されていました。
  この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕しているのはいくつでしょう?
  A 2つ Bひとつ Cゼロ (全世界正答率7%)

  ・・・正解は、それぞれ、B,C,C

  それぞれ<分断本能>(世界は分断されている)
      <ネガティブ本能>(世界はどんどん悪くなっている)
      <単純化本能>世界はひとつの切り口で理解できる)

     *思い込みを乗り越え、データを基に正しく見る習慣を身に着けよう!          





三鷹通信(336)第29回読書ミーティング(2)

2019-04-15 08:53:50 | 三鷹通信
 ビジネス書といったって、いろんなジャンルがあります。講師は分かりやすく図式化してくれました。
 
 *ビジネス書といえば、本来はスキルアップや苦手の克服、ビジネスに必要な知識を求めるものだったはず。
  それが、特に一昨年あたりから、「健康、教養、話し方、メンタルなハウツー、人間関係」と多様になってきた。
 *吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は漫画化で大ブームになりました。

 *「人間関係」は今や旬のジャンル。
  ◎ 田村耕太郎の「頭に来てもアホとは戦うな!」は2018年ビジネス書売り上げ第1位(トーハン調べ)
         
  ◎ Jam著「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」
  
  ・・・まさに人を喰ったようなタイトルで、現代社会の悩みを解決する。
  
  
  目の付け所がナウイっていうか・・・


 

三鷹通信(335)第29回読書ミーティング(1)

2019-04-14 18:39:53 | 三鷹通信
 昨日は現役編集者が主宰する読書ミーティングが三鷹市連雀コミュニティセンターで開催された。
 参加者はボクのような単なる読書愛好家というより、出版や編集に関わる専門家が多い。
 今回は新しい方、それも魅力的な女性二人が参加された。
 
 まず、主宰者から最近の出版業界の傾向について説明があった。
 最近の傾向として、ビジネス書売り場が活況である。
 先週のベストセラーは、樹木希林の「一切なりゆき」「120の遺言」が目立つ。 
 *「一切なりゆき」は3か月で100万部突破の新記録だそうだ。
 *樹木希林の<名言>
  ◎ 求めすぎない。欲なんてきりなくあるのですから。
  ◎ アンチエージングというのもどうかと思います。
  ◎ 「人は死ぬ」と実感できれば、しっかり生きられる。
  ◎ 不自由なものを受け入れ、その中に自分を入れる。
  ◎ お互いに中毒なんです。主人(内田裕也)は私に、私は主人に。
  ◎ 俯瞰で見ることを覚え、どんな仕事でもこれが出来れば生き残れる。

    ・・・たしかに。富士フィルムのCM「美しい方はより美しく。そうでない方はそれなりに・・・」
            死の直前の「万引き家族」はアカデミー賞候補になりました。
            ・・・その人柄が作品に反映されている。・・・       





三鷹通信(334)三鷹市立図書館・本館の図書館祭り!

2019-03-31 06:27:30 | 三鷹通信
 昨日は三鷹市立図書館、本館で図書館祭りが行われていました。
 
 前庭の満開の桜の木の下でちょっとした演奏会も開かれていました。
 にじの会(ハーモニー)で作られたいろいろな種類のパンも売られていました。
 
 後ろ側から撮っちゃったみたいだ。
 
 館内では本の修理屋さんが実演していました。
 

 近くの市役所交差点の桜も満開でした。
 

 春は何事も<お祭り>にしちゃいましょう!         




三鷹通信(333)大久保喬樹講師からのメール

2019-03-17 10:23:38 | 三鷹通信
 「下記の内容につき不都合な表現がありましたらご指摘ください」という小生のメールに対し、大久保先生から下記のようなご丁重なご返信を頂きました。

 「丁寧なご感想ありがとうございました。時事問題から文明論まで幅広い関心を示されているご様子に脱帽しました。文明論的SFまで手がけておられるのですね。
  今回の市民大学では皆様の積極的な運営に感心いたしました。三鷹の市民文化はレベルが高いですね。」


 昨日は、三鷹市民大学・日本の文化コース、メイン講師の大久保喬樹東京女子大学名誉教授の最終講義と食事をしながらの懇談があった。
 
 最終講義は、先生の大好きな文化人類学者レヴィ・ストロースが取り上げられた。
 *ポストモダン(フランス革命の後、19~20世紀前半、文明の転換期)に当り、彼は思想界に衝撃的な影響を与えた。
 *ヒントになったのは未開民族アマゾンの裸族との体験だった。『悲しき熱帯』
 *西洋近代文明の<人間中心>に対し<自然の摂理・環境の保護>を訴えた。『野生の思考』
 *1977年より来日、日本文化調査(労働観、食、芸術)を行っている。
 *西欧の<神教文化=自己中心>に対し、日本の<自然の一部としての自己>を評価。

 *<労働観>に関しては西欧では<神から与えられた罰>と捉えるのに対し日本では<自然からの恩恵>と捉える。

 *象徴的なのは、レヴィストロースはユダヤ人であるが、ダビデの神殿よりは天の岩戸に感動を受けたということだ。

 *西欧文明(キリスト)は排他的で、それまでの文明を排除することで成り立っているが、日本文明はそれら原始から続く人間文明を柔軟に取り入れるという柔軟性、連続性がある。

 *この日本の文化コースの趣旨は「現在では、近代西欧型文明が行き詰まりをみせており、それに代わる新たな文明のあり方が模索されています。今こそ、日本人固有心情や日本文化の特質を考えることで、改めて大きなヒントを一緒に探してみませんか!」です。
 
 *私事で恐縮ですが、ママとレロレロしかしゃべれない超難病の少女が東日本大震災で大変身し、自然界からの使者として、「傲慢な人類は自然界の癌だ」という趣旨の「レロレロ姫の警告」という本を4年前に出版しました。
 アマゾンで高評価いただいたこともあり、続編「還って来たレロレロ姫」の出版を目論んでいます。

 *ピエール・ロチェの「お菊さん」から始まり、今回のレヴィ・ストロースで締められた一連の講義で小生は大きなヒントを頂いた気がします。本当にありがとうございます。
 「昭和のマロ」こと大澤 隆

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三鷹通信(331)三鷹市と太宰治

2019-03-14 06:30:05 | 三鷹通信
 NHKテレビで三鷹市が取り上げられた。
 東京都の西部に位置し、交通の要衝。文化の香る街、三鷹市。
 見るべき観光資源は、国立天文台や古民家と幅広い。

 しかし、なんと言っても、三鷹市と言えば太宰治である。          
 彼は青森の富豪の家に生まれたが、戦後三鷹市に住み、
 家族も持ったが、虚無的・頽廃的な作品を生み出す。
 そし愛人と自殺。

 
 彼が入水した玉川上水は当時、<人喰い川>と恐れられたが、今は水量も少なくとてもそんな川には思えない。
 彼の自宅にあった百日紅は今では<太宰治賞>を選考する近くの<井心亭>に移植されている。
  
 玉川上水に沿って歩く歩道<風の道>は、市民の格好の散歩道である。 

            



三鷹通信(330)日本の文化・移入と受容「和漢をつなぐ雪舟の水墨画」

2019-03-10 11:03:17 | 三鷹通信
  3月8日(金)は、三鷹市民大学・日本の文化コース、「日本の文化:移入と受容・・・和漢をつなぐ雪舟の水墨画」         

 講師:長尾 新(あらた) 学習院大学文学部教授
 
 *「日本画と洋画」そもそも外国には自国名を冠した絵画というものはない。(・・・イタリア画とか・・・)

 *日本の文化は対外国という捉え方をする。(欧米とか中国を意識して・・・こういった相対化は外国にはない)
 *そもそも日本古来の文化的遺産は縄文土器に見られるだけで、弥生式土器にはすでに外国の影響がうかがわれる。
 *日本列島は外国文化の吹き溜まりで、世界の博覧会場と言われるくらいである。
 *しかし、 外国文化の影響の中、日本らしさを追求してきた。
  (平仮名文化<とか、茶の湯とか・・・)
 *雪舟は、中国へ留学して実地にいろいろと学んできたが、その作風は独自の日本風のものである。
 *絵画は古来の<和漢>から、明治時代以降は<和洋>へと展開。

 日本文化は、外国から諸々を呑み込み咀嚼して独自のものを生み出すという、ある意味これからの人類の歩むべき道を示している。